物価高による困難な購入状況! オーストラリア女性の生理用品問題

オーストラリア

2022年12月の消費者物価指数の上昇率が前年同期比7.8%と、33年ぶりの高水準を叩きだすなど、激しいインフレーションが続いていたオーストラリア。今年に入りインフレが減速傾向にあるものの、相変わらず商品や家賃などの値上げは続いています。そんな中で女性が毎月必ず使用する生理用品についても値上がりし、購入が困難になっているという深刻な問題が起こっています。

【オーストラリア】物価高で生理関連用品の購入が困難な女性が増加

   著者:オーストラリアgramフェロー 平澤 歩
公開日:2023年6月7日

オーストラリアは生理用品が高い

私自身、最初にオーストラリアのスーパーで生理用品コーナーを見た際、価格の高さに衝撃を受けました。ブランドによって異なるものの、生理用ナプキンの価格は昼用で1枚当たり0.35~0.45ドル(約30~40円)、夜用で1枚当たり0.5~0.6ドル(約45~55円)と、日本で購入する1.5~3倍の価格となっています。

このように生理用ナプキンが高価なため、繰り返し使用可能な吸水ショーツも人気となっていますが、吸水ショーツも1枚当たり25~35ドル(約2200~3100円)と、複数枚買うには値が張ってしまいます。

物価高により生理関連用品の購入が困難になった女性が急増

国際NGO(非政府組織)のプラン・インターナショナル・オーストラリアが、1980年以降生まれの成人女性517人を対象に今年4月に実施した調査によると、57%の人が「価格の高騰により、生理用ナプキンやタンポン、吸水ショーツなどの購入が難しくなった」と答えています。1997年以降生まれの成人女性に限定すると、64%の人が生理関連用品の費用を賄うことが難しくなったと答えています。

また、年収5万ドル(約450万円)以下の人の中では、「鎮痛剤やピルなどの生理関連の薬を購入することが難しくなっており、精神衛生や快適な暮らしに悪影響を与えている」と回答した人が目立ちました。

この生理関連用品の価格高騰に対し、回答者の半数以上は「より低価格の生理用ナプキンやタンポンを購入することで対処している」と回答しました。しかし、低価格の商品であっても以前よりも価格が高騰していることから、貧困層の女性の中には生理関連用品を購入する余裕がなく「布切れで代用している」との深刻な回答も見られました。

女性だけの課題と考えず、福祉政策の拡充が必要

女性にとって生理関連用品の購入は不可避な出費であるものの、男性を含めて気軽に話すことができるトピックではないという風潮や、市場や政府に大きな影響を与える人は男性が多いことなどがあり、「社会全体として解決しよう」という動きが見られないことが問題となっています。

プラン・インターナショナル・オーストラリアはオーストラリア政府に対し、「石鹸やトイレットペーパーなどと同じく、プール、ジムやサウナに併設された浴場に生理関連用品を無料で設置したり、生理関連用品を必要とする人々へ補助金を提供したりする必要がある」と提言しました。

実際にメルボルンなどの都市を擁するビクトリア州労働党政府は、2022年の州選挙の公約で「図書館・公立病院・駅など、最大700ヶ所の公共施設に1500台の生理用ナプキン・タンポンのディスペンサーを設置する」と掲げており、実現に向けて動いています。

ジェンダー間での課題認識の差が大きくある中で、女性の健康や快適な暮らしを守るため、オーストラリア国内でどこまで課題解決の動きが広まるかに注目です。

【引用】
◇The Guardian:Young Australian women struggling to afford period products as inflation soars, survey shows
https://www.theguardian.com/australia-news/2023/may/26/young-australian-women-struggling-to-afford-period-products-as-inflation-soars-survey-shows

◇The Guardian:Victoria moves to fulfil promise of free tampons and pads
https://www.theguardian.com/australia-news/2023/may/21/everyone-has-a-story-about-being-caught-out-victoria-moves-to-fulfil-promise-of-free-tampons-and-pads

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