2023年は「サウナの年」を宣言!隠れたサウナ大国エストニア
2023年は「The Year of Sauna(サウナの年)」であることを宣言したエストニア。今年は一年を通じてサウナに関する数多くのイベントが予定されている。サウナは近年日本でもブームになっており、趣味として楽しむ人が増えている。多くの人にとって、サウナ大国といえばフィンランドだが、エストニアも負けず劣らずのサウナ大国である。少し前に日本のサウナ好き芸能人の旅行先として選ばれたエストニアは、日本のマニアの間で注目を集めている。
そんな知る人ぞ知るエストニアのサウナを紹介する。
2023年は「The Year of Sauna(サウナの年)」を宣言!隠れたサウナ大国エストニア
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年2月21日
エストニア式のサウナとは
エストニアのサウナが初めて書物の中で言及されたのは13世紀。それから現在に至るまで、サウナは国を代表する大切な文化となって続いている。
では、お隣のフィンランドとエストニアのサウナを区別する要素は何なのか。フィンランド式とエストニア式の大きな違いは、エストニア式には煙突がなく煙が室内を循環している、いわゆるスモークサウナと呼ばれるものであることだ。煙突があれば煙は部屋の外に排出されるが、スモークサウナには小さな通気口のようなものしかない。そのため、一般的なサウナより高い温度に到達し、それを維持することができると考えられている。このスモークサウナはユネスコの無形文化遺産の一つにも選ばれている。
煙突の無いサウナ小屋と水風呂代わりの池
(引用元:Visit Estonia : https://www.visitestonia.com/en/why-estonia/purification-in-the-smoke-sauna#:~:text=Sauna%20is%20ingrained%20in%20the,burning%20wood%20circulates%20the%20room.)
(引用元:Unesco https://ich.unesco.org/en/RL/smoke-sauna-tradition-in-vromaa-00951)
サウナに欠かせない道具、ヴィヒタ
サウナはただ入るだけでは終わらない。エストニアのサウナには「viht(ヴィフト)」が欠かせない。日本では「ヴィヒタ」の名で知られている、樹の枝を束ねて作られたものである。現地人はサウナに入る際、水をはったバケツにヴィヒタを入れて持っていく。気になる使い方は、ヴィヒタで体を叩く、熱くなってきた部位にヴィヒタで水かけて一時的に冷やす、ヴィヒタを扇いで熱風を浴びるなど。特に、ヴィヒタを使って体を叩くことは、血行を良くしたり発汗作用を高めたりとサウナの効果を高めてくれる。
このヴィヒタはバーチやオークといった樹から枝を切り取って作られる。これらの樹は日本だと北部の寒冷地域で見かけるが、エストニアではどこでも見られるとてもメジャーな木だ。使用される木の種類からも国の特性を感じられる。
(引用元:Plangli Travel https://tallinndaytrip.com/estonian-sauna-culture-tours/)
ベンチに寝転ぶ? もう一つの楽しみ方
フィンランドとエストニアのサウナの違いはまだある。エストニアのサウナ内のベンチの幅はフィンランドのものよりも広めだといわれている。なぜならそこに寝そべるからだ。この寝そべることがもう一つのサウナの楽しみ方につながり、これには先ほど紹介したヴィフトを使う。
ベンチにうつ伏せで寝そべったところを、第三者が両手にヴィヒタを持ち、寝そべった人の全身をバシバシと叩いていく。これにより、自分で叩くだけでは手の届かない場所まで全身の血行を良くする。その後、サウナ室から出て外気浴をしたり、サウナ小屋の裏に川や湖がある場合はそこへ飛び込んだりする。
(引用元:World of Sauna https://worldofsauna.com/estonian-sauna-culture/)
まとめ
日本でも趣味の一つとしてブームになってきているサウナ。国民の生活の一部として広く愛されるエストニアのサウナには、日本でのサウナブームを加速させるため参考にできる点があるかもしれない。また、このサウナブームを機に、サウナを中心に据えたエストニアの旅行プランの提供なども行えるだろう。