世界デジタル競争力ランキング シンガポールがトップに

国際経営開発研究所が毎年発表している世界デジタル競争力ランキングで、シンガポールがトップに立ちました。
シンガポールは前年3位でしたが7年ぶりに1位に返り咲き、その強さを再び見せつけました。
そこで今回の記事では、なぜ小さな都市国家シンガポールが常に高いデジタル競争力を保持しているのか、その秘密を探ろうと思います。
世界デジタル競争力ランキング シンガポールがトップに
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2025年 3月21日
世界67カ国をランク付け

世界デジタル競争力ランキングとは、67ヶ国のデジタル技術の採用と探求能力を評価するもので、 3つの要素(知識、テクノロジー、将来への準備)でデジタル競争力を指数化して評価します。
シンガポールが世界1位で、以下2位のスイス、3位のデンマーク、4位の米国と続きます。
アジア諸国の順位
アジア各国の順位を確認してみると、6位に韓国、7位に香港、9位に台湾と、トップ10に4ヶ国入っています。
以下、中国は14位、オーストラリアは15位、日本は31位で、隣国のマレーシアは36位でした。
シンガポールの評価
シンガポールはテクノロジーで1位を維持し、知識では2位に上がり、将来への準備でもトップを獲得しました。59 のサブ指標、人材、政府の規制や枠組み、適応能力、ビジネスの機敏性、IT統合の分野で67ヶ国中で第1位にランクされています。 また、 都市管理、ハイテク特許付与数、銀行・金融サービス、官民連携おいてもトップの座を維持しています。
シンガポールの強み
シンガポールが世界デジタル競争力ランキングで2024年に首位に立った背景には、政府主導の包括的な政策と戦略的な取り組みがあります。以下で具体的に説明します。
①政府の積極的なデジタル化推進
シンガポール政府は「スマートネーション」構想を掲げていて、国家全体でデジタル化を推進しています。この取り組みは、行政サービスのデジタル化やスマートシティの開発、デジタル経済の促進など、非常に多岐にわたっています。
行政手続きのオンライン化の充実によって、国民や企業の利便性を向上させていて、行政の効率化と透明性が高まりました。
②高度なインフラの整備
高速インターネットを整備し、国民のデジタルアクセスを確保しています。これにより企業や個人がデジタル技術を活用しやすい環境が整っています。
5Gネットワークの導入を積極的に進め、IoTやスマートシティの実現を支えています。
③人材育成と教育
教育カリキュラムにプログラミングやデジタルリテラシーを組み込んで、若年層から高度なITスキルを習得させています。また、社会人向けの再教育プログラム(リスキリング)も充実させ、労働者全体のデジタル対応力を高めています。
④グローバル人材の誘致
積極的に海外からの高度人材を受け入れる政策を引き続き展開し、多様な才能を集積しています。
⑤ビジネス環境の整備
新興技術やビジネスモデルに対応するため、規制の枠組みを柔軟に設計しイノベーションを促進しています。税制優遇措置でスタートアップ企業を支援し、企業のイノベーション活動を奨励しています。
競争力強化
シンガポールは引き続きデジタル分野での競争力強化を図ると予測されます。特に、AIやブロックチェーンなどの先端技術を積極的に導入することで、スマートシティとしてさらなる発展をはかり、地域のデジタルハブとしての地位を強固していく政策が進められるでしょう。また、持続可能な成長を目指し、環境技術やグリーンITへの投資も増加すると考えられます。
これらの取り組みにより、シンガポールは今後も世界のデジタル競争力ランキングで上位を維持し、さらなる発展を遂げることが期待されています。