マレーシアの祝日「ディーパバリ(Deepavali)」について

マレーシア

「ディーパバリ(Deepavali)」とは、「光の祭典」とも呼ばれるヒンドゥー教徒のお正月のことで、マレーシアだけでなく世界中のヒンドゥー教徒が新年を祝います。マレーシアの全人口の約6%がヒンドゥー教を信仰していて、そのほとんどはインドにルーツを持つインド系の住民です。
多民族・多宗教国家のマレーシアには、それぞれの宗教や民族の様々な祝日やお祭りがあります。
そこで今回の記事では、マレーシアの祝日「ディーパバリ(Deepavali)」について解説します。

マレーシアの祝日「ディーパバリ(Deepavali)」について 

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年10月28日

ヒンドゥー教のお祝い「ディーパバリ」とは?

アルファベットでDeepavaliまたはDiwali(ディーワーリ―)と表記されることもあり、例年10月末から11月初めのヒンドゥー暦の第7番目の月の新月前後がディーパバリです。今年は10月24日の予定です。
別名の「光の祭典」の由来は、悪に対する善の勝利(闇に対する光の勝利)を祝うお祭りからくるとされています。
ディーパバリは、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーをお祝いする日で、ディヤという小さなお皿やろうそく、イルミネーションを飾って善の勝利を祝います。インド系が多く住むエリアでは、夜は爆竹や花火をして盛大にお祝いをします。
ディーパバリの日には、ヒンドゥー教徒は沐浴をしたり、新調した衣装を身にまとってお寺にお参りしたり、親戚や友人の家を訪ねて一緒に食事をしたりお菓子を食べたりして新年を祝います。

ヒンドゥー教の文化を街で感じる

毎年ディーパバリが近くなってくると、マレーシア全土のやショッピングセンターやホテルのロビーでは、色を付けた米で描かれた絵が展示されます。「Kolam(コーラム)」と呼ばれる色鮮やかで繊細で美しい飾りです。
コーラムは、その場所に幸せが訪れることを祈って作られる飾りです。大きなショッピングモールやホテルだけでなく、会社やマンションのロビー、駅の改札前など街のいたるところにこのコーラムが出現します。

リトルインディア Brickfields(ブリックフィールズ)

クアラルンプールの中心にあり新年用の衣装やお祝い料理を買い求める人達で大変賑わいです。かなりの人出ですが、活気ある街の雰囲気や、インド系の商品などのお買い物を楽しみたい方は訪れてみるといいでしょう。インド系の衣装などもかなりお得に買うことができます。
漂うインド系の食べ物の匂いに食欲と興味をそそられます。
本格的なインド料理を味わってみるのもいいですね。
ヘナタトゥ(メヘンディ)と呼ばれるタトゥも興味深いです。
ヘナとは、インドで昔から染料として使われてきた天然ハーブの一種で、ペースト状にしたヘナを肌の上にのせることで肌が色付きます。ヘナタトゥは「幸運を呼ぶ」とインドではファッションとして日常的に楽しんだり、結婚式やお祭り前に豪華なデザインを施したりします。1~2週間前後で消え、気軽に楽しめますので、時間があればぜひ体験することをおすすめします。

Batu Cave(バトウ洞窟) 

マレーシアにおけるヒンドゥー教の聖地、Batu Cave(バトゥ ケイブ)で新年の儀式が行われ、人々が初詣のような礼拝に訪れます。
巨大な鍾乳洞の中にあるマレーシア随一のヒンドゥー教の聖地で、19世紀末にインド系の有力者がヒンドゥー教の寺院を建てたのが始まりで、大自然と宗教が融合した驚くべきパワースポットです。
目を見張るのは黄金の巨大なムルガン像で、高さは42.7mもあり、300ℓ以上の金で覆われているそうです。
洞窟の中はスピーカーを通してサドゥと呼ばれる歌と太鼓と笛の音が響き渡り、ヒンドゥー独特のリズムとメロディを体感できます。

多宗教多民族 

盛大に行われる宗教行事を体験するとマレーシアの国家の成り立ちを強く実感します。
この国の多様性と懐の深さを感じることができるのが、それぞれの民族の祝日です。
今年はコロナ禍前のような賑わいを取り戻すことでしょう。

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