安くパンやスイーツが買える!?フードロス解消アプリ「ResQ」
ヨーロッパで有名なフードロス削減アプリ「Too Good To Go」は、エストニアのような小さな国には進出していない。しかし、同種のフィンランド産のアプリ「ResQ」はエストニアでもサービスを提供している。ResQは飲食店と消費者をマッチングさせるアプリで、売れ残りそうな商品を廃棄にせずに安く消費者に届けるというものだ。使用方法は簡単で割引率も高い。アプリの利用方法と実際に使用した感想を合わせて紹介する。
安くパンやスイーツが買える!?フードロス解消アプリ「ResQ」
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年3月12日
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近年のフードロスに関する潮流
他の国でメジャーなサービスや流行など、小さな国だと入ってくるのが比較的遅い。レストランやカフェで売れ残った商品を安く売る、すなわち売り手と買い手がWin‐Winの関係でフードロスを削減できるアプリにデンマーク発の「Too Good To Go」がある。これはヨーロッパ内で一番有名で利用者の多いアプリなのだが、未だにエストニアには普及していない。
多くの東欧諸国にこのアプリはまだ進出しておらず、ドイツやフランス在住者が夕方ごろに安くなったケーキやパンを購入している様子をSNSで見て羨ましがるしかできないのが現状である。
しかしながらエストニアの強力なパートナー、フィンランドが「ResQ」を開発し、そのサービス圏内にエストニアも含めたため、Too Good To Goと似たようなことがエストニアでもできるのだ。
ResQとは
ResQはフィンランド発のアプリで「持続可能なレストラン、カフェ、食品店と、手頃な価格で品質の高い食事を楽しみたいと思う消費者を結びつける」をコンセプトに運営されている。
(引用元:RESQ CLUB https://www.resq-club.com/)
アプリの仕様は後程説明するが、端的に言うとマップ上から飲食店を選び注文し、店側が定める時間までに直接受け取りに行く仕組みである。
割引率は約40%-60%ぐらいである。そしてAndroidの場合50万以上のダウンロード数を誇る人気アプリだ。
現在サービスが提供されている国はフィンランド、スウェーデン、エストニア、ドイツの4カ国のみである。拠点がフィンランドということもあり、フィンランド内にはアプリが使える都市が100以上あるが、エストニアは首都のタリン、第二の都市であるタルトゥを含めた3都市のみ。ドイツに至っては1都市のみとなっている。
とはいえ、Too Good To Goが進出していない国がフィンランドのおかげで昨今のフードロス減少問題に取り組みに乗ることができるのだから大変喜ばしいことである。
ResQの使用方法
使用するにあたり難しいことはないのだが、実際のアプリ画面を用いて説明しようと思う。
1、マップ上から飲食店、もしくは買いたいものを選ぶ
自分の位置情報とリンクして近隣の飲食店で登録した食品が総数としてマップ上に表示される。数字をタップすると店の情報やその店が提供する食品も同時に表示されるのは便利である。
このアプリは「売れ残ってゆくゆくは廃棄になる食品を救う」が根底にあるので、もちろん時間帯や日によって売りに出される商品数は異なる。
2、購入
気になる商品をタップすると詳細説明に移行する。英語翻訳機能もあって、商品の概要を知ることができる。
選択し終えたら購入画面に移行し最下部のバナーを右にスワイプすると決済完了となる。
3、受取
飲食店が指定する時間までに店舗に行き、アプリを通して購入したこと、購入者の名前を伝えれば商品を受け取ることができる。
使用した感想
アプリの操作が感覚的でわかりやすいのは在外邦人にとって非常にありがたい。そして何より、およそ半額でパンやケーキを買えるというのはとても魅力的である。それに加え、アプリに出される商品は毎日同じものではないというガチャガチャ的な面白さがある。
スーパーでは消費期限間近のものが値引きされるのはよくあることだが、カフェやベーカリーで提供されるものが売れ残りそうだからといって値引きされることはそうそうない。しかしこのアプリを通じて、少し損になっても廃棄を減らすことで飲食店はフードロス問題解消に貢献し、購入者は安く食品を買えるというWin-Winな関係を築くことができる。
エストニア発の企業やアプリで国を盛り上げていくことは国の成長のために必須である一方、柔軟に他国の企業やサービスを受け入れていくのも、移り変わりの早い社会問題に対応するには重要な策ではないかと思う。