18歳以上の糖尿病患者 約390万人

マレーシア

保健省のノール・ヒシャム保健相が11月に、マレーシアの18歳以上の糖尿病患者が総人口の18.3%にあたる約390万人いることを明らかにしました。このうち半数は病状に気づいていないといいます。
以前から肥満の危険性がメディアで取りざたされていましたが、今回はマレーシアの肥満について解説します。

18歳以上の糖尿病患者 約390万人   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年1月17日

糖尿病が深刻な問題に

マレーシア保険相の指摘によると、小児や10代の若者の糖尿病症例が増加しているとのことで、特に18歳〜35歳の年齢層でみると糖尿病患者数は過去15年で300%増加しており、若者の間で糖尿病患者が増えていることは大変に深刻と述べています。

マレーシアの成人の肥満率 (BMI 25以上) は日本 (4.5%) の4倍以上に達していて、東南アジアの国の中で最高となっています。

また、マレーシア人の糖尿病患者のうち約49%の人が「一度も治療を受けたことが無い」、もしくは「診断を受けたことがない」と答えており、これについても憂慮しています。

 2021年に当時のアジズ財務大臣は「マレーシア国民肥満調査で、マレーシア成人の50.1%が太りすぎであることが明らかになりました。この数字は、過去30年間で最も悪い数字です」と発表し、マレーシア人を健康的なライフスタイルに導くために「加糖飲料の物品税の徴収を開始する」と述べて、実際にいわゆる「砂糖税」の徴収が導入されています。

肥満の原因

政府は「ココナッツ・オイル中心の伝統食過剰」「砂糖の過剰」「食用油の過剰」「運動不足」を肥満の原因に挙げています。

確かに、肥満の大きな原因が食事にあるというのは間違いなく、マレーシアは油もの大国でどんな料理も油で揚げられ、しかも古くて臭いがきつい黒い油で焦げるほどに揚げられているのが基本です。それに加え、甘いものが本当に街中に大量に溢れています。しかもそれらは尋常じゃない位の甘さで、明らかにカロリーが高過ぎと感じます。

それだけでなく、気候や交通事情にも原因がありますが、基本的にマレーシア人はまず歩くのが嫌いで、歩いているところをあまり見かけません…

健康なマレーシアを目指すために「マレーシア人一人ひとりが自分自身の健康に責任を持ち、健康的なライフスタイルを実践することが大事」と保健省も警告を発しています。

外食文化

マレーシアは「外食天国」といわれるほど飲食店がたくさんあります。

開放的な屋台食堂、屋台が集まるオープンエアのホーカー(集合屋台)、ショッピングモールのフードコートなど飲食店の種類も多く、フードトラックなども路肩でよく見かけます。

調査によると、マレーシア人の64.1%が自宅での食事より外食を好むそうで、外食はマレーシアの食生活に欠かせないものなのになっています。外食ではどうしても野菜が不足がちになり、油で炒めたり揚げたりした濃い味の料理が多くなります。

東南アジアに共通するこの食文化が肥満や糖尿病の原因に大きく関わっているのは確かでしょう。

半分が肥満

数字上では国民の半分が肥満ということになります。

私が暮らしているクアラルンプールではそれを実感することはありませんが、郊外や田舎町、特にジョホールなどの南部に行くと確かに半数が肥満かな…と感じます。

保健相は「糖尿病は未治療の期間が長いほど合併症や早死のリスクが高くなるため、糖尿病の発見と早期治療が病気の管理上重要だ」と述べています。しっかりと血糖値やコレストロールの値に気をかけるようにし、運動も怠らずに行って、私自身も肥満に気を付けてマレーシア生活を送っていきたいと改めて感じています。

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