東南アジアでリユースビジネスはマスト!ブックオフの海外戦略

マレーシア

2022年11月、ブックオフコーポレーションはマレーシア国内10店舗目となるマラッカ店をオープンしました。マレーシアで展開する中古品店「じゃらんじゃらんジャパン」は、2016年にスタートし、順調に店舗数を伸ばしています。
今回の記事では、マレーシア版ブックオフの出店についてと、ブックオフの海外戦略について紹介します。

マレーシア版ブックオフ! 出店加速   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年2月9日

今回の出店

今回出店した店は、世界遺産の街であるマラッカのショッピングモール「キップモール・マラッカ」内オープンし、売場面積は約500坪、アパレルや着物、生活雑貨や家具、その他ベビー用品やおもちゃ、ホビー、スポーツ用品、楽器、アクセサリーなど、日本で販売しきれなかったものを販売します。

この出店により、創業から6年かけて当初の目標であった「10店舗」開店を実現し、現地の従業員も現在は400名にのぼっています。

マレーシア出店の意義

日本のブックオフの店舗では中古品の買い取り販売も行っていますが、売れずに廃棄やリサイクルとなるものが年間4万トンに達しています。これを解決するための「出口戦略」の一つがマレーシア進出でした。日本国内の店舗で販売に至らなかった商品でも海外では受け入れられることがあり、ブックオフによると、マレーシア国内店舗の仕入販売率は90%超と売れ残りはほとんどなく、年間2,600トンの商品を販売しているといいます。

マレーシアのブックオフ「じゃらんじゃらんジャパン」は「Preloved in Japan」をコンセプトに出店し、商品量の多さと価格の安さがマレーシアの消費者のニーズにマッチして、出店を加速しています。

グローバル展開

ブックオフは2000年から海外展開を強化して、アメリカ、フランス、そしてマレーシアでリユースショップの展開を行っています。良質な「Used in Japan(日本中古品)」をお手頃価格で販売することで海外からの需要が高まり、中国やヨーロッパ、アラブ首長国連邦と越境ECの販路開拓を進めています。

アメリカとフランスでは、当初は現地在住の日本人向けに日本の商品を売買していましたが、現在は主に現地の人々とのローカル商品の売買を目的として運営されています。

マレーシアでは新しい取り組みとして、日本から輸出したリユース品の販売を行っており、より現地の消費者を意識した店舗となっています。

東南アジアでのリユースビジネスは社会で必要

東南アジアの各国でも、経済成長に合わせて耐久消費財が製造され、凄まじい勢いで消費されています。そして、日本と同じくらいかそれ以上に廃棄されるエアコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機やパソコンなどの処理に手を焼いています。東南アジアは多くの人口を抱え、かつ経済発展が目覚ましい国が多く、個人や業者が解体した部品を仕分けして販売したり、露店で粗悪修理品が販売されているのが現状です。

マレーシアでは以前からリユースの衣料品の売買が盛んで、中国においては中古ブランド品の取引は依然活発です。

その中で、今まで培った目利きや店舗運営のノウハウを活かして、日本のリサイクルショップがアジア市場への進出を加速させています。

越境ECの活用

ブックオフはマレーシア出店にあたり、東南アジアで最大のマーケットプレイスであるECストア「Shopee」へ出店し顧客をつかみました。
東南アジア最大の中古車向けeコマースのプラットフォームである中古車販売「Carsome」や、中古品のECサイドなどで大手企業が育ちつつあります。
ただ、東南アジア各国の経済成長と中古品の需要を考えると、まだまだ日本企業の参入の余地は十分にあると考えられます。引き続き期待したいと思います。

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