イタリア国営航空 ITAエアウェイズ(旧アリタリア)はスターアライアンスへ移行か?!

イタリア

イタリアの航空会社といえばアリタリアというのは知られたところだが、2021年10月からITAエアウェウズに経営が刷新された。
ゼロからの出直しとなったイタリアの国営航空会社ではあるが、2023年1月にルフトハンザ航空による買収が確実となり、現在加盟するスカイチームからスターアライアンスへの移行が懸念されている。

いったいITAエアウェイズはいったいどのようになるのだろうか。

筆者の経験談とともにお伝えしたい。

イタリア国営航空 ITAエアウェイズ(旧アリタリア)はスターアライアンスへ移行か?!

著者:イタリアgram fellow 伊田里アネ
公開日:2023年3月14日

アリタリア時代の問題は晴れるのか?

ストが多いとされるイタリア企業。アリタリア時代も頻繁にストライキがあり、多くの乗客が泣かされてきた。そのストを回避するため、早速にITAエアウェイズ全ての労働者の賃金を上げるという決断をし、イタリアも国をあげてこのITAエアウェイズを軌道に載せたい構えだ。

ITAエアウェイズの買収先が決まったというのは2022年の年末から囁かれていた。そのパートナーはドイツのルフトハンザ航空である。

2023年のはじめに、ルフトハンザ航空が40%もの株式を約3億ユーロ(約430億円*)で購入すると報道され、続いてローマフィウミチーノ空港のテコ入れにもルフトハンザ航空が全面的に協力するというものだった。

ルフトハンザ航空からすれば、ローマのフィウミチーノ空港を最西の欧州の空港ハブにし、アメリカや中南米からの長距離線の乗り入れを充実させることができる試算がある。

(参考資料: https://www.ilsole24ore.com/art/ecco-l-effetto-accordi-ita-airways-e-sindacati-retribuzioni-AEqRWxrC/

加盟するスカイチームの他航マイルはITAエアウェイズでは貯まらない

ルフトハンザ航空はスターアライアンスの親玉であり、ITAエアウェイズの加盟するスカイチームとは異なる航空連合である。

イタリアに住む筆者は、まさに日本への帰国便を模索していた。
ウクライナ問題で高騰する航空券の価格。格安を模索したい。できれば加入しているエールフランスKLMが主軸のフライングブルーマイルも貯めたい。

そんな中、同じスカイチームに加盟するITAエアウェイズのチケットを発見した。価格内容が良かったので即購入しようとオンラインでの手続きに入った。
決済をするその前の段階、搭乗者内容を入力する時にあるだろうマイレージの登録画面が出てこない。

そこには注意書きマークがあり、見ればデルタエアラインズのスカイマイルズプログラムとエールフランスKLMのフライングブルーはマイルが加算されないとある。ITAエアウェイズとスカイチーム提携航空会社の契約については後日報告するということだった。

実際にエアフランスのフライングブルーに問い合わせてみたところ、エアフランスやKLMで共同運行されているITAエアウェイズのチケットを、エアフランスKLMから購入する場合のみ、マイルが加算されますとのこと。デルタ航空も同様である。

つまり、ITAエアウェイズで購入したチケットはスカイチームであってもマイル加算されないということだ。

イタ エアウェイズではヴォラーレを採用

未だスカイチームであるITAエアウェイズのマイルシステムは、ヴォラーレ(Volare)を採用する。
未だスカイチームではあるITAエアウェイズではあるが、現在大韓航空のみマイル加算ができるそうだ。

(2022年9月の情報ですが「大韓航空」以外にも「チャイナエアライン」や「エールフランス」などで加算できると書いてありますが…… ルールが変わっているようです)

(ITA Airways Volare マイレージプログラム https://howto.traicy.com/earn-miles-alitalia-airlines/

日本からイタリアへのフライトはもっと便利になる

ルフトハンザ航空は、ITAエアウェイズの手続きを夏の繁忙期までに終えたいとするが、スカイチームからスターアライアンスへの移行はまた別の手続きで、少なくとも9ヶ月程要するという。なので夏の直行便でのイタリアへの旅のマイルは、ヴォラーレに入会する以外は加算されない可能性が高い。

日本の国際線航空会社といえば、JALかANAである。マイルシステムは、JALはワンワールド、ANAはスターアライアンスに加盟している。
ANAはルフトハンザ航空と同じスターアライアンスなので、もしITAエアウェイズがスターアライアンスに加盟となった場合、日本からのフライトはANAのマイルが貯まるので相当便利になると思われる。

しかし、スカイチームに残ることをITAエアウェイズが決断する可能性もあり、まだ不明瞭なことの方が多い。
イタリアへ渡航する際、マイルが加算できるかは予約する前に確認することを強くお勧めしたい。

*価格レート表示は1ユーロ=約143円で計算し、数字を丸めています。
(参考資料: https://www.ansa.it/sito/notizie/economia/2023/02/02/lufthansa-comprera-il-40-di-ita-per-250-300-milioni\_6c5c0761-ab6a-43ae-b3fc-f2463778c8e2.html

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