オーストラリア:豊富なグルテンフリー食品
日本では、体調や肌荒れの改善などに効果が期待できるとして、一部の健康志向の方に注目されている「グルテンフリー」。オーストラリアではスーパーの商品からレストランのメニューまでグルテンフリー食品が用意されていることが多く、日本のように特別なものではありません。オーストラリアのグルテンフリー事情について見ていきましょう。
オーストラリア:豊富なグルテンフリー食品
著者:オーストラリアgramフェロー 平澤 歩
公開日:2023年2月7日
「グルテンフリー」とは
「グルテンフリー」とは、小麦に含まれるタンパク質の一部「グルテン」を含む食品を摂取しない食生活のことです。パスタやパン、洋菓子など小麦を使用した食品を摂取せず、グルテンフリー食材で代用して作られたのもを食べます。
グルテンフリーはもともと、セリアック病(グルテンを摂取することで腹痛や倦怠感など様々な不調が生じる病気)や小麦アレルギーの患者が行なっていた食生活ですが、現在では体質や肌荒れの改善効果が期待できるとして、健康志向の方にも取り入れられています。
オーストラリアで「グルテンフリー」が浸透している理由
主な理由は2つあります。
1つめは「セリアック病が一般的な病気であること」です。小麦文化のオーストラリアで、セリアック病は100人に1人が発症しているほど一般的な病気であるため、グルテンフリー食品の需要があります。
2つめは「肥満対策」です。オーストラリア統計局の調査によると、成人(18歳以上)の体重過多または肥満の割合が1995年は56.2%であったのが年々増加し、2017~2018年は67.0%であると報告されています。また、5~17歳の子供についても、2007年~2018年の間、体重過多または肥満の割合が約25%を占める状態が続いています。
小麦を使用した製品は、砂糖やバターなどの油脂と共に加工されたものが多く、高カロリーである場合も多いです。肥満に繋がる高カロリーな食品を避けるため、グルテンフリーが広まりました。
スーパーやレストランのグルテンフリー食品
オーストラリアではスーパーの一角にグルテンフリーコーナーが設けられていることが多いです。商品のラインナップは幅広く、パスタやパンなどの主食、クッキーやクラッカーなどのお菓子、魚や肉のフライ・パイなどの冷凍食品、醤油などの調味料など、通常小麦が使用されている食品のグルテンフリー版商品が販売されています。
レストランやカフェでも、グルテンフリーメニューや代替メニューが用意されていて、メニューには「GF」「GFO」などと表記されています。私は現在日本食レストランで働いていますが、毎日のようにグルテンフリー変更での注文が入り、グルテンフリーの醤油を使って調理するなどして対応しています。
まとめ
グルテンフリー商品のニーズが高いことに加え、昨今の小麦価格の高騰により、世界的に見ても小麦の代わりとなる食材に注目が集まっています。既にグルテンフリー版小麦粉の原料に米粉が使用されていることもあり、日本の米粉も販路拡大の余地がありそうです。
引用
◇コメルグルテンフリースイーツ:https://comeru.jp/blogs/journal/1
◇オーストラリア留学ワールド:
https://tabiken.com/au/lifeinfo/glutenfree/
◇Australian Bureau of Statistics:
https://www.abs.gov.au/statistics/health/health-conditions-and-risks/overweight-and-obesity/latest-release