マレーシアが「東南アジア最大の新車市場」に

夕方のクアラルンプール。
信号がひとつ変わるたびに、車列がほんの少しだけ前へ進む。この動かない感じが、ここ数年でどんどんひどくなっている気がしています。景気が良いと言い切るほど単純じゃない。しかし体感として車は確実に増えています。
その空気感を今回のニュースが数字で裏付けました。
ちょっとニュースを確認してみましょう!
(引用元:MAA: Car sales hit record 820,752 units in 2025; 2026 to end four-year record
https://theedgemalaysia.com/node/789868)

マレーシアが「東南アジア最大の新車市場」に
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2026年03月30日
2025年、新車販売でマレーシアが「首位」に

マレーシア自動車協会(MAA)によると、2025年の新車販売は820,752台で過去最高を更新しました。報道では「マレーシアがインドネシアを抜いて東南アジア最大の市場に」と伝えています。
一方、インドネシアはGAIKINDO(インドネシア自動車工業会)のデータで、卸売(出荷)で803,687台。前年比で減少したと報じられました。
ここで大事なのは、どの指標で比べるか、です。
インドネシア側は「卸売」と「小売(リテール)」を分けて公表することが多く、同じ2025年でも小売は卸売より大きい数字として報じられています。
なので、出荷(卸売)ベースでは、マレーシアがインドネシアを上回った可能性が高いと言えるでしょう。
なぜマレーシアは強かったのか: 3つの理由
1)「とにかく今買う」空気
2025年12月は月間90,716台で過去最高、第4四半期も過去最高の水準だったと報じられています。プロモーションが強かった年は、最後にまとめ買いが起きる。クアラルンプールで車を探したことがある人なら、この流れは肌で分かるはずです。
2)金利・雇用などが支える
強い国内需要、低い失業率、金利環境などが下支えした説明されています。マレーシアは、車=生活インフラの側面が強い国です。迷っても、最終的には買う理由を見つけて購入する行動パターンなのです
3)売れ筋が明快
SUV人気が市場を押し上げたという分析も出ています。実際、都市の道路はSUVが本当に多くなりました。雨季の水たまりや段差も含めて合理的なので人気が出ているのでしょう。
逆にインドネシアはなぜ伸び悩んだのか
インドネシアの2025年は「需要の弱さが続いた」「販売が前年から減った」と報じられています。中間層の購買力やローンの環境が響いた、という見方がされています。
人口では圧倒的にインドネシアが有利。それでもその年に買えるかは、景気の良さと金融条件で変わります。マレーシアとインドネシアとの差がここに表れたということだと思います。
メーカーの戦略が変わる?
東南アジアの自動車戦略は、これまでインドネシア中心で組むのが基本でした。
しかし出荷ベースでの動向が変わると、メーカーの目線も変わってくるでしょう。販促、在庫、投入車種、EVなど、販売戦略がこの2〜3年でじわっと変わっていくはずです。
ここで面白いのは、マレーシアが作る国というより、買う国として存在感を増した点です。生産拠点として語られてきた国が、そこから離れつつある。
東南アジアは、いよいよ一枚岩ではなくなってきた感を強めています。
住んでいる側の実感として
このニュースを見て「へえ、そうなんだ」で終わらないのは、毎日この道路を走り、渋滞にイライラし、駐車場の空きを探しまわるもという経験を何度もしているからだと思います。
2025年のマレーシアは、たしかに買う国だったと感じます。
そしてここから先です。EVや交通政策、ローン環境が少し動くだけで、順位はまた入れ替わるる可能性が高いでしょう。
だからこそ、このニュースは勝った負けたではなく、東南アジアの生活と経済の空気が変わり始めたサインとして読んでおきたいです。


















