エストニア旅行のベストシーズン到来!春を飛び越えた夏
鬱々としてどんより暗い天気が続いていたエストニアだが、5月になるといきなり明るくなり、2週間もすると木々が息を吹き返し、緑で溢れかえる景色へと移り変わった。夏が近づき日が長くなると人々は活動的になり、こぞって外へ出かける。冬とはうって変わって活動的なエストニアの人々の様子、街の変化、気候等をレポートする。
春を通り越して一気に夏が来たエストニア
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年6月26日
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鬱屈とした冬を越えて
ヨーロッパは全体的に緯度が高い地域で、例えば暖かいイメージのあるイタリアでさえも緯度は北海道と同じくらいである。それでも冬がさほど冷え込まないのは、暖流と偏西風のおかげである。しかし、風や海流が手伝っても寒い季節はそれなりに寒い。
エストニアがどれだけ寒い気候なのか、またそこで育ったエストニア人が寒さにどれだけ強いのかを表すのに次のようなジョークがある。
「マイナス10度になるとイギリスの家庭では暖房が入り、エストニア人は長袖のシャツに着替え始める。
マイナス20度。オーストリア人はマラガ(スペインのリゾート地)に飛び、エストニア人は真夏の夏至祭を祝う。
マイナス200度。地獄は凍りつき、エストニアがユーロビジョン・ソング・コンテストで優勝する。
マイナス273℃の絶対零度ではすべての原子の動きが停止する。その一方エストニア人は肩をすくめて『今日はちょっと寒くない?』と言う。」
誇張しすぎだが、冬でもダウンの下に半袖を着ている人がいるほどだから、あながち間違いではないかもしれない。エストニアだけでなく北欧圏の人間は寒さに基本的に強いのだ。
いくら寒さに慣れているとはいえ、冬の鬱屈とした雰囲気の中ではなかなか活動的になれないらしく、筆者の友人は「冬は家で過ごして、春になって暖かくなったらみんな家から這い出てくるよ。みんな冬眠してたのかと思うくらい。」と言っていた。まさしくその通りで、「この町にこんなに人が住んでいたのか」と目を疑いたくなるくらい中心地がにぎわう。
初夏の街の様子
5月の街の様子はこのようになっていた。
この時期の日の出は5時頃で日の入り時刻は21時頃。そのため、17時頃からは学校終わりや仕事終わりの人たちが街中のレストランへ繰り出しゆったりとした時間を過ごしている。夏になるとレストランやカフェは外にウッドデッキを敷き、椅子とテーブル、そしてパラソルをセットしてテラス席を作り出す。空気が乾燥していて外で過ごしていてもムシムシすることがない。そのため日差しがあるにしても涼やかな空間でゆったりと食事を取ることができるテラス席は人気である。
ちなみに、夏と冬では木々の様子が全く異なる。
一面緑になる夏、全てが白く染まる冬。わかりやすく景色が変わる。
人々の様子
外に出ている人の多くはサングラスをかけている。日差しが強いからというのもあるのだが、目の色素が薄い人は太陽光を暗い目の色の人よりも過敏に感じてしまうため、目の保護的な意味合いでサングラスが必要なのだ。
それ以外に特に目に留まるのは、電動スクーターが頻繁に使用されていることだろう。
以前触れたエストニアの企業Boltのスクーターに乗っている人をそこやかしこで発見することができる。スクーターはどこへでも返却できるため、夜になるとバッテリーの切れた車体が道路の脇などに乗り捨てされている。これらのスクーターは街中を巡回している専用回収車に収集され、次の日になると街のどこかへ置かれている。
気候が行動に大きく影響する生活
ヨーロッパのベスト観光シーズンは夏といわれるだけあって、いつまでも明るくいい天気の夏は、「寒くてひどい気候の場所になぜいるんだろう、今だけ日本に帰りたい。」という冬の憂鬱な気持ちを一瞬にして晴らしてくれる。きっと現地人たちも夏のいい気候を冬の間ずっと待ちわびていたに違いない。
日が長いと体内時計が少し狂ってしまい、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりすることはあるが、これは冬に向けて気持ちを整えるために必要な準備の一環と言えるだろう。冬がやってくる前に、豊富な日光を浴びることで心の準備を整える必要があるのかもしれない。
自然の恩恵を最大限に享受するための夏のライフスタイルは参考に値する。