インフレ時代でも絶対譲らない!イタリア流バカンス
「バカンス」とは、一般的に夏の長期休暇のことを指します。語源は「空っぽ」という意味で、何もせず過ごす状態をいい、休暇の意味として使われるようになりました。
とにかくのんびり過ごす、これがイタリア流のバカンスの過ごし方です。イタリア在住10年以上の筆者も、毎年夏のバカンスをとても楽しみにしています。
本記事では、そんなイタリア流バカンスの本当のところをご紹介します。
インフレにも負けない!イタリア人流バカンスの過ごし方
著者:イタリアgram fellow Nakamura Hiromi
公開日:2023年6月21日
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バカンスに情熱を注ぐイタリア人
イタリア人にとってバカンスはとても重要なものです。バカンスのために働いているといっても過言ではないくらい、イタリア人はバカンス、特に夏休みに大きな情熱を傾けます。
数か月も前から夏休みの計画を立て始めるのは当たり前。中には新年を迎えてすぐに、その年の夏の旅行先を予約する人もいるほどです。子どものいる家庭では6月上旬に終業式を迎えると、夏休みシーズンが始まります。
物価高でもバカンスは絶対にゆずれない
インフレの影響はイタリアでも顕著にでています。一般家庭で2023年度のバカンスにかかる費用は、前年と比べおよそ800ユーロ(12万円)も増えるといわれています。
平均予算は1800ユーロと予想され、日本円に換算するとおよそ27万円、家計の大きな負担となることが見て取れます。
それでも多くのイタリア人は、バカンスをあきらめるつもりはないようです。
筆者自身を含めまわりの知り合いのほとんどが、4・5月までに夏休みの旅行の予約を済ませています。
借入してでもバカンスを楽しみたい
経済的な理由からバカンスをあきらめる人もいます。一方、借入をしてまでもバカンスを楽しみたいと考える人も増えているようです。
2023年にバカンスのための借入申請をした数は、2021年と比べて96%も増加。これまでに融資された金額は1億6千万ユーロ、日本円にして実に240億円近くです。
この数字は夏休み本番を迎える前に記録されたもので、本格的な夏休みシーズンに入るとさらに増えることが予想されます。
コロナウイルス収束で海外旅行者数アップ
コロナウイルスの収束で出入国の規制がゆるくなり、海外旅行を選ぶ人も増えています。全体のおよそ半数である44%、特に18歳から24歳の若年層においては、実に73%が2023年の夏休みをイタリア国外で過ごすようです。
行先で特に人気なのが、サンプル集計のうち15%を占めたスペイン、次いでフランスとギリシャがともに9%。ヨーロッパ内での旅行先で人気なのが、イタリア、スペイン、フランスで、イタリア国内の外国人旅行者の増加も期待されます。
まとめ
イタリア人は、バカンスを本当に大切にしています。
平均して1週間から2週間、長い人では1ヶ月ほどの休暇をとり、身も心もリフレッシュ。
家族や友人との時間を楽しむために、オンオフの切り替えが上手だと感じます。
「バカンスのために働く」という考え方はなかなか理解しがたいかもしれませんが、頑張っている自分へのご褒美がバカンス!と思うと、やる気が湧いてくるのではないでしょうか。
※1ユーロ150円で計算
参考出典
◇Il Sole 24 Ore:
https://www.ilsole24ore.com/art/la-vacanza-presenta-conto-800-euro-piu-famiglia-AEYCXPRD
◇Il Sole 24 Or:
https://www.ilsole24ore.com/art/voglia-vacanza-massimi-ma-budget-non-decolla-AEGx5qXD
◇QUI NEWS:
https://www.quinewscecina.it/cecina-prestiti-per-andare-in-vacanza-crescita-del-96-nel-2023.htm
◇Corriere della sera:
https://www.corriere.it/economia/consumi/cards/vacanze-2023-italiano-due-andra-all-estero-ecco-dove-quanto-spendera/vacanze-all-estero-quali-sono-mete-preferite-italiani.shtml