マレーシアのラマダン(断食月)とは?わかりやすく解説。

コロナ時代

イスラム教が国教であるマレーシアでは、毎年「ラマダン Ramadan (断食)」と呼ばれるイベントがあります。
2022年は4月3日〜5月2日となっています。(開始日も終了日も『新月の観測状況』によって前後するので確認が必要)
本来、ラマダンとは、イスラム暦における月の名(9月)なのですが、今日では断食を意味することも増えてきています。
預言者ムハンマドによってコーラン(イスラム教の聖典)が啓示された月だったので、イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となりました。
日本人は宗教そのものになじみの薄い方が多いかもしれません。特定の教祖がいて、明確な教義を持つ宗教について今日は学んでいきましょう。


Malaysiaビジネスの教養:マレーシアのラマダンとは?

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年4月11日

ラマダンとは

イスラム教徒には信ずべき六つの信条(アッラー・天使・啓典・預言者・来世・予定)と、実行すべき五つの義務(信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼)の五行六信があるとされ、ラマダンは五行のひとつです。
期間は約1か月で、その間イスラム教徒(妊婦や病人、生理中の女性、10歳以下の子供や高齢者などは断食を免除)は、日の出から日没にかけて飲食を止めます(夜から朝の間に1日分の食事を摂る)。飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人への平等性、共感を育むことを重視し、親族や友人らと共に苦しい体験を分かち合うことでイスラム教徒同士の連帯感が強まると考えられます。また、飢えの体験を通して食べものや飲みものの大切さを知り、それを与えてくれたアッラー(神)に感謝します。
日が出ている時間帯は水を飲むこともできないので、気温の高いマレーシアではかなりの苦行で、敬虔な人は、唾液も飲まない、目薬をささない、耳掃除をしない、たばこもダメ、を守っています。

食事はどうしてるの?

日中に断食を行う代わりに、日の出前に「Suhur(スフール)」、日没後に「Iftar(イフタール)」と呼ばれる食事をとります。
イフタールは、身体に負担のかからない水やスープからスタートし、次にフルーツやデーツ(ナツメヤシ)などの甘いものを食べ、その後は普段と同じ食事をとります。レストランなどではお皿いっぱい食べもの(ロティとよばれる無発酵のパンの一種)とカレー、ミルクティ)を用意し、一気に食べる姿をよく見かけます。
ラマダン中は住宅地にラマダンバザールが立ちならび、デーツを中心に食べもの屋が並び、多くの人がアザーン(日没を知らせるアラーの神への祈りの声)を待っている光景を目にします。

仕事はどうなるの?

日常生活がラマダン中心となり、イスラム教徒が昼食をとれないので勤務時間を1時間早めるところが多くなります。そのため通勤渋滞は多少緩和され、人々は日中の外出を避けるので週末のショッピングモールは人出が減ります。
また、イスラム教徒はこの期間体力が落ちるため、生産性も低下し仕事に通常より長い時間がかかるようです。

ラマダンの期間が毎年変わるのはなぜ?

イスラム暦は、閏月を設ける太陰太陽暦とは異なり、季節のずれを調整しない純粋な太陰暦(1年354日)であるため、ラマダンの時期は毎年同じではなく、私たちが日常使っているグレゴリオ暦と比較すると毎年11日ずつ早まっていきます。
そのため、30年ちょっとで一周して同じ時期に戻ってくるということになります。

ラマダン明けは?

マレーシアではラマダーン明けの2日間が断食明けの祝日 (Hari Raya Puasa: ハリラヤ・プアサ) となります。
数多くあるイスラム教の祝日・お祭の中でも、最大の祝日です。
町中がお祭りムードに包まれ、多くのイスラム教徒が帰郷し、まるで日本の正月のようです。
ハリラヤ・プアサについては、次回詳しくお伝えできればと思います。

貴重な機会

ラマダンは多民族国家マレーシアをより深く知ることができる機会です。
国や地域によってはムスリム(イスラム教徒)以外にも、公共の場での飲食禁止といった制限が課されたり、外国人が違反した場合には国外追放となるところもあるようですが、マレーシアの場合はそこまで厳しくはありません。
異教徒である我々は、ラマダンの期間中に断食を行っているムスリムに一定の配慮を示すのが望ましいです。飲食店ではあまり通りに面したところではなく中の方に座るとか、オフィスではムスリムがいるところでは飲食を避けるといった気遣いを心がけましょう。


 

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