英国のお風呂事情|硬水とバスルームの秘密
英国では湯船にお湯を張らず、シャワーだけで済ませる人がほとんど。
英語で「入浴」や「風呂場」を意味する「bath」の語源となった都市「Bath」がある国ではありますが、「お風呂」の概念が日本とは異なります。
本記事では、英国のお風呂(シャワー)事情について紹介したいと思います。
都市「Bath」がある国・英国のお風呂(シャワー)事情
著者:イギリスgram fellow ひーらえす・むじお
公開日:2023年10月28日
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英国の水道水は硬水?
「イギリスの水道水は硬水」と書かれている記事をよく見かけますが、イングランド北部やウェールズなど、軟水の地域もあります。
筆者はイングランド北部のリーズと、南ウェールズのカーディフに滞在経験がありますが、どちらも100%硬水ではありませんでした。
下記サイトでは都市別に硬水か軟水かまとめられているので、ぜひ参考にしてみてください。
(Hard Water Map: https://www.bristan.com/hard-water-map)
※Hard→硬水 Soft→軟水 Moderate→中間
バスルームの設備
イギリスはヨーロッパの国ということもあり、設備はドイツやイタリアと同じく、トイレとシャワールーム(家によってはバスタブ付き)が一緒になっていることがほとんど。
なお、筆者は2度ホームステイを経験し、2度ともトイレとバスタブ付きのシャワーが一緒になっているパターンでした。
現在はフラットシェアで生活していますが、ここで初めてシャワーのみの設備を経験することとなりました。
このシャワーボックスは、英国内を旅行するときに利用するホテルやドミトリーではおなじみの設備です。
湯船にお湯は張る?
ヨーロッパの国ということで、お湯を張って湯船にゆっくり浸かる文化はあまりなく、他国と同じく家によっては一日に出るお湯の量が決まっているため、大量のお湯を使うことができません。
この関係で、筆者が最初に留学した際は、ホストファザーに「シャワー時間は1回5分」と言われかなり驚いた記憶があります。5分は難しくおそらくそれ以上使ってしまっていた気はしますが、他の留学生もいる大きいホストだったので、シャワー時間はなるべく短く済ませるよう努力しました。
シャワーを浴びる頻度・時間帯
英国では、68%の人が毎日シャワーを浴びます。一方で、32%の人が毎日シャワーを浴びない、という調査結果も。ちなみに同じヨーロッパで毎日シャワーを浴びる人は、フランスは76%、ドイツは77%。イタリアは53%となっています。*1
1回のシャワー時間は、平均で7‐8分。*2 ※調査:2018年
シャワーを浴びる時間帯は、朝起きてすぐ浴びる人、夜帰ってきてから浴びる人など、人によって異なるようです。*3
*1(出典先:STYLIST https://www.stylist.co.uk/beauty/skincare/how-often-wash-shower-bathe/744740)
*2(出典先:The nation’s shower routines revealed – Mira Showers by Mira Showers
https://www.mirashowers.co.uk/blog/trends/revealed-what-brits-are-really-getting-up-to-in-the-bathroom-1/)
*3(出典先:How Often Should You Shower | Body Care | NIVEA
https://www.nivea.co.uk/advice/skin/how-often-should-you-shower#:~:text=Unless%20you%20are%20very%20active,after%20one%20day%20without%20showering.)
英国のシャワー系グッズ事情
英国でよく見かけるドラッグストア「Boots」や「Superdrug」でシャワー系のコーナーを見ていると、日本とは異なるお風呂/ シャワー文化であることがわかります。
・Shower Gel(シャワージェル)
日本と同じくシャンプー・ボディーソープ・コンディショナーを見かけますが、「Shower Gel(シャワージェル)」という、名前の通りジェル状のグッズが多く置いてあります。
シャワージェルはボディーソープよりも保湿力は低く、温暖な気候の地域に住んでいる人や、オイリー肌の人に向いている、との見解があり、また、シャンプーはシャワージェルの役割を果たす一方で、シャワージェル単体ではシャンプーの代わりにはならない、との意見もあります。
(引用元:Should You Use Body Wash, Shower Gel, or Bar Soap?
https://www.realsimple.com/beauty-fashion/skincare/bath-body/difference-between-body-wash-shower-gel-bar-soap)
(引用元:Come clean: What’s the difference between shampoo and shower gel? | New Scientist
https://www.newscientist.com/lastword/mg24532661-200-come-clean-whats-the-difference-between-shampoo-and-shower-gel/)
そんな中、シャワージェルの中にはシャンプーの機能を兼ね備えているものもあります。
写真:筆者が現在使用してる、「RADOX」のシャンプー・ボディーソープ。種類が豊富で、安いときは£1で購入できます。
写真:筆者が現在使用している「Simple」の洗顔フォーム
筆者の髪はかなり短いので上記商品で事足りますが、髪の毛が長い人や、髪・肌のケアに気を使っている人はシャンプー・ボディーソープをそれぞれ使用した方がよいかもしれません。
・Face Toner(フェイストナー)
ヨーロッパの国の人々は洗顔よりも「Face Toner(トナー)」と呼ばれるふき取り式の化粧水を使用した後、乳液や美容液をつける、という習慣が定着しているようです。
※STEP2にあたる「Tone」がトナーを使用したケアです
筆者も当初、その文化に染まろうとしましたが、どうにも肌の調子が悪く、日本と同じように洗顔を行うようにしたところ、とたんに肌の調子がよくなりました。
日本のドラッグストアではかなりの種類の洗顔フォームが1か所にまとめられていますが、英国では洗顔フォームのコーナーが設けられておらず、ブランドごとにスキンケア用品がまとめられています。
・Bath Salt(バスソルト)
前述したように、英国ではバスタブがあってもお湯を張って湯船につかることはあまりありませんが、お湯を張って「Bath Salt(バスソルト)」を入れ、香りを楽しみつつリラックスする人もいます。
また、英国発のスキンケアブランド「LUSH」では数多くの「Bath Bomb(バスボム)」が売られています。
まとめ
日本はもちろん、他のヨーロッパの国々とも一味異なったお風呂(シャワー)文化の英国。旅行や出張、留学などで渡英の際はこうしたカルチャーショックを味わうのも醍醐味です。
また、日本ではなじみのある「洗顔フォーム」や湯船にお湯を張りゆっくり入浴を楽しむ「入浴剤」など、英国にはあまりない製品を付加価値として売り込むことで、新たなビジネスチャンスにつながるのかもしれません。