海外のお風呂事情:硬水地域でのお風呂掃除 in エストニア
日本と海外の違いとしてよく水の違いが挙げられる。その通り、ここエストニアも水道からは硬水が出てくる国である。住み始めた当初は特に何も感じなかったが、1ヵ月も経つと水回りの掃除に日本とは違ったアプローチが必要なことが判明した。なぜなら、硬水には軟水にはないミネラル分が含まれていて、それが掃除方法にいろいろな影響を与えるからだ。今回は、そんな硬水地域におけるお風呂掃除の方法を紹介していく。
海外のお風呂事情:硬水地域でのお風呂掃除 in エストニア
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年4月13日
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バスルームの様子
掃除方法の前に、バスルームのつくりを紹介する。
写真は筆者の住むアパートのバスルームである。洗面台とシャワーブースで構成されており、トイレはバスルームとは別になっている。物件によっては、トイレ、シャワー、洗面ブースが一体となったユニットバス形式の場合もある。どちらにせよ、特段変わったつくりではない。
しかしながら、掃除となると日本式ではうまくいかない。次項以降では、多くのヨーロッパ諸国と同様、硬水地域であるエストニアでのお風呂掃除の仕方について紹介していく。
ライムスケール(石灰)
硬水地域に来た日本人が困ることといえば水回りに現れる白い水垢だろう。お風呂に限らず、キッチンでも洗面台でも、使った後の水気を切らないと翌朝にはライムスケールと呼ばれる白い水垢のようなものが出現する。これは硬水に含まれている石灰成分である。できてすぐであれば、布巾やキッチンペーパーでゴシゴシと擦れば落ちるが、水道の蛇口付近など頻繁に使う場所はすぐに汚くなるため、そのような場所のライムスケールは蓄積されてしぶとくなる。筆者は週に1度、このように少ししぶとくなったライムスケールをまとめて落とすためにお酢の入った洗剤を使用している。
写真はドイツのメーカーの洗剤。主成分はお酢で、ラズベリーの香りづけがされているものの、吹きかけるとツーンとした臭いがする。これを気になる場所に吹きかけて5分から10分ほど放置し、最後に布巾で拭き上げると汚れが落ちてピカピカになる。
シャワーハンドル部分にこの洗剤を使ったビフォーアフターである。ライムスケールが落ち、これを乾いた布で磨くともっとピカピカになる。
排水溝掃除
空気が乾燥しているので、ヨーロッパでは毎日お風呂に入らない人も多い。洗髪となれば2日に一回だったり1週間に2回だったりすることも普通である。そのため、排水溝も毎日体や髪を洗うことを想定して作られておらず、シャンプー・コンディショナー・ボディソープなどを使うことを繰り返していると排水溝の流れが悪くなってくる。シャワーブースに水が溜まりやすくなり、水たまりの中でシャワーをしているような感覚になる。
このような場合は、日本と同じように排水溝詰まり解消の洗剤が解決する。パイプへの刺激が強いので頻繁に使用することは推奨されていない。そのため、ここぞという時に使用する。毎日できる詰まり対策としては、排水溝にそのまま流れていきそうになる髪の毛をキチンと取り除く、または現地人に倣って洗髪の回数を減らすことだ。
シャワーヘッド掃除
日本だとシャワーヘッドを掃除しない人もいるのではないだろうか。少なくとも、筆者が日本に住んでいる時はシャワーヘッドの交換をするとき以外、シャワーヘッドをわざわざ取り外して掃除することはなかった。しかし、ここではそうはいかない。
毎日シャワーを浴びると、およそ2週間もするとシャワーヘッドにある無数の穴から出てくる水の量が目に見えて減ってくる。硬水のミネラル成分がシャワーヘッド内で結晶化し詰まるのだ。
目が詰まったシャワーヘッドは、このようにところどころ白くなる。
この穴の詰まりを無くすには2つ方法がある。ひとつ目は、爪楊枝や歯間ブラシのようなものをシャワーヘッドの穴にぷつぷつと刺してミネラル成分をこそげ落とす方法だ。地道だが、即効性がある。もうひとつが、シャワーヘッドを取り外してそれを丸ごと酢につける方法だ。1-2時間浸しておくと、石灰分が取れて元通りになる。
まとめ
水の違いが生活に与える影響は大きい。特に海外に住むとなると、旅行とは違って掃除のことを考える必要が出てくる。今回紹介したように、掃除方法については勝手がわかってしまえば難しいことはないのだが、いささか日本でのお風呂掃除よりも手間がかかる。この硬水が引き起こすやっかいな汚れについて、日本企業の「かゆいところに手が届く商品開発の力」で何とかならないかと掃除のたびに考えてしまうのだ。