投資家と外国人駐在員向けの特別パスを導入へ 

マレーシア

マレーシアへの投資を約束した外国人を支援するため、投資家と外国人駐在者向けの特別パスが4月1日から導入されると、サイフディン内務大臣が発表しました。
このパスにより、外国人投資家は6ヶ月間マレーシアに滞在でき、必要に応じてさらに6ヶ月延長するオプションも付与されます。

投資家と外国人駐在員向けの特別パスを導入へ   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2027年7月18日

ビジネス環境の改善

「この投資家専用の新しいパスは、マレーシアへの入国を容易にするために導入されます。私たちの焦点は、ビジネスのしやすさを確保することです」とサイフディン大臣は国会の質疑応答で述べ、 「この取り組みはマレーシアに住む外国人にも利益をもたらし、マレーシアのビジネス環境の改善を可能にする」とも付け加えました。

手続きや申請への懸念に対しては「申請の処理が早くなり、手続きが簡素化されればされるほど、マレーシアのビジネス環境に対する産業界も認識はより肯定的になるでしょう。」とも述べ、このパスの成功に自信を見せました。

現行のマレーシアのビザ政策

外国人の就労や長期滞在に関して、マレーシアでは現在以下のようなビザ制度が設けられています。

①雇用パス(Employment Pass):マレーシアで就労する外国人向けの主要なビザで、一般的に2~5年の滞在が許可されます。

②長期ソーシャルビジットパス:マレーシア人の配偶者や家族が取得できるビザで、最長5年間の滞在が可能です。

③マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム:長期滞在を希望する外国人向けのプログラムで、滞在許可は5年から永住まで多岐にわたります。

日本企業への影響

この改正案は日本企業のマレーシア進出や現地駐在員に対して、様々な影響を及ぼす可能性があります。

まず、特別パスの導入によって投資家への優遇措置が拡大されることで、投資環境の改善が図られ日本企業のマレーシアへの投資が促進される可能性があります。

さらに、外国人駐在員向けの特別パスでビザ取得手続きが簡素化されることで、日本企業は専門知識を持つ人材を迅速・円滑に派遣できるようになり、事業展開のスピードアップが期待されます。

日本人駐在員への影響

日本人駐在員へも大きな影響を与えそうです。
特別パスによって駐在員の滞在期間が延長されることで、長期的なプロジェクトへの対応が容易になります。

特別パスが家族の帯同を認める場合、駐在員の生活環境が向上し、駐在期間中の安定した生活が可能となります。

外国人投資家への影響

投資ビザの取得が容易になることで、多くの外国人投資家が参入しやすくなり、不動産市場やスタートアップ企業への投資が加速され、製造業も活性化される可能性が高いです。

また、税制優遇やインセンティブにより、シンガポールなどの周辺諸国との競争力も向上することが期待されています。

注視が必要

特別パスが導入されることで、外資系企業の参入が加速し、現地での雇用創出が見込まれています。特にテクノロジー・製造業・金融・観光業などの分野で、外国企業の進出が増える可能性があります。

ただ、詳細に関してはまだ未決定で不明な点も多いです。今後、特別パスの詳細な条件や要件が発表されれば、より具体的な影響が明確になるでしょう。

Malay Dragon

28,758 views

マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

プロフィール

関連記事一覧