ドンキがマレーシアで新たな一歩、ハラルフードに特化した店舗オープン

マレーシア

「DON DON DONKI」がマレーシアのセランゴール州に4店舗目をオープンしました。新店舗はハラル認証を受けた食料品や菓子を提供し、イスラム教徒の意見も取り入れたムスリムフレンドリーの甘味処を設けました。また、寿司屋「鮮選寿司」もオープンし、全メニューをムスリムフレンドリーにしました。
マレーシアは世界で最も信頼性のあるハラル認証を持ち、イスラム教徒の国へのゲートウエイとして注目されています。このチャレンジはドン・キホーテの海外売上1兆円目標達成に向けた大きな一歩となるでしょう。日本からアジアへ、そして世界へのドンキの快進撃が続きます。
今回の記事では「DON DON DONKI」の新店舗についての詳細と、あらためて「ハラル」について解説します。

「DON DON DONKI」マレーシア4店舗目はムスリムフレンドリーに   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年5月18日

国内最大の売場面積のモール

「IOI City Mall」はマレーシア国内最大の売場面積を誇り、700店舗以上のテナントを有する国内最大のショッピングモールです。 1 階にはアイススケートリンクがあり、クアラルンプール中心から車で30分程でアクセスでき、休日には多くの家族連れでにぎわっています。

イスラム教徒の意見を取り入れ

「DON DON DONKI」では、ハラル認証のあるお菓子や食料品を扱うほかに、店内にイートインスペース112席を設置して、購入した総菜や屋台で購入したから揚げやたこ焼きなどをその場で食べられるようにしてあります。

また、イスラム教徒が多いエリアにあることから、イスラム教徒の意見を取り入れてムスリムフレンドリーの甘味処を設け、あずきを使ったどらやきなどの日本のデザートをメインに提供します。

ドンキが手掛ける寿司屋「鮮選寿司」も同時にオープンし、同社では初めて、全メニューをムスリムフレンドリーとしました。普段生魚を食べないマレーシア人でも寿司を楽しめるように、炙り寿司など生魚以外の寿司メニューも豊富にそろえています。

ハラルフードとは?

「ハラルフード」とは、イスラム教の戒律によって食べることが許された食べ物のことで、聖典であるコーランに規定されています。「ハラル=合法」「ハラム=非合法」を意味し、代表的なハラムの食べ物は酒や豚肉が挙げられます。

その食品がハラルかどうかを見分けるには、ハラルのロゴが目印になります。

マレーシア政府は、1994 年に世界で初めてハラル認証制度を導入しました。その認証は国が運営しており、「JAKIM」(ジャキム)と呼ばれています。

マレーシアは世界で唯一、政府の機関がハラル認証を付与しているため、世界でも最も信頼性があるハラル認証と言われており、イスラム教徒の国へのゲートウエイになっています。

ムスリムフレンドリーとは?

ムスリムフレンドリーとは、ハラル認証を受けることが難しい場合に、イスラム教徒に対して製品や施設やサービスをできる範囲で配慮して提供すること、またその提供される商品を意味します。

商品提供者がムスリムにアピールするために自ら呼称する場合が多く、基準や監査をクリアしているわけではないため、商品のハラル性は商品提供者の良心に掛かっているといえます。

海外売上1兆円目標

隣国シンガポールはマレーシア同様に外食文化であり、「DON DON DONKI」はすでに店内キッチンを設置して日本食の惣菜を充実させることに挑戦し、一定の成功を収めています。

マレーシアでも総菜の品目数は進出当初よりも増えており、店内キッチンの作り立てのお弁当なども販売し始めています。

ドン・キホーテは2030年までに海外売上を1兆円に到達する目標を掲げています。

マレーシアでのチャレンジとその成功は、2022年の20億人から2030年には23億人に増加し、世界人口に占める割合も25%から27%に高まるというイスラム教徒の国々への、大きな第1歩となるのではないでしょうか。

日本からアジアへ、そして世界のドンキへと快進撃が続きそうです。

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