マレーシア:「フードデリバリー」すっかり定着したトレンド
2020年のロックダウンからそれに続くMCO(行動規制)で、気軽に出歩くことが困難となり、一気に定着したフードデリバリー。行動規制がなくなった今でも、多くの飲食店が引き続きデリバリーサービスを継続しており、多くの人々が利用しています。
今回はすっかりインフラの1つとして定着したフードデリバリーについて解説します。
「フードデリバリー」 すっかり定着したトレンド
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年1月3日
習慣化
コロナ禍で自宅で食事をする習慣がつき、人的な接触を減らすことに気を遣うようになって以来、フードデリバリーは人気が出ています。
調査によると、マレーシアの女性の24%と男性の23%が、週に1〜2回フードデリバリーアプリで食べ物を注文し、回答者の約4%が1日に数回注文しているそうです。
(出典:Rakuten Insight Data)
2020年には686万人がオンラインフードデリバリーサービスを使用して持ち帰り用の食べ物を注文しています。
(出典:F1000Research)
これは、フードデリバリーが様々な食べ物を手に入れるための最良の選択肢となっているからです。
家庭でも飲食店と同レベルの味を食べれたり、自分で料理を楽しみながら作ることができるキットがあったりと、様々な形態での食事が提供されるようになっています。今後ますます家庭での料理をひとつのエンターテインメントととらえる傾向が強くなると思われます。
人気メニュー
人気のGrab Foodアプリでの注文料理の上位5つは、ファーストフード、ピザ、寿司、バブルティー、ケーキとなっています。
また、パンデミックを経て、マレーシア人の多くがより健康的な食品を好むようになっており、注文もより健康的な食品に人気が集まり、10人のうち7人が健康的な食品を定期的に食べたいと望んでいることを示しています。
(出典:GrabFoodMalaysia「FoodTrends Report 2020/2021」より)
フードデリバリーのスタート
マレーシアで最初のフードデリバリーサービスのアプリはFoodpandaで、2012年スタートです。その後、DeliverEat、Honestbee、Dahmakan、Grab Food などがそれに続きました。
現在では、クアラルンプールを中心に20数社がサービスを展開しています。いくつかの店舗では独自のデリバリーも行っています。
市場拡大
マレーシアでのオンラインフードデリバリーの市場規模は、2020年は約2億ドルあり、2022年に3億3,630万米ドルに達すると予測されており、9.83%の年間成長率( 2022年~2026年)、2026年には4億8,940万米ドルの市場規模が見込まれています。
(出典:Statista Data)
多種多様なフードデリバリー
現在では、食の種類やユーザーの細かいニーズに特化した様々なデリバリーサービスが登場しています。
Lalamove | 大手各種デリバリー |
Dahmakan | 質の高いシェフ&食材 |
SmartBite | レストランからのデリバリー |
AirAsia Fresh | 生鮮食料品 |
Eat Cake Today | 誕生日向けの食事 |
Hometaste | 家庭料理 |
The Naked Lunchbox | ヘルシーフード、ベジタリアンフード |
Sala | ビーガン向け |
PledgeCare | ペットフード |
Dietmonsta | ダイエットフード |
Ode Jee | ハラールフード |
外食文化が強い
マレーシアは「外食天国」といわれるほど飲食店がたくさんあります。
また、国民も外食が大好きです。
至るところに屋台街(ホーカー)があるため、コロナ以前はピザやフライドチキンなどのファストフードにデリバリーを使うことが多く、料理は店舗からのテイクアウェイ(テイクアウト)が主流でした。
テイクアウェイは「ターパオ(Tapao)」と呼ばれ、夕方になるとレストランなどからビニール袋に入れた料理を持ち帰ることが、外食文化が強いマレーシアならではの光景のでした。
コロナ禍を経て、フードデリバリーがマレーシアでの生活に欠かせないものとなりました。