海外の注目企業の魅力を徹底調査2022:盒马鲜生(Hema XianSheng)

中国

世界各国の注目企業を徹底調査。今回は、日本では見たことがないような中国スーパー「盒马鲜生」(Hema XianSheng)を調査。無人レジは当たり前。そのさらに上をいく究極のデジタル化とテーマパークのようなエンターテイメント性。ただの新しい様式のスーパーなのか、それとも中国小売の新業態を体現なのか。アリババが最も重要視する事業の一つ、次世代スーパー盒马鲜生を一緒に見ていきます。

海外注目企業の魅力を徹底調査2022:盒马鲜生(Hema XianSheng)

   著者:gramフェロー
公開日:2022年3月4日


次世代スーパー「盒马鲜生」

中国の注目企業第2社目となるのは「盒马鲜生」HemaXianshengです。ここでは、盒马鲜生(日本語でフーマーフレッシュと呼ばれる)、中国次のスタンダードだと思われるスーパーを紹介していきます。

スーパーと言われて思い浮かぶのはどんな場所でしょうか。
料理の材料を揃えるために行く場所、夜ご飯の惣菜を買いに行く場所、そんなイメージが浮かんできますか?

しかし、この盒马生鲜は「サンプルを試す」スーパー。

海鮮のショー売り場、その場で食材を調理してくれる調理コーナ、多彩な試食。
食べ物のテーマパーク、そんな印象を盒马生鲜に訪れる人は感じるでしょう。

エンターテイメントと同時に無人化レジ、アプリ決済、商品のバーコード化など、究極の電子化。
「エンターテイメント」と「デジタル」。

3日に1店舗のスピードで急成長を遂げる盒马鲜生。2015年に始まったにも関わらず現在中国では300店舗まで拡大。
まさに新星、日本にも導入される可能性がある次世代スーパー「盒马鲜生」はどの様に展開されているのか、目標とするものは何なのかを、共に見ていきましょう。

盒马鲜生の外観 日本のスーパーよりもはるかに広い
https://www.sohu.com/a/161823776_283674

盒马鲜生最大の売り、30分の宅配サービス

盒马鲜生に入ってまずハッと驚くのが、まず従業員の多さ。
買い物をしていると、忙しく歩き回る従業員がちらほら。手にはカゴを持ち、買い物をしているかのようです。

実はこれ、お客さんのオーダーを受けた従業員がそれぞれの担当ブースで注文商品を急いでカゴに詰めている様子。

盒马鲜生では注文から「最短30分で自宅に配送」、という大変魅力的な売り文句があります。
日本で最短30分配送のスーパーはありません。早くて生鮮食品通販「Amazonフレッシュ」の最短2時間です。そして最も普遍的なのは定期購買でしょうか。

しかし、献立のメニューを一週間前から決めている人はどのくらいいますか。一人暮らしの人、家族暮らしの人、共働きの夫婦など、定期購買では様々な客層の需要を満たすのはやはり難しいです。その日、冷蔵庫に残ってる食材を見て何を食べるか決める人が多いと思います。

盒马鲜生では、様々な方法でオンラインでもリアルタイムに近い購買体験を可能にしています。
最も特徴的なものは、以下の2点。
圧倒的なスピード
実店舗1:オンライン通販1の比重

では以下の段落でもう少し詳しく見ていきましょう。

圧倒的配達スピード

日本のスーパー業界からは想像できない速さ。それを可能にしているものは何でしょうか。

元々、盒马鲜生はオンラインを想定して作られた新業態の小売スーパー。最初から配達想定された事業展開がなされているのです。
盒马鲜生に入ると、何か大きい機械音が聞こえてきます。気になって上を見てみると、実は天井にレールが敷いてあります。専門の従業員が各担当ブースから集められた食材をコンベアに乗せると、天井のレールを通って一か所に集められ、すぐさま消費者の元へ届く仕組みになっています。

また流通においては、親会社アリババのビックデータを利用した地域住民によって品揃えが変わる店舗一体型倉庫を展開。流通に膨大な精力をかけているのです。

実店舗とオンライン通販の比重の重要性


近未来では、どの製品ジャンルにおいても通販が大きな比重を占めることは予想されています。その中で、あえて実店舗にも力を入れる入れる理由は何でしょう。

それは「オンライン通販への入口の導入」です。
他の製品と比べ、生鮮食品は品質が重要になってきます。野菜やお肉、フルーツなど、実際に試さないと判断できない食材類は、通販へのハードルが高いです。

その中で、実店舗にまず足を運んでもらって、販売商品を試して貰う事によってそのネックを解消しているのです。
盒马鲜生にはショーブースや試食コーナが多い理由、それは上記の問題点を解決する為にあったのです。

娯楽と実用が併存するスーパー

顧客体験と、品質への信頼を同時に勝ち取る 盒马鲜生の実店舗

海鮮売り場の様子 自分で鮮度を確認することができる
https://www.163.com/dy/article/EAG2C9OT0530RJ4L.html

スーパー海鮮コーナはショー売り場になっており、自分で海鮮を選ぶことができます。
鮮度を確認すると共に、選ぶ楽しさもあります。

そしてもう一つ、品質を確かめる方法として、盒马鲜生ではその場で調理することも可能です。
実際に食べて味を確かめられるのは魅力の一つでしょう。
他にも、盒马鲜生には様々な実食コーナーがあり、フルーツから鍋のスープまで、その種類は本当に多彩です。

今まで買ったことがない様な食材も、実際に食べてみると美味しく次から購入するようになるケースもあるでしょう。そして、実店舗で盒马鲜生の食材への信頼が生まれると、やがて通販でも挑戦する人が増えてくるのです。

もちろん、通販の方が便利ですので、例えば月に2回はで実店舗に行って旬の食材や新しい商品を試し、他の日は通販で頼む、などの幅広い選択肢が可能になります。

お客さんを楽しませると同時に、オンラインへの遷移、その両方を叶える盒马鲜生の展開戦略は参考になるものが多いですね。

買ったものはその場で調理が可能
http://www.dianping.com/photos/1424483404/tag

限界まで追求されたデジタル化

盒马鲜生を初めて利用する人にとっては、特に海外から来る人にとっては実は一つ困ったところがあります。

それは、お会計の時に現金もカードも使えないことです。
盒马鲜生で食材を購入する一連のプロセスは盒马鲜生Appを通して行われます。

全ての商品に付いているバーコードを読み取ると、生産地や加工ルートが表示されたりします。
最後もアプリから会計を行い、商品を持ち帰ります。

アプリというのも、支払い方法はAlipayのみ。
では、何故このような方法を採用するのでしょうか。

上記でも少し触れた通り、盒马鲜生はアリババ傘下のスーパー。
アプリを利用することにより、消費者の購入情報がアリババのデータバンクに蓄積されます。
アリババグループの強みとして、ビックデータ解析がありますが、こちらもその一環。

それぞれの地域の店舗でどの年齢層の消費者がどんな商品を購入しているか、その膨大な情報が集まり分析されることによって、盒马鲜生の迅速で精度の高い品揃えを可能にしています。
おまけに、数多くある電子マネーのうちAlipay支払いの定着にも繋がります。

無人レジ appを通して会計を行う
https://www.sohu.com/a/304333123_349194

盒马鲜生が目指すもの

ニューリテール」この言葉は聞いたことがあるでしょうか。

実はこれアリババグループの創始者馬雲がEコマースの次に到来するであろう時代を予測し名付けたもの。
日本ではまだまだEコマースは発展段階にありますが、中国では実は行き詰まり気味。

何故と疑問に思われる方も多いと思いますが、例えば
Eコマースの浸透でオンライン上の情報が氾濫し顧客獲得にコストがかかる、オンラインへの進出が当たり前の世の中でEC最大の強みの価格競争ではもう戦えなくなった。など様々な理由があります。

もちろんこれからもECの成長は続くが、その欠点を補える実店舗も無くならないと馬雲は予測。
便利なオンラインと実体験を提供でき差別化を図れる実店舗、

どちらか一方に偏るのではなく、その両方を上手く併用し、オンラインとオフラインの境目を感じさせない境地を作る。それにより顧客体験を最大までに引き上げる、そしてそれが馬雲が掲げる新しい小売戦略「ニューリテール」のゴールなのです。

盒马鲜生は2016年創始時ににアリババから1.5億ドル(約165億円)もの投資を受け、2017年には馬雲が自ら店舗に足を運んで盒马鲜生を応援。
2022年1月最新のニュースによると、アリババは近々外部からの融資を考えており、その額は現時点で約100億ドルを推定しているとのこと。(現時点では審査段階、実施が決行されるか否かはまだ未定)

上記を見ると、アリババがいかに盒马鲜生に力を入れているのか想像できると思います。
アリババにとって盒马鲜生はアリババにとって「ニューリテール」を試す場所であり、中国の企業達がその動向を見守る企業でもあるのです。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1692825891280965016&wfr=spider&for=pc

ニューリテールによって試される物流システム

実は中国で、物流システムにおいて完全に成功した企業はまだありません。急速なECの成長から、今ではニューリテールまで、配達・倉庫・商品分配・製造周期などが追いついていないのです。
盒马鲜生は新しい物流を試す場でもあります。ここでは細かく触れて今ませんが、
最初は大衆式の「前置倉」を経て、現在では店舗一体型倉庫「盒马mini」など物流においても様々な試行錯誤が行われています。

日本で、真剣に物流を戦略の一部と考えている企業はどのくらいあるでしょう。間もなく来るであろうECの波に備えることで精一杯なのかもしれません。

これからは物流の時代でもあるのです。

中国の現状とこれから

「テイクアウト」はコロナ渦中における選択肢の一つではなく、近い未来においてスタンダードとなる購入方法。
中国はコロナが流行する前よりテイクアウトが飲食店では当たり前となっていましたが、生鮮食品のテイクアウトが始まったのはまたここ近年。

オンラインとオフライン、OMOの構築がより発達することにより、消極的選択ではなく、人々は積極的に配達という手段を選ぶでしょう。
店舗が主役ではなく、オンラインを中心に据えたオフラインの展開、それがこれからの中国企業の戦略です。

「テイクアウトを始めました。」の看板がまだ多い日本も、近々常識が変わるかもしれません。
中国ではテイクアウトが前提でないと、生き残れないのです。そして、さらにその先をも考えてニューリテールが始まっています。

中国では新しい小売として注目されている盒马鲜生。今回はそんなスーパーの新星に注目したと同時に、中国の小売スタイルも見てきました。
今後、日本のスーパー業界含め、小売がどう変化していくのか、楽しみですね。

引用元・参考リンク

https://www.businessinsider.com/alibaba-hema-xiansheng-supermarket
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1717761745786193062
https://www.sohu.com/a/161823776_283674
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1678806128381926634
https://www.sohu.com/a/517432957_573396
https://www.djyanbao.com/report/detail?id=2772419&from=search_list



 

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