マレーシア:短期滞在ビザを導入
マレーシアで2022年10月3日に導入された「PLS@XPATS」は、専門家の外国人が10月以降に緊急な仕事でマレーシアに来た場合、最長で30日間の就労が認められるビザです。
これにより、既存の短期滞在ビザである「ソーシャル・ビジット・パス」を活用した短期就労が可能になりました。
今回の記事では、この30日間の就労パスについてと、マレーシアで就労する場合のビザについて紹介するので参考にしてみて下さい。
短期滞在ビザを導入
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2022年12月27日
PLS@XPATS
外国人専門家が重要な仕事を遂行させる必要がある地元企業や国際企業は、30日間の就労パス「PLS@XPATS」 を利用して、緊急および重要な作業がすぐに実行できるようになります。出入国管理局は、会社の業務と生産性に影響を出さずに、マレーシアの国益が常に維持されるように、これらの外国人専門家が緊急に必要であるとして新規の短期就労ビザを認めました。
パスの取得が認められる分野は製造や建設、医療、金融、電子、小売り、観光、教育、農業部門等と幅広く、民間のみならず公的部門や政府系企業も利用できます。
企業は、オンラインの入国管理システムから申請書を提出して、承認は 3 営業日以内にオンラインで付与されます。ただし、雇用パスと同様に、シングルエントリービザ(eVISA)の取得が必須で、eVISAビザの取得には通常2営業日程度は必要なため、入国までの実際の手続き期間は1~2週間です。
今までは観光ビザで最長90日間滞在出来ましたが、面談を除いて一切の就労は認められておらず、業務を行う場合には「雇用パス」か「プロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)」の取得が義務付けられていました。しかしこれらパスの取得には時間がかかるため、数日間の短期業務だけのために取得する手続きが非常に繁雑で手間でしたが、PLS@XPATSの導入によりこの問題の解消につながるとみられます。
修理や修繕への緊急の対応、物産フェアなどの短期プロモーションの実施、会社立ち上げ等に関する事前業務の実施などの業務での活用が見込まれ、日系の企業にとっては大きなコストダウンとなりそうです。
マレーシアの就労ビザ
マレーシアの就労ビザには現在4種類があります(永住権等は除きます)
1、雇用パス(Employment Pass)
給料所得を前提としたマレーシアでの就労には就労ビザが必要で、最低月額給与を基準に3つのカテゴリーに大別されていて、通常日本人が取得するのはカテゴリー1か2のビザで最低月額給与RM5,000以上となっています。雇用期間は2~5年間です。
2、プロフェッショナルビジットパス
基本的には短期での就労を目的とするビザで、プロジェクトベースの案件やリサーチなどを目的に、マレーシア国外の企業に籍を置いたままでマレーシアで一時的な就労を許可するビザで、有効期間は最長1年までで家族の帯同は不可になっています。
3、レジデンスパス
既にマレーシアに長期在住して勤務している方が、個人で取得する就労ビザで、10年間ビザ更新が不要で就労先を自由に変更できるビザです。
4、デジタルノマドビザ
以前記事で紹介した新たなIT系の業種の方が対象のビザで、年収USD24,000以上で、最長で2年の滞在が可能となります。
ビザを取って安心して就労を
就労ビザを取らずにマレーシア国内で簡単な業務をして、イミグレーションに査察で捕まるケースも出ています。今回のビザの導入で、短期就労のためのビザ取得手続きもより簡素になりました。必ずビザ取得の上就労されるようにお願いします。