世界で3番目に交通事故死亡者数が多いマレーシア
自動車のサブスクリプションサービスを提供する米FINNが、道路の安全性に関する調査結果について発表しています。
マレーシアは、世界で3番目に交通事故による死亡者が多いことが明らかになりました。
確かに車で走っていると、至るところで事故を起こしている車を見ます。事故直後に道路に寝かされた人のような、日本ではあまり見かけない光景にドキッとする事も多いです。
そこで今回は、マレーシアの交通状況について紹介します。
世界で3番目に交通事故死亡者数が多いマレーシア
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年10月19日
10万人当たり約23人
調査結果によると、マレーシアの交通事故死亡者数は人口10万人当たり22.48人。
世界で最も死亡者が多い国はサウジアラビアで、死亡者数は35.94人、2位はタイで32.21人となっています。
一方で、世界で最も死亡者数が少ないのはアイスランドで、人口10万人当たり2.05人、2位はノルウェーで2.12人、3位はスイスで2.25人となり、欧州の国がトップ3を占める結果となっています。
道路の安全性は世界でワースト5
道路の安全性に関するランキングでは、マレーシアは世界で5番目に安全性が低い国であると報じられました。 アルゼンチンが最も安全性が低く、2位が米国、3位がギリシャで、一方最も安全なのはオランダで、2位がノルウェー、3位がスウェーデンとエストニアで、やはりトップ3は欧州の国が入っています。なお、日本は10位にランクインしています。
安全性には「道路の品質・交通状況・アルコールによる交通死亡事故件数、シートベルトの着用率、街中の最高速度制限や高速道路での制限速度」などの要素が含まれています。
穴ぼこだらけ
確かにマレーシアの道路を走っていて感じるのは、道路の至るところ、しかも大幹線道路や高速でも穴ぼこが(それも割と大きめの!)ぼこぼこ空いていることです。
バイクは穴ぼこだらけの道をスピード出してスリ抜けなどのジグザグ運転をするので、事故が起こるのも当然です。
世界保健機関(WHO)からの勧告
WHOは、マレーシアに対し、交通事故死・負傷者数の削減に真剣に取り組むように要請しています。
マレーシアでは交通事故が4番目に多い死因で、交通事故による死亡者の半数以上は15~44歳の成人が関与しており、事故が起きた主な原因は、道路や車両の状況ではなく、人々の無謀な運転や交通ルールの無視に起因することを示しています。また、5~14歳の子どもの死亡の14%が交通事故によるものであり、児童死亡の主な原因となっています。
交通事故による死亡率は依然として非常に高く、低所得国の平均死亡率に非常に近いため、WHOから「早急に改善されるべき」と勧告されています。
交通違反の罰金の「ディスカウント」
マレーシアで驚くことのひとつに、「交通違反罰金のディスカウント」があります。
マレーシアではこの割引プロモーションが、国の祭日(「ハリラヤ」や「ディーパバリ」など)が近づくと「半額割引」も実施され、国全体でこの期間中に納付される交通違反の罰金はかなりの金額になると思われます。
国民は「もし反則切符を受け取ったら、次のプロモーションがあるまで払わずに待っていた方がお得」と考えている人が非常に多いです。それが、交通ルールは守らなければならないものだという意識の低下に繋がっているのでしょう。
無違反のメリットを増やすことが重要
日本ではゴールド免許の制度があり、優良ドライバーが受けられる特典があります。
今後マレーシアでも、これと同じような取り組みが行われるべきだと感じます。
国全体で交通安全の意識改革を行わなければ、マレーシアが目指している「先進国入り」は、結局お題目に終わってしまうでしょう。
マレーシアに来る予定がある方、交通事故だけには十分に気をつけてください。