エストニアの新年

エストニア

クリスマスが終わると次のイベントは正月。エストニアに日本のようなお正月行事はないものの、元日は祝日となっていて大晦日から元日にかけてちょっとしたイベントが行われる。新年を迎えるエストニアのムードとそのイベントの様子をお伝えする。

エストニアの新年

著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2024年2月14日

クリスマスと比べると…

エストニアの新年はクリスマスに比べると特段これといったイベントがない。とはいえ、クリスマスは一年の中で最も大きなイベントと言っても過言ではないので、比較対象の規模が大きすぎるかもしれない。

宗教色があまり強くないエストニアでもクリスマスは祝日となっていて、家族で集まり食事をともにするのが一般的だ。一方で、新年は親しい友人と集まってパーティーをしたりして、1月2日からは普通に働きだすという。このクリスマスと正月の関係性、日本とちょうど逆ではないだろうか。

日本でクリスマスといえば友人やパートナーと過ごすイベントで、正月は家族と過ごし特別な食べ物を用意する。エストニアの新年はもっとカジュアルで、友人との楽しい時を過ごすことが中心になる。クリスマスの家族的な温かさとは対照的に、新年は社交的な喜びに焦点を当てる。

大晦日から元日にかけての過ごし方

大晦日は「ニューイヤーイブ」と呼ばれ、元日の一日前というくらいの認識でしかない。そのため、日本の年越しそばのような特別な食べ物を食べる習慣や、年神様を迎えるために大掃除したり年末の特別番組で新年を迎えるような、気持ちを高めていくイベントはない。

日本の元日と大きく異なるのは、新年が来ることを大量の花火で盛大に祝うところだ。元日の数日前からフライングで個人的にポツポツと花火を打ち上げている音が聞こえはするものの、新年を迎えた瞬間にこれでもかというほどたくさん打ち上げられる花火の壮観さにはかなわない。

花火を除くと特筆すべきものはなく、お酒を飲んだり音楽をかけたりと普段行われるパーティと変わらないものが開かれている。

しかし、今年はエストニア南部の都市タルトゥが2024年の欧州文化都市になることもあり、そのスタートを祝う特別なイベントが行われていた。

ライティングイベント

仕事や学校はいつから……?

これは地域や休暇の取り方にもよるため、一概にこうとは言えないのだが、多くの店は1月2日から通常営業を始める。祝日である1月1日を休んだら次の日から仕事という人もいて、日本のお正月休みのようなものは存在しない。

学校に関しても、1月は新年を迎えたら通常運転である。クリスマスの少し前から2週間程度の休暇に入るのだが、元日を過ぎると一気に現実に引き戻される。ちょうど学期が終わる頃にあたるため、試験やレポートの提出に大忙しなのである。

まとめ

エストニアの新年は友人とパーティや花火を楽しむのが定番で、家族行事であるクリスマスとは対照的である。家の中で過ごすクリスマスとは違って、イベントも野外で行われているため視覚的に楽しい。

日本でも年末にライブに行ってカウントダウンするといった文化が市民権を得てきたが、今でも静かに除夜の鐘をききながら年を越すのが王道スタイル。明るく派手に祝うのがヨーロッパ式。新年の迎え方にはどの国にも独自の文化と伝統がある。これらの違いは、世界の多様性を象徴しているといえるだろう。

エストニアの位置関係

さえきあき

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エストニア在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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