MUJI旗艦店の店舗面積 リニューアルで2倍に|シンガポール

シンガポール

MUJI(無印良品)がオーチャードロードの繁華街に立地している旗艦店、プラザ・シンガプーラ店をリニューアルオープンしました。
今回のリニューアルで店舗面積が従来の2倍となりました。
1フロアで3,000平方メートルの広さがあり、MUJIの店舗の中では世界最大級となります。
今回はこのリニューアルを紹介するとともに、「MUJI」の戦略について再び取り上げたいと思います。

MUJI 旗艦店の店舗面積 リニューアルで2倍に

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2024年 2月9日

生活雑貨の商品数を増加

MUJIのブランド名は東南アジアにすでに定着していて、MUJIの生活雑貨はシンガポールやマレーシアの人々に欠かせないものとなっています。
今回のリニューアルで取扱商品は15カテゴリー、約3,000品目まで拡大しました。
アパレルについてはほぼフルコレクションで対応しており、さらに人気の冷凍食品を商品レンジに追加しています。

シンガポール進出20周年

今年はMUJIがシンガポールに進出して20周年の記念の年です。
プラザ・シンガプーラ店は、東南アジアの旗艦店として、2017年にオープンしました。店舗面積も域内で最大級で、良品計画の海外事業の中でも高い集客力と売上を誇っています。
現地法人は20周年を機に、競合他社と比べると店舗の規模が小さいのが難点であったことを改善点に掲げ、リニューアルを実施しました。

リノベーション事業の開始

今回のリニューアルの目玉は、すでに日本や台湾では展開している、自宅の改装サービスを提案する「MUJIリノベーション」事業の開始です。
これは、MUJIの商品を用いて自宅のリノベーションをサポートするサービスです。
日本でも今年リノベーションされたグランフロント大阪店で、リフォーム・リノベーションを体感できるリアルなモデルルームを展示しています。シンガポールでも平均的な持ち家の床面積に台所とトイレを含む4部屋の住宅を設置し、MUJIの商品で仕立てたモデルルームを展示しています。
これにより「見る、体験する」、リノベーションの相談が可能になっています。
もちろん、展示されている全ての商品が無印良品で購入できます。

地域とのつながり強化

プラザ・シンガプーラ店では、すでにシンガポール国内での販売を中心に行っている地元企業との提携を始めていて、製品の販売、紹介することで認知度の向上を支援していました。
今回さらに、地元の自転車メーカーが製造している自転車の販売コーナーを設置しています。
現地法人の大西社長によると「シンガポールの方に『メイド・イン・シンガポール』を体験してもらいたい」という思いから始めたそうで、現在、良品計画がグローバルで進める「地域への土着化」の取り組みの一環となります。

「つながる市」の常設

常設のイベントスペース「オープン・ムジ」を設けて、地元企業や日本企業の物産を紹介するイベントを開催しています。さらには「つながる市(Community Market)」で日本の地域の物産を常時紹介して、人気の商品は長期間販売できるようになっています。

ローカライズの徹底

MUJIはかつての海外進出の失敗を糧に、「グローバルマーケットなどはなくて、たくさんのローカルマーケットがあるだけ」という思想に基づき、ローカライズを徹底して海外再展開を成功させています。
今後もより現地に適した商品設計を手がけていく方針で、このフォーマットは現在日本での各自治体、地元企業とのさまざまな提携にも活かされ、無印良品が巻き込まれる形で、地域の活性化をサポートする体制が構築されつつあります。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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