デジタルノマドに最適な国！スペインが世界ランキング1位

2025.08.02

スペイン

以前の記事「デジタルノマドビザとは？」
https://global-biz.net/europe/spain/digital_nomad_visa-sp/
で、スペインが2023年より正式に導入したノマドビザの特徴について紹介したが、今回VisaGuideが発表した「Digital Nomad Index 2025」において、スペインが総合スコア5.0を獲得し、世界ランキングで堂々の1位に輝いた。

VisaGuideの評価基準である６つの要素（生活費・高速インターネット環境・医療制度・税制の優遇措置・ビザの取得要件・観光地としての人気度）すべてにおいて高評価を受け、デジタルノマドに最適な国としてトップに立った形だ。

異国の地スペインコスタ・デル・ソル/フエンヒローラに住んで22年

交通便利な生活と多彩なカルチャー広がる多文化都市｜マラガ/フエンヒローラ

この記事の内容

デジタルノマドに最適な国！スペインが世界ランキング1位

デジタルノマドに最適な国！スペインが世界ランキング1位

　　　著者：スペインgramフェロー北田ミヤ
公開日：2025年8月2日

VisaGuide「Digital Nomad Index2025」ランキング

デジタルノマド・インデックスによる2025年のデジタルノマドに最適な国のランキング上位10ヶ国は以下の通りとなった。

１位　スペイン
２位　UAE（アラブ首長国連邦）
３位　モンテネグロ
４位　バハマ
５位　ハンガリー
６位　カナダ
７位　ルーマニア
８位　ポルトガル
９位　ブラジル
１０位　キュラソー

これらの国々は、生活費の安さやインターネット環境の充実など、デジタルノマドにとって重要な6つの評価基準において高評価を得ている。

（写真：Valenciaのカフェ / 居心地の良いカフェはデジタルノマドに人気の作業場所である）

スペインがデジタルノマドに選ばれる理由と人気の地域

スペインが「Digital Nomad Index 2025」で世界ランキング1位に選ばれた理由には、複数の要因が挙げられる。

まず、デジタルノマドに不可欠な高速インターネット環境とインフラの充実度だ。スペインはヨーロッパ屈指の5Gネットワークを提供しており、リモートワークに最適な環境が整っている。

小都市や農村部ではまだ4Gが主流の地域もあるが、政府は今年中に全国の95%以上で5Gを普及させることを目標に掲げている。また、コワーキングスペースの整備も進んでおり、快適なワークライフバランスを実現できる点も評価されている。

次に、生活の質とコストのバランスが優れている点も魅力的だ。医療制度の充実に加え、西ヨーロッパ諸国と比較して住宅費・食費・交通費が安価であることが、スペイン移住の大きなメリットとなっている。また、以前の記事でも触れた「ベッカム法」により、外国人リモートワーカーは最大600,000ユーロの所得に対し、一律24%の税率が適用されるなど、税制面での優遇措置も魅力のひとつである。

さらに、バルセロナやセビリアといった歴史的な都市は、豊かな文化と活気ある雰囲気で人気を集めている。筆者の住むバレンシアも、美しい海岸線と温暖な気候に恵まれ、特にアメリカからの移住者に人気の都市となっている。

アメリカからの移住者が急増中

2023年に導入されたスペインのデジタルノマドビザは、2025年までに1万件以上の申請が寄せられた。特にアメリカ人の関心は高く、申請件数が非常に活発に推移している。それに伴い、首都マドリードのアメリカ人居住者数は2018年から35%増加し、2024年中頃には約1万人に達した。現在も増加傾向にあり、今後もこの流れが続くと予測されている。

政権交代後、政治的不安や社会的分断を背景に、LGBTQ+コミュニティやヒスパニック系アメリカ人達が安定した社会環境と生活の質を求めてスペインへ移住するケースが増加。その結果、2025年初頭にはアメリカからスペインへの移住者が急増した。

アメリカ人によるスペインでの不動産購入も活発化していて、2024年には2,199件に達し、2019年比で255%増加。「The Daily Beast」によると、2025年第1四半期の購入件数は前年同期比で57%増の520件となり、外国人購入者の中で最も急成長しているグループとなっている。

特にバレンシアでの購入が目立ち、市内の不動産会社「Valencia Property」によると、アメリカ人は主要な顧客層を形成しており、昨年の売上高の34%を占めた。今年、最初の4ヶ月と同ペースで推移すれば、昨年比100%増となる見込みだ。