マレーシア:ニトリ東南アジアでの出店加速 

マレーシア

ニトリホールディングスは、マレーシアの首都クアラルンプール郊外のショッピングモール内に、国内3店舗目のニトリを2022年8月にオープンしました。ニトリはシンガポールにも2022年3月に進出しており、1月に東南アジア(マレーシア1号店)へ初進出して以来出店を加速しています。
今回の記事では、ニトリの東南アジア戦略について解説します。

ニトリ 東南アジア出店加速   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年11月xx日

ニトリ マレーシア・シンガポールでの出店

前述のように、ニトリは2022年1月に東南アジア初出店となるマレーシア1号店をクアラルンプールの「ららぽーと」内にオープンしており、今回の3号店の出店は「IOI City Mall」ショッピングモールに開店しました。店舗面積は約1800平方メートル、営業時間は午前10時から午後10時となっています。
気温が高いマレーシアに対応して接触冷感素材を使用した「Nクール」シリーズの寝具を通年で販売するほか、機能性の高いキッチンやダイニング用品の販売に力を入れてます。
シンガポールにも3月に進出しており、店舗はオーチャードロードにある「コーツ・ノジマ・ザ・ヒーレーン」の4階、売り場面積は約2300平方メートルです。日本でも大人気の、和と洋を組み合わせたファッション性の高いデザインと軽さと機能性を追求したつくり

ニトリの強み

日本国内のニトリの店舗数は現在780店舗で、海外では96店舗運営しています。
徹底した「自前主義」と「製造物流小売業」という独自のビジネスモデルがニトリの強みです。商品の企画から製造、物流、販売までをすべて自社で行い中間マージンを徹底的に省きます。顧客のニーズを商品設計にダイレクトに反映させ、低価格かつ高品質な商品を提供して「おねだん以上」のうたい文句を見事に実現しています。 また、90%以上の商品がプライベートブランド商品で、「安くて高品質ならニトリ」というイメージを消費者に浸透させています。

ニトリの弱みは海外進出

ニトリの2022年2月期の連結業績は、売上高8115億円で前年同期比の13.2%増、経常利益は1418億円(同2・5%増)で35期連続で増収増益でした。好調な業績で死角はないと思われますが、海外進出が競合と比べて進んでいないことがニトリの弱みでした。 競合である良品計画は、海外にすでに300店舗以上運営しており国内店舗数よりも多くなっています。ニトリでは進出地域も限られていて(台湾と中国に)、海外店舗は全店舗の1割強にとどまっています。

米国撤退とアジア進出強化

似鳥会長は「1972年に視察した米国西海岸の住まいの豊かさに衝撃を受け、家具・インテリアの提供を通じて日本人の暮らしを高めようと誓った。それから半世紀。新たな使命として、アジアの人々の暮らしを豊かにすることを目指している」と述べています。
ニトリはPB商品の多くを東南アジアを含むアジア中心の生産体制と効率的な物流網を構築することで、優れた製品をより安く提供することを可能にしました。

強味の強化

ニトリの東南アジアでの活動はすでに20年を超えており、多くのビジネスパートナーや自社の工場、グループの会社を有しています。今回の東南アジア出店の加速が、ニトリと関係の深い東南アジア地域における知名度を上げ、その強みをより強化していくことでしょう。

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