韓国で注目!ヒトデを活用した環境にやさしい融雪剤
現在、サステイナビリティが世界中のMZ世代にとって重要な価値として位置づけられております。それに伴い、政府と企業も彼らの心をつかむためにトレンドを追いかけています。
本記事では、環境にやさしいだけでなく、天敵のいないヒトデによって受ける金銭的被害も減らすことができるという点が注目され、サステイナビリティでESG投資としても期待される韓国のスタートアップ企業 Starstech(스타스테크)の事業を紹介します。
韓国で注目!ヒトデを活用した環境にやさしい融雪剤
著者:gramフェロー
公開日:2022年3月8日
必要不可欠な融雪剤の問題点
毎年、冬になると運転手たちは天気予報に耳を傾けます。もし大雪が発生すれば、道路環境が悪化し通行が困難になるからです。実際に、突然の大雪が発生した昨年の1月、ソウルの道路の至るところで多くの車がスリップしてしまい、少なからず被害が発生しました。こういう時に一番役に立つのが融雪車ですが、塩化カルシウム·塩化ナトリウムで作られた融雪剤は問題があり、長年に渡り使用をすることへの抵抗がありました。
塩化カルシウム·塩化ナトリウムで作られた融雪剤の問題点
融雪剤(凍結防止剤)は、雪を素早く溶かす見返りに、自動車の腐食やアスファルト舗装の損傷、街路樹の枯死などの被害を生みます。
ヒトデが解決策!
両刃の剣であった融雪剤の問題は、海に住むヒトデが解決しました。韓国のスタートアップの Starstech(스타스테크)が、ヒトデを活用した環境にやさしい融雪剤を開発しました。
養殖場で貝·アワビなどを食べ、被害を与えるヒトデから抽出した骨片を活用して、環境にやさしい融雪剤(低腐食性固相除雪剤·「ECO-ST1」)を作りました。
特に、韓国政府が、貝·アワビなどを食べ、養殖業に莫大な被害を与えるヒトデを漁民から買い取って焼却する費用が年間670億ウォン(670億円)に達するという点で、ESG(環境·社会·支配構造)価値も大きいです。この融雪剤で、昨年100億ウォン(10億円)台の売上を上げ、米国·カナダへの進出も図るなど、経済的効果も生み出しています。
韓国版ニューディールに選ばれた!
有害物質無しで雪を溶かし、海外輸出まで準備する商品として浮上し、1月の「韓国版ニューディール事業」に選ばれました。融雪剤の慢性的な環境汚染問題を最小限に抑え、抽出工程で発生する副産物も肥料として商品化したという点で、グリーンニューディール志向点に合致したという評価です。
韓国版ニューディールとは
新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)により最悪の景気低迷や失業などに直面した状況で、危機を克服し、コロナ以降のグローバル経済を先導するために、文在寅政府が設けた国家政策。
日本へ輸入中
環境にやさしい融雪剤「ECO-ST1」が北海道立総合研究機構の鋼材腐食試験において蒸留水より腐食が少ないという結果を得ました。新潟県を皮切りに日本へ輸出を行っています。
今回は、環境にやさしい除雪剤、ECO-ST1を活用した奇抜な技術とアイデアにより、環境を保護する事業についてお話をお伝えしました。企業による環境的な変化は、常に嬉しいニュースです。世界に第一歩を踏み出したスタートアップ企業を応援します。