テニスの競技人口を超える人気スポーツ「パデル」| スペイン

スペイン

スペイン人によって考案された「pádel」(パデル)はテニスとスカッシュを組み合わせたようなラケットスポーツで、そのアクセシビリティと楽しさで世界中の人々を魅了している。ここスペインでは、パデルはテニスの競技人口を超えており、老若男女が楽しめることや戦術の豊富さなどが新感覚スポーツとしての魅力に挙げられる。

本記事では世界的にも注目され、日本でも徐々に知名度が高まっているパデルについてお伝えする。

テニスの競技人口を超える人気スポーツ「パデル」| スペイン

   著者:スペインgramフェロー 北田ミヤ
公開日:2024年6月12日

パデルとは

「pádel」は世界的に急速な成長を遂げているラケットスポーツで、その歴史は1970年代中頃にスペイン人のAlfonso de Hohenloheが考案したのにはじまる。持ち手が短いラケットを使うので力がない人でも老若男女が楽しめるスポーツで、一発で決めきるショットが少なくラリーが生まれることが多いため、戦術の豊富さも魅力だ。

世界大会も開催されている。2024年4月15日~20日にスペイン・アリカンテで開催された大会には男子30ヵ国、女子22ヵ国の代表選手が出場し、日本代表メンバー26名(男子16名、女子10名)も出場した。

(参考元:Padel AC – History of Padel https://www.padel.ac/history-of-padel

(参考元:What is Padel Tennis? – HEAD https://www.head.com/en/sports/padel/about

(参考元:FIP SENIORS WORLD PADEL CHAMPIONSHIPS BY NATIONAL PAIRS 2024 | Padel FIP
https://www.padelfip.com/events/fip-seniors-world-padel-championships-by-national-pairs-2024/?tab=Overview

(参考元:PR TIMES Feed :初挑戦!2024年04月15日~20日スペイン・アリカンテ開催のパデル ベテラン「世界大会」に出場する日本代表メンバーを発表! | 一般社団法人日本パデル協会のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000023667.html

世界的にも競技人口が増加

International Padel Federation (FIP)によると、現在パデルの競技人口は全世界90ヵ国以上に2500万人以上いて、今後も増加していくことが予想されている。

1990年代終わりからヨーロッパ各国へと広まり、フランス、イタリア、ポルトガル、イギリス、ドイツ、ベルギー、スイスなどでそれぞれの連盟が設立された。

現在ではスペインをはじめ、ポルトガル、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデン、アルゼンチン、メキシコ、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、そしてチリなどの国々でも発展している。特にスペインに次ぐパデル大国であるアルゼンチンでは国内で2番目にポピュラーなスポーツとして200万人以上もの競技人口が存在し、国内には1万以上のコートが設けられている。

このブームは北米にも及び、アメリカやカナダでも競技者人口が増加、人気が広まっている。

(参考元:Padel Statistics 2023 – The Most Important Numbers
https://padelserio.com/padel-statistics-2023/

(参考元:Padel Statistics 2022: How Popular is Padel Tennis? – Tennis Creative
Padel Statistics 2022: How Popular is Padel Tennis? – Tennis Creative

スペインではテニスを超える人気

スペインのテニス協議人口は約300万人で、最近は女子選手のポーラ・バドサや新星のカルロス・アルカラズの活躍が競技人口の増加に寄与している。2020年から2021年にかけての登録証明書保持者は80,318人に達し、前シーズンと比較して15%増加するなど、スペインにおいてテニスは大人気のスポーツのひとつであるが、その人気を上回るのがパデルだ。

既に競技人口は世界でも断トツに多い約 600万人を記録しており、14,000以上のパデルコートを有し、1,000以上の公式パデルクラブも存在。絶大なる人気を誇っていて、サッカーに次いで2番目に最もポピュラーな国民的スポーツとなっている。

スペインのデパートEl Corte Inglés(エルコルテイングレス)のスポーツフロアを歩くとパデルコーナーはかなりの面積を占めており、ラケットをはじめアパレル、小物類などパデルに関する多種多様なグッズが販売されていて、その人気ぶりを目の当たりにすることができる。

スペインのパデル産業は、過去5年間で120%から250%の3桁成長を遂げており、このスポーツの世界最高峰のプレーヤーがプレーするワールドパデルツアー(WPT)のショーケースに牽引されている。

現在ではパデルはスペインにとどまらず、世界で最も急速に成長しているスポーツのひとつへと変貌を遂げている。

El Corte Inglésのパデルコーナー

(参考元:How the Spanish sport Padel is winning over the world
https://www.thelocal.es/20230119/padel-why-exporting-this-spanish-sport-could-make-you-rich

(参考元:Padel boom: How a Trend Sport Conquers the World
https://www.ispo.com/en/sports-business/padel-boom-how-trend-sport-conquers-world

(参考元:La industria española del pádel crece en triples dígitos por el escaparate del World Padel Tour
https://www.europapress.es/deportes/world-pader-tour-01129/noticia-industria-espanola-padel-crece-triples-digitos-escaparate-world-padel-tour-20220218123950.html

日本でのパデル普及状況

日本でもパデルは注目のスポーツで、今後の発展に期待が高まっている。

日本パデル協会(Japan Padel Association, JPA)は、2016年6月にパデルの普及と発展を目的に設立され、2017年7月に世界パデル連盟(FIP)に正式加盟した。

JPAはパデルの認知向上、普及、振興を目指して活動しており、ジャパンパデルツアーや国際大会の開催、代表選手の選考や育成、指導者育成などを行っている。

現在の日本におけるパデルの競技人口は約35,000人で、選手登録者数は約1,000名ほどだが、2030年までに競技人口100万人を目指して活動している。

(参考元:JPAについて | 日本パデル協会(JPA) https://www.japanpadel.com/about/

(参考元:【2022年最新版】パデルの競技人口は?何故ここまで競技人口が増えたのかを解説! – パデルメディア
https://hauynite.org/padel-competition-population/

(参考元:日本パデル協会 | FiNANCiE https://financie.jp/users/japanpadel

まとめ

なぜパデルはスペインをはじめ、ヨーロッパを中心にこれほどまでに人気があるのだろうか。最大の理由は、簡単・シンプル・楽しいという3大要因を満たしていること、そして人間関係が広まる社交的なスポーツであること、全ての年代の人々が健康的に運動でき筋力アップやカロリー消費といったフィットネス効果も高いことなどが挙げられる。

更に、ネイマール、デビッド・ベッカム、ユルゲン・クロップ、ジェイ・シェティ、ノバク・ジョコビッチなど多くのサッカー選手をはじめとした有名スポーツ選手がSNSでパデルをプレイしていることも、人気に火が付いた一因といえるだろう。パデルは世界的に急速に人気を集めていて、日本でも普及が進んでおり、競技大会での採用も期待されているいま注目のスポーツだ。

北田ミヤ

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スペイン在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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