「辰年ベビー」でブライダル産業に復調の機会|マレーシア

マレーシア

2024年がスタートしました。

パンデミックで壊滅的な打撃を受けた産業が回復し始めて、経済も復調しつつあります。

最も甚大な影響を受けた観光産業も復調しつつあり、2023年1月から11月にかけて 2,600万人もの観光客がマレーシアを訪れたことが明らかになっています。

辰年の2024年は、マレーシアにとってどのような年になるのでしょうか。

「辰年ベビー」でブライダル産業に復調の機会  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年2月15日

堅実な回復

2年あまりにわたるコロナとの闘いから脱却し、マレーシアのGDP成長率は2022年に8.7%という力強い回復を見せました。

2023年も4%程度の成長率を記録しており、世界の生産量の伸びは前年の3.5% から3% 程度に鈍化し、世界経済の成長率は減速しているにもかかわらず堅調でした。

成長率4%を超える可能性

ウクライナ戦争やイスラエル紛争など、世界は引き続き不安定な状態にありますが、マレーシア経済に関しては比較的楽観的な見方が多く、マレーシアの材料や製品に対する需要が増加すれば、マレーシア経済は2024年には着実に改善する可能性があるとの見方が大半です。

人気の辰年

中国のコミュニティや華人系の間では、辰年には他の干支の年よりも多くの出生が記録されています。

実際、辰年の2000年に香港の出生率は5% 以上増加し、中国本土では前年比で95万人近く出生数が増加しました。

辰年生まれの子どもは「知的でクリエーティブで自信に満ち、粘り強く、パワフルで、しかも生まれつき幸運で才能に恵まれている」と信じられているためです。

中国では、辰(ドラゴン)は皇帝の権力と権威を表す象徴であり、また、十二支の中で唯一の神話上の生き物であり、力と偉大さの象徴とされています。

新たな始まりや成功、繁栄するには好ましい時期であるという考えから、辰年には他の干支の年よりも多くの出生数が記録されているのです。

華人系の結婚ラッシュ

マレーシアでは2020年のパンデミックのはじめから非常に厳しい感染予防策がとられ、大人数での会食が制限されていました。そのため、従来の大規模な結婚式が執り行われず、ブライダル業界は大打撃を被りました。

2022年以降、感染対策の緩和が進むにしたがって、結婚を延期していたカップルが結婚式を執り行うなど、ブライダル関連サービスの予約が伸びています。

地元紙の『Star』は「2022年から2023年にかけて、華人系の結婚披露宴の予約が75%増加している」という、中華料理店の話を伝えています。

華人系だけではなく他民族も同じ傾向にあるようで、予約が今年の中盤まで埋まっているようです。

値上げの影響も

コロナ禍が過ぎ去りましたが、その後のウクライナ戦争やイスラエル紛争などの影響を受けて、世界的なインフレの波がマレーシアにも及んでいます。

ブライダル業界も例外ではなく、結婚式の式場や式のサービス、料理の料金などで値上げが続いています。ホテルのウエディングプランでは、費用が10%以上値上がりしているようです。

マレーシアの結婚式は、民族に関係なく招待者、参加者がとても多いです。

コロナ禍で大規模な結婚式ができずにいた人々は、今度は値上げラッシュに苦しんでいます。

多様化が進む

私の知り合いにも今年結婚式を挙げる人がいますが、やはり、通常通りの大規模な結婚式は難しく、当初の予定の半分程度の規模になるとのことです。

華人は人と人との結びつきを大事にし、伝統的に式をあげないという選択肢はないため、式は挙げるけれど規模はかなり縮小するようです。

以前は両親や親戚などの意見が大きく影響したようですが、日本同様、式を挙げる当人たちの希望も十分に取り入れ、式場や招待する人を選んだり、式の規模を変更するなど、多様性が進んできています。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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