スペイン発祥のモップ|進化系モップの市場が好調

スペイン

モップはスペイン発祥の掃除道具であることをご存知だろうか。スペインでは、モップは各家庭・オフィス・レストラン等あらゆる場所での必須アイテムで、屋内だけでなく家の前の道路までモップで拭き掃除をするのが一般的だ。

立ったり屈んだりせずに手軽に拭き掃除ができる画期的な掃除道具であるモップは、スペイン人にとって誇りのある発明品となっている。現代ではさらに進化を遂げ、スペインのモップ市場は活気を持ち、さまざまな技術革新と需要の増加によって発展している。

スペイン発祥のモップ|進化系モップの市場が好調

   著者:スペインgramフェロー 北田ミヤ
公開日:2024年7月4日

スペイン人愛用の掃除道具

スペイン発祥のモップは、マヌエル・ハロン・コロミーナスという空軍のエンジニアが1950年代に国際特許を取得した、スペイン人が誇る発明品のひとつだ。

床掃除を効率的に行うために設計されており、お掃除ロボットが世界中に普及する現代の世の中でも変わらずスペインの人々に愛用され続けている。

従来のモップはシンプルな絞り器付きバケツとセットで使用する。バケツの一部にプラスチックの丸いかごがついていて、汚れたモップは水で洗った後、先端のモップ部分をこのかごに押しつけながら持ち手の柄をくるくる手で回して絞る。

日本在住時に自宅をモップ掛けなどしたこともなかった筆者であるが、今ではすっかりお掃除ロボットとモップの二刀流、床掃除に欠かせないアイテムとなっている。大理石の床がピカピカになる上に掃除後は洗剤水の香りが家の中を満たしてくれる。

進化するモップ

現在では従来の手動で絞るタイプのモップと平行して進化した電動やスピンモップも人気を集めている。

◎電動モップ
電気で作動する電池式モップで、手作業の軽減や清掃能力の向上が利点として挙げられる。

◎スピンモップ
床のモップがけをより効率的かつ便利にするために設計された。用途が広く、フローリング・タイル・ラミネートなどの大きな表面を掃除するのに特に便利。

その仕組みは以下の通りだ。

■円形マイクロファイバーヘッド
スピンモップには円形のマイクロファイバーヘッドがついていて、床やその他の手の届きにくい場所を効果的に掃除できる。

■スピニングバスケット付きモップバケット
スピンモップには、スピニングバスケットが組み込まれた特別なバケットが付属している。モップヘッドをバケツで洗剤水に浸し、フットペダルを踏むか、プッシュハンドルを使用しバスケットを回転させてモップヘッドから余分な水や汚れを絞り出す。回転動作により従来の手作業で絞るモップと比較するとはるかに簡単にモップヘッドの水分レベルを制御できる。

スピニングバスケット付きモップ

(参考元:4 Best Spin Mops of 2024 (Tested and Ranked) – This Old House
https://www.thisoldhouse.com/cleaning/22316842/best-spin-mops

(参考元:The 7 Best Spin Mops of 2024, Tested and Reviewed (thehousewire.com)
https://www.thehousewire.com/best-spin-mops/

(参考元:Tested and Reviewed (realsimple.com)
https://www.realsimple.com/best-spin-mops-7498784

現地スーパーに見るモップ関連アイテム

進化系モップが人気を博す一方で、昔からある手動式モップも未だ健在であり、その魅力はなんといってもリーズナブルな価格だ。手動で絞るタイプのかごつきバケツであればモップとセットでも10ユーロ前後で揃えることができる。だいたいどのスーパーでも替えの柄(2ユーロ前後)や、替えのモップの先端部分(1〜2ユーロ)もお手頃価格で入手できるため、汚れが気になってきたら気軽に新しいものに付け替えることができる。

それにひきかえ、人気のスピンモップの価格はおおよそ50〜60ユーロ、電動モップに至っては100ユーロ前後と、手動式の10倍の高価格となっている。

成長する進化系モップ市場

スペインのモップ市場は、近年健全な成長を遂げている。特に電動モップ(自動・半自動)の分野では、従来の製品と比較して高いコストが市場の成長を抑制している一方で、スチーム・バイオリアクター、コードレス技術、再利用可能なパッドなどの先進システムの統合が市場を成長させていて、2021-2027年にかけて6%以上の成長率が予測されている。

特に、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋などの主要地域では今後も更なる成長が期待されている。

Global Spin Mops Market(2024)によると、2022年にはスペインのスピンモップ市場は前年比で4%増加し、2年間の減少後に2年連続で上昇した。

2012年から2022年までの期間において、市場価値は年平均+3.8%の成長率で増加した。

また同期間において生産量は年平均+3.4%の成長率で増加し、一部の年には8.8%の急増が記録された。生産・消費・輸出額は2022年にピークに達し、今後も増加が続く見込みで、着実な成長が期待されている。

スペインからのモップの主な輸出先は、フランス、ポルトガル、イタリアでこれらの国々が総輸出の43%を占めている。

(参考元:Spain’s Brooms, Brushes, and Mops Market Report 2024 – Prices, Size, Forecast, and Companies
https://www.indexbox.io/store/spain-brooms-brushes-and-mops-market-analysis-forecast-size-trends-and-insights/

(参考元:電動モップの世界市場は2027年まで年平均成長率6%で成長する見込み | Report Oceanのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004973.000067400.html

(参考元:市場調査レポート: スチームモップの世界市場 – 見通しと予測(2023年~2028年)
https://www.gii.co.jp/report/arz1261071-steam-mop-market-global-outlook-forecast.html

まとめ

スペイン人がモップ掃除を好む理由のひとつには、スペイン人が家を誇りに思っており、生活空間をきちんと整頓することを優先する文化的なプライドがある事も関係しているようだ。

スペインの有名なことわざに「No es más limpio el que más limpia, sino el que menos ensucia」(最もきれいな人は、最もきれいにする人ではなく、最も汚れていない人)

というものがある。このことわざ通り、スペイン人は家を清潔に保つために、実際に他のどのヨーロッパの国の人々よりもかなり多くの時間、人生の1年以上(平均約週3時間)を掃除に費やしているというデータもある。

スペイン滞在中にはぜひ早朝に通りを歩いてみていただきたい。店や建物の外の玄関や歩道を熱心にモップで拭いている人に出くわすことだろう。

(参考元:Why do Spaniards have very clean homes? (thelocal.es)
https://www.thelocal.es/20230815/why-do-spaniards-have-very-clean-homes

北田ミヤ

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スペイン在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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