コロナ禍で盛況 欧州のネットオークション! 最低落札価格がない吊り下げ式オークションも人気!

ビジネスコラム

コロナ禍が世界中を巻き込み、ヨーロッパ諸国では残念ながら終焉の兆しがみられない。在宅ワークがもはや日常化し、老若男女問わず人びとは自粛を半ば強いられている状態だ。カフェやレストラン、映画館、ホテル、テーマパークといった施設は休業中で、おのずと人びとは巣ごもり状態に。
そんな中、家にいるだけで思いのほか楽しめるのが、ネットで気軽にアクセスし、参加できるオンライン・オークションだ。ほしいものや気に入ったものを見つけて競り勝つ醍醐味が、人びとにとってひそかな娯楽になっているのだ。

コロナ禍で盛況!オンライン・オークションで丁々発止?

   著者:オランダgramフェロー 稲葉 かおる
公開日:2022年2月25日

コロナ禍だからこそ!オンライン・オークション人気上昇

オンライン・オークションを使って買いものをすることは、もはや世界中で日常化しているのは承知の事実だ。コロナ感染防止のためのロックダウン(都市閉鎖)で思うままに店頭へ出向き、買い物することもままならない中で、人びとにとってこうしたオークションを活用する機会がさらに増えた。

1999年に設立されたオランダ最大規模のオークション・サイト、「Marktplaats(マルクトプラーツ)」では、中古も新品もとりまぜて1日あたり約35万件の商品が取引されている。 取引されるのは、家具や衣類から車や日用品まで、何から何までだ。特に中古品を無駄にすることなく再活用させる点では省資源に貢献しているともいえよう。

Marktplaatsでは2022年1月現在、1800種以上のカテゴリーを提供している。 サイトの使いやすさも好評だ。基本的にはメールアドレスのみで会員登録できる。買い手と売り手が、快適で安全な取引ができるよう、サポートシステムやアフターケアも充実している。オークションにかけられる商品もユニークだ。例えば、湖に浮かぶ小島、個人用ヘリコプター、採石場のある家などまでが出品される。

最低落札価格がない?吊り下げ式オークション

ところで、オランダでは非常に面白い取引が行われる。最低落札希望価格から買い手が値段を吊り上げていく普通のオークションとは異なる、「オランダ式オークション」といわれるスタイルのものだ。

たとえば、出品者が「1万円」と希望落札価格を提示しオークションを開始したとする。そこに買い手が現れ「OK!1万円で買います」となれば一件落着だ。しかし、ふつうのオランダ人たちはそれでは満足しない。そんなにすんなり決まってしまっては、オークションの醍醐味が味わえないじゃないか!というわけだ。

そこで、大抵値引き交渉が開始される。「1万円じゃ高い。でも、6,000円なら買うけど、どう?」「いや、5,500円で売ってくれ!」と何人かが値を下げ始める。

出品者はそこで、こう言うのだ。「値下げは承知した。でも、そこまで安くは売らない!」。

すると今度は買い手たちのほうが、値引き交渉で出された最低金額に色を付け、徐々に値段を上げていくのだ。
会話で示せば、以下のようになる。

買い手A「1万円は高い。でも6,000円なら買いたい!」
買い手B「いや、もう少し下げて5,500円なら買う!」
出品者「値下げはOKだけど、ちょっと下げすぎ。もう少し、上乗せしてくれないとね」
買い手A「だったら、5,600円!」
買い手B「なら、5,700円出す!」
買い手C「なら僕は、5,800円!」
出品者「それでは、買い手Cさんの5,800円で落札!」

買い手が値引き交渉しても、出品者がその落札希望額をよしとしない場合、買い手は小刻みに金額を吊り上げていき、最終的に出品者が納得したとき、めでたく落札となるのだ。

この値段吊り下げ式オークションの歴史は古く、もともとは農作物や魚のセリで使われていた。買い手と売り手が直接大声をかけあって値段交渉に乗じていたため、市場も非常に活気に満ち溢れていたという。

現在も、この値段吊り下げ式オークションは、ネット上のみならず、いろいろな市場で使われている。たとえば、世界最大の生花市場のひとつである「Floraholland(フローラホランド)」における競り市でも使用されており、値段交渉はデジタル式で行われる。

人気のオークション・サイト

オランダの数あるオークション・サイトには、以下のようなものがある。

●レストラン、テーマパークなどのチケット・オークション・サイト「Ticketveiling」
Ticketveiling.nl | Bied mee voor kortingen op de leukste veilingen!

こちらは、レストラン、テーマパーク、動物園、映画館等のチケット(入園料やアトラクション料等)をオークションで落札するためのサイトである(コロナ禍の影響で、2022年1月現在、レストランなどグルメ関係はすべて「テイクアウト」用のチケットのみを扱っている)。

●アート関連オークション「Kunstveiling」
Dé online veiling van Kunst en Design | Kunstveiling.nl

無名・著名問わず、芸術(アート)作品を扱うサイト。絵画、彫刻、そしてレプリカなどがオークションに賭けられる。鑑定書付きの出品が条件。

●上級レベルのオークションが楽しめる?「Catawiki」
Het online verkoopplatform met wekelijkse veilingen – Catawiki

アンティーク(骨董)から楽器、家具、貴金属、腕時計、アクセサリー、ブランドアパレルを扱うオークション・サイト。それぞれのカテゴリに出品される品々はプロの鑑定士による鑑定つきとされ、いわゆる「まがい物」や「コピー」がオークション対象となることがないのがウリだ(このサイトでは現在、「オランダ式オークション」での競売法は用いていない)。

最後に

このようなオークション・サイトは、商品購入目的で利用するのはもちろんだが、値段交渉に参加する醍醐味をゲーム感覚で楽しめるため、それも大普及の一因となっている。長く寒い冬でのコロナ禍も、オンライン・オークションで心に遊びとゆとり感を、といったところだろう。


 

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