シンガポールと中国|ビザの相互免除措置を実施
2023年12月、シンガポールのウォン副首相は、シンガポールと中国の両国がビザの相互免除措置を開始することを明らかにし、2024年2月9日から実施されています。
タイやマレーシアでは同様の措置がすでに実施されており、シンガポールを含むこの3国はパンデミックによる渡航制限が解除されて以来春節休暇となり、人気の観光地となっています。
今回の記事では、この新たな措置を中心にシンガポールの観光の戦略について解説します。
シンガポールと中国|ビザの相互免除措置を実施
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年 3月22日
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ビザの相互免除措置
今回の合意で、入国から30日以内を条件にビザの相互免除に関する措置が実施されました。これにより、両国間での人員の往来の利便性が高められる効果が期待されています。
中国外交部の報道官も記者会見で「シンガポールと中国は、人的、文化的な交流をさらに強化することが両国の国民の利益となる」と述べており、両国の国民にとって素晴らしいことであると強調しています。
マレーシア・タイに次ぐ措置
2024年に入りマレーシアとタイが相次いで中国人観光客を対象とするビザを免除し、シンガポールもそれに続いています。
2024年の春節には以前から中国人に人気のあるタイ・マレーシア・シンガポール観光が、再びブームを巻き起こすのではないかと期待されています。
今回の措置の影響
今回の措置の発表後、中国の旅行サイトのデータによると「シンガポール」の検索数が、発表の1時間前に比べて8割、飛行機チケットの検索数が9割、ホテルの検索数が5割増えたと伝えられています。
シンガポールでも多くの航空会社がセールを強化しており、中国を観光地として検討する人が増える傾向にあります。
しかし、他のアジア諸国と比べて航空運賃やホテル代などの宿泊費が高いシンガポールは、タイやマレーシア、中国人旅行客から相変わらず人気の高い日本と比べてハードルの高い目的地となっており、シンガポールへの関心は以前ほど高まらないと予測されています。
さらに、シンガポール人にとって、中国への関心は高まるだろう可能性はあるが、それほど高まらないだろうとも予測されています。
シンガポールの巧みな観光戦略
小さな島国で、川や湖もなく海岸の長さも短く、セントーサ島の人工ビーチを除けばビーチもない、シンガポールの観光資源は限られています。
しかし、シンガポールは優位な立地を十分に活用し、さらに人材の可能性を活かすことで観光業を発展させてきました。
シンガポールには毎年人口のほぼ2倍に相当する1,000万人以上の観光客が訪れていて、平均年間成長率は約10%に達し、観光業はシンガポールにおける主要産業のひとつとなっています。
「クリーン&グリーン作戦」
シンガポールはその美しく洗練された都市国家を維持し、他の都市との差別化を図っています。競争優位性を保つためにさまざまな厳しいルールや細かな条例を定め、違反者には容赦なく罰金が課されるのです。
観光客にその費用と見合った、あるいは期待を超える価値を提供することに重点を置き、一流のおもてなしや他では得られない経験といった「質の高い観光」を目指し続けています。
政府の努力
政府観光局は、航空会社や旅行代理店、その他の業界パートナーと協力して、シンガポールが旅行先に選ばれるよう魅力的な旅行パッケージやプロモーションを作成するなど、マーケティングに非常に力を入れ続けています。
日本も参考にしたように、国際会議を数多く開催することで経済効果を最大化し、観光ビジネスとして包括的にMICEの発展にも取り組んで成功しています。