フランス:アメリカ大統領選でフランス人が選ぶのはどちらか?
11月3日のアメリカ大統領選に選挙権はなくとも、フランス人はそれぞれ意見をもっている。
2020年9月23日・24日に行なった調査によると、若者(35歳以下)の13%と、国民連合(RN)の25%には支持を得たトランプ大統領だが、全体的に特に65歳以上の88%が不支持と良い印象をいだいておらず、フランス人の5人に1人がトランプ氏に対し良い印象を持っていないと答えた。少なからずトランプ大統領はフランスでは不人気だと理解しているはずだ。
フランス:アメリカ大統領選でフランス人が選ぶのはどちらか?
著者:gramフェロー 福本しのぶ
公開日:2020年11月2日
フランス人の69%は悪い大統領
4年もの間、アメリカの大統領として働いてきたが、フランスの世論を変えることはできなかった。フランス人の69%が”任期中に悪い大統領だった”と答え、さらに61%が”任期中に解任して欲しかった”と答えた。
ではフランス人が好意を持っているのはどちらの候補だろうか。
少なからずトランプ氏はアメリカ大統領として、主導してきた政策と世界最大の権力の頭に設置したガバナンスが、フランスで拒絶を生み出していることを測ることができるだろう。
「ドナルド・トランプの勝利かジョー・バイデンの勝利か?」の答えには、52%がジョー・バイデンの勝利と答え、もっとも情熱的なのはLa France Insoumise (LFI)“服従しないフランス“ 党の73%で、社会党(PS)が72%、共和国前進(LREM)が70%、共和党(LR)が53%、そして驚くことに国民連合(RN)に近い人でも36%であった。また、バイデン候補を選択する社会カテゴリーの多くはCSP+(注1)で61%、高等教育を受けたものでは60%であった。
それに対し、トランプ大統領の再選を願った10%は、党派によってさまざまだが、服従しないフランス(LFI)が2%で、社会党(PS)が7%、共和国前進党(LREM)で6%。少し増えて共和党(LR)が19%で、もちろん国民連合(RN)が25%であった。
フランス人の19%が共和党だろうが民主党だろうが、どちらの勝利も望んでおらず、同じく19%が選挙に関して興味がないと答えた。
フランスの周辺諸国の反応
周囲国と比べてみよう。
トランプ氏を支持すると答えたのは、イギリスで13%、スペインで15%、イタリアで16%、そしてホワイトハウスの入居者に好意的ではないのがフランスで9%、ドイツでは8%だ。
やはり共和党候補者の支持率が高いのは、唯一投票権を持っているアメリカの35%である。
また「世界とフランスの未来のために、ジョー・バイデンの勝利の影響はどうなるのか?」の質問に、フランス人の33%が”民主党の勝利が物事をより良くするだろう“と答え、23%が”何もかわらない”、7%が”さらにひどくなる”、37%が”わからない”と答えた。
この調査で分かったことの中に、フランス人の53%、特に18〜24歳の70%、学生の69%、そして2017年マクロン大統領に投票した63%の国民が、トランプ大統領は”4年の任期中にアメリカの利益を十分に守らなかった”と答えた。またトランプ大統領に対してのマクロン大統領の態度について聞かれると34%の国民が”合わせ過ぎと”答え、14%が”衝突し過ぎ”と答えた。
ジョー・バイデンはどんな人?
対抗候補の民主党ジョー・バイデンに関しては、好意的な意見を持っているフランス人は35%に及ぶが、欧州人含め、フランス人の大半は、慎重に考えている。48%がジョー・バイデンに関し意見がないと言い、オバマの元副大統領は旧大陸ではまだ周知されていないのが現状だ。
とはいえ、もし投票権があればフランス人の10%がトランプ氏に投票すると答えたことに対し、52%がバイデン候補に投票すると答えた。ジョー・バイデンの勝利かとも見えるが、果たして彼の意見への賛成からなのか、単に反トランプが多いからなのだろうか。
あと数日には、その答えがわかる。