ブータンでも人気!日本食レストラン
ブータンでも近年、生活習慣病が問題になりつつある。死因の半分以上を占める生活習慣病は、喫緊の問題であるとし、政府も動き出している。日本食はヘルシーな印象で、ブータンの首都ティンプーには日本食レストランが2店舗ある。今回はそのうち1店舗のHAYATEを紹介し、なぜ今ブータンでも日本食が人気なのか調べてみた。
ブータンでも人気!日本食レストラン
著者:ブータンgramフェロー よう
公開日:2023年2月6日
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ティンプーのHAYATE
ブータンの首都ティンプーには日本食レストランが2軒しかない。その一つであるHAYATEは、街の中心部にあるのもあって連日満席の大盛況である。メニューは写真の通りで、ラーメンが一押しメニューだ。
私が食べてみての感想は、ラーメンの味はやはり日本には敵わないというものだった。しかし、唐揚げはとても美味しく、日本のお店で食べたものと相違なかった。ブータン人の常連たちはそれを知っているようで、唐揚げを頼んでいるテーブルが多い。
値段はメインメニューの多くが390Nu.となっている。1Nu=1.6円(1/25現在)であるため390Nuは日本円でおよそ624円である。日本での相場を考えると相応のように感じるが、ブータンでは高級な印象を受ける。ブータンのローカル料理を食べられるレストランでは、メニューのほとんどが70〜150Nu(112〜240円)程度である。ローカルレストランより2倍以上するこのお店が連日にぎわっている様子を見ると、日本料理は人気があるのだとわかる。
油の多いブータン料理
ブータン料理といえば、代表的なのはエマダツィやモモである。エマダツィというのは唐辛子(エマ)のチーズ炒めのことである。「世界一辛い料理」ともいわれるブータン料理は、唐辛子を野菜として食べる。唐辛子を多めの油で炒めて、塩と水とチーズを入れて煮込むという、作り方はいたってシンプルなものだ。
モモはチベット発祥の料理で、日本の肉まんに似た食べものである。こちらはやや複雑な工程だがどのブータン料理のレストランでも食べることができ、安価だ。小麦粉に油や水、塩を加えてこねて生地を作り、炒めたひき肉にキャベツや人参、パクチー等を加え、具材を作る。具材を入れて包んだモモは蒸す(スチームモモ)、または揚げる(フライドモモ)。
この2つ以外にも、ポテトフライや米を揚げて作る伝統的なブータンの菓子、マクゥも人気がある。ブータンの料理の共通点としては、辛いものが多いこと、油を多く使うことがあげられる。
増える生活習慣病
近年ブータンでも生活習慣病が深刻な問題となってきている。生活習慣病による死因は全死亡分の半分以上となっている。高血圧は人口の1/4を占める。2018 年、ブータン政府は5年間の社会経済計画を展開し、生活習慣病の予防と管理を優先することを定めている。
まだ浸透はできていないものの、今後少しずつ健康的な生活を送ることを心がける人が増えていくと考えられる。
注目される日本の「IKIGAI」
ブータン人から度々「IKIGAI」を読んだよ、と声をかけられることがある。IKIGAIとは、スペイン人の著者が、日本人がなぜ長生きできるのかについて綴った本である。
この本では、沖縄のご老人たちが実践している「腹八分目」の考え方や、食事内容について書かれている。この本を読んだ人は、日本人に対し健康的な印象を抱くだろう。日本は健康的で長生きという印象が強く、日本食人気の秘訣はその味だけでなく、健康的なイメージにもあると考えられる。
ティンプーには現在2店舗のみ日本食レストランが存在しないが、今後、食生活の変革を政府が推奨していくブータンでは日本食はさらに人気を集めることが期待できる。