マレーシアで屋内のマスクが任意に 

マレーシア

マレーシアの保健省からマスク着用についての見解が9月7日に発表されました。
基本的には屋内でのマスク着用の義務はなくなって任意となり、即日適用されました。
今回の記事では、マレーシアのコロナ対策の現状について解説します。

マレーシアで屋内のマスクが任意に 

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年10月2日

コロナ規制がほぼ撤廃

今回の発表の概要は以下の通りで
 ・屋内でのマスクの着用は任意とするが、着用は強く推奨される
 ・施設の所有者は、入場者に対してマスクの着用を義務付けるかどうかを決定する
 ・以下の場合はマスクの着用は引き続き必要
   ・コロナ陽性者
   ・公共交通機関(バス、鉄道、タクシー、飛行機、通勤通学用のバス、Grab)利用時
   ・病院、クリニック、老人ホームなど医療関係施設利用時
 ・以下の場合はマスクの着用を強く推奨
   ・夜市、スタジアム、ショッピングセンター、宗教施設など大勢の人が集まっている場
    所
   ・発熱、咳、風邪のような症状が出ている場合
   ・高齢者や慢性疾患や免疫系に疾患のある人、妊婦など高リスクの人
   ・高リスクの人と活動を共にする場合
屋外のオープンスペースでのマスクの着用義務は、5月1日からすでに任意となっていました。今回の屋内でのマスク着用義務の撤廃で、マレーシアに残っていたコロナ規制がほぼすべて撤廃されました。

マレーシアのコロナ戦略と現状

マレーシアのコロナ陽性者数は、今年3月の30,000を超える最高値から、9月6日時点で2,000をわずかに超えるまでに減少しており、死亡者数も昨年9月の 463人から激減して、1日10人以下を維持しています。
ワクチン接種率は84.2%で、人口のほぼ半数が1回目のブースターショットを接種しています。
マレーシアは新型コロナウイルスと共存する戦略をとっており、コロナ対策の緩和によって訪問者が急増しました。1月から7月の間に300万人以上の観光客が訪問し、以前の予測を大きく上回り軌道に乗ったと、ナンシー・シュクリ観光・芸術・文化大臣が報告しています。
マレーシアは4月1日より全ての外国への渡航が可能となっており、8月1日以降はワクチンステータスに関係なく、手続きは不要となりました。また、出発前・到着後の検査と入国時の隔離も、ワクチンステータスに関係なく不要となっております。

国民の反応

屋外でのマスク着用義務が撤廃された5月1日以降、現在でも屋外で会う人のほとんど(ほぼ100%近く)はいまだにマスクを着用しており、今回の屋内でのマスク着用の任意化後も、ショッピングセンターなどではやはり9割以上の人々はマスクを着用しています。
新聞記事で、モスク内でもほとんどの方がマスクを着用しているとの記事と写真が載っていました。国民は「私は少し怖いです。後悔するよりも安全である方が良いです」「年末まで持ちこたえることができるフェイスマスクを家にまだ持っている」と答えており、カーペットを販売する店を経営する男性のTVのインタビューでも「コロナは依然として脅威であると信じており、マスクを着用していない場合は顧客に着用するよう丁寧に依頼する」と語っていました。

自分で判断

現在でもほとんどの方はマスクを着用している現状ですが、着用するのも外すのも個々の判断に委ねられて強制的な雰囲気はあまり感じられず、外している人に文句を言う人も見かけません。これは非常に健全な状態で、本来の在り方のように思います。
この2年半のコロナ禍を経験して、マレーシアはマレーシアらしい多様性を尊重する力を強めたように感じます。


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