ドイツで日本が人気!「東方超市 go asia」で手軽に楽しめる美味しい日本食品とは?
日本食品がドイツで人気上昇中!アジア系スーパー「東方超市 go asia」では、豊富な品揃えで日本の食品も手軽に入手できます。人気のインスタント麺やカップヌードル、煎餅など、健康的で美味しい日本の食品がドイツでも手軽に楽しめます。
さらに、ドイツでは日本への観光客数も増加中で、日本人気が高まっています。
ドイツで求められている”良質さ“について綴っていこうと思います。
ドイツで日本が人気!「東方超市 go asia」で手軽に楽しめる美味しい日本食品とは?
著者:ドイツgram fellow 千葉 よう
公開日:2023年3月15日
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アジア食品を求めて
数年ほど前、筆者はドイツの田舎で義理の両親の家にお世話になっていた。
ご近所はほぼ親戚、隣町の語学学校までは山を超え12km程ある。見たこともない大きさの虫に囲まれ、人より動物の方が多いのではと感じるほど。生まれ育ったコンクリートジャングル東京とは真逆な環境のドイツに引っ越し、筆者は大自然に翻弄されていた。
ありがたいことに現地では親戚たちがとても良くしてくれ、また筆者も虫などに抵抗が無かったため、健康的で充実したスローライフを体験させていただいた。良い思い出である。
それは1年程と長い期間ではないものの、日本の味が恋しくなるには十分な時間だった。
遠出した際にアジアスーパーで買ってもらったキッコーマンの醤油を、たまに舐めるだけで幸せを感じていたあの頃と比べ、ドイツ都市部ではアジアの食品は比較的手に入りやすい。
個人経営のアジア食料品店だけでなく、都市部には野菜やキノコなどの生鮮食品から、蒸し器、炊飯器等の調理器まで揃っている、中華系の大手チェーン「東方超市 go asia」というスーパーがある。
この「東方超市 go asia」は2023年現在ドイツ国内の都市を中心に38店舗展開しており、今後は更に7店舗開店予定だ。
昨今のアジアブームもあり、続々と新規展開しているとても勢いのある企業である。
東方超市 go asia 公式アカウントより、シュトゥットガルト店の様子
品揃えが素晴らしい
上記でも紹介したgo asiaは、大手ということもあり品揃えが充実している。
調理に必要な最低限の調味料などは基本的に揃っていて、旬の食材が豊富に入荷されている。
昨年日本でも大ヒットした劇場版ONE PIECE FILM REDデザインの飲みもの、その他人気のDRAGON BALLやNARUTOなどアニメのパッケージのものも多くはないが取り扱っている。
お値段は500ml1本€2,99(およそ434円)と少し高めだが、ファンからは好きな作品のグッズが手に入るということで喜ばれている。
冷凍ではあるが、納豆や練り物、魚介類も充実している。
みたらし団子や大福などの甘味も冷凍で取り扱っているのには驚いたが、解凍すれば問題なく美味しく食べられるので重宝している。
普段あまり日本食は食さない筆者だが、それでもgo asia は行きつけとなっている。
納豆の値段は3パック1組 €2,49 ~ €6,99 (約361円~1014円 ※€1 =145円現在)
輸送費等がかかることから高価になってしまう日本産商品。安価な商品は第三国のものが多い。
毎日食べるには高価に感じるが、買おうと思えばいつでも買うことができるという安心感が、このスーパーの良い点だ。
ひとつ懸念を言えば、書いてある日本語がよく読むと妙だったり、変わったフォントが使われている商品が多数見られる。
日本人であれば違和感があってすぐ見分けが付くのだが、筆者は急いでいた時、何度か他の商品と間違えて購入した事がある。
味や食感、開け口などの細部まで消費者目線で作り込まれている我々日本の食品は、世界基準で見てもかなり品質が良い。
購入の際、“日本のもの”を求めているのならば、少しだけ注意した方がいいだろう。
お手軽かつ美味しい!
ドイツ国内でも入手しやすく、手軽に日本の味を楽しめる製品がある。日本が生み出した画期的な食品、「インスタント麺」だ。
今でこそ世界中どこでも簡単に手に入るインスタント麺だが、人気商品となるまでに先人達の苦労があった。
1958年に日清食品の創業者・安藤百福が「瞬間湯熱乾燥法」という、お湯で短時間のうちに麺を戻すことのできる乾麺の製法を発明し、ロングセラー商品「チキンラーメン」を発売した。
1958年以前から即席麺の研究開発はされていたものの、一般的になったのは「チキンラーメン」が初とされている(諸説あり)。
その後付属スープのついたものや、即席麺の焼きそば等が開発され、海外進出を果たし世界中で愛される現代のインスタント麺の形になった。
(出典:Wikipedia https://ja.m.wikipedia.org/
)
そんなインスタント麺は、アジアスーパーはもちろん、近所のスーパーでも取り扱っていることが多いのでドイツでも安価で手に入りやすい。
下の写真はgo asiaのインスタント麺コーナーだ。左棚から奥の棚全てがアジア各国のインスタント麺で埋め尽くされている。
日本、中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、タイなどのアジア諸国のカップ麺、袋麺を取り扱っている。
go asiaは中国産商品が多く、残念ながら日本のインスタント麺は種類が少ない。筆者の個人的なおすすめは香港産の「出前一丁」だ。
「出前一丁」は日清食品から販売されて香港で人気を博している。コスト面でドイツのアジアスーパーで買える「出前一丁」は香港製造のものが多い。
値段も一袋€0,99と安価で、味の品揃えも豊富だ。
日本人に馴染みのあるSesame(ごま油の風味の効いた醤油味)やスパイスの風味豊かな五香牛肉味など、様々なバリエーションがある。
中でも「出前一丁 黒油蒜豬骨湯味」は焦がしニンニクのマー油が効いた豚骨味でクセもなくとても美味しい。
ドイツ大手スーパーREWEでも出前一丁は人気が高く品切れの場合も多いが、運がいいと巡り会える。
この出前一丁(Demae Ramen)はEUのNISSINが販売していて、€0,89と値段もさらに安価だ。
味の種類は
「Spicy(醤油ベースで辛め)」
「Rind(牛肉ベース)」
「Huhn(チキンベース)」
これらが大体どの店舗にも揃っている。
また、NISSINからはカップヌードルも発売されている。
カップヌードルの味付けは日本のものとは違いヨーロッパ向けになっていて、日本のものを想像して食べると多少違いを感じるが、全体的にさっぱりしていてこれはこれで美味しい。
同じくNISSINから出ている「Soba」というカップ焼きそばがある(写真右)。
種類は「クラシック」「テリヤキ味」「ヤキトリ味」「チリ味」等たくさんあるが、中でも一番ベーシックな「クラシック」は日本のカップ焼きそばとほぼ変わらない。
日本食品がヨーロッパ展開する際はどうしても現地の味になりがちなのだが、こちらは日本のカップ焼きそばそのままを忠実に再現している。
この商品は筆者の大のお気に入りで、クラシック味のこの焼きそばだけは頻繁に購入している。
Sobaの袋タイプや袋入り「日清焼きそば」もあるのだが、カップタイプはお手軽さが段違いだ。
乾麺と乾燥野菜、液体ソースが付属していて、作り方も日本のものと同じなのがまた良い。
嬉しいことにドイツではインスタント麺や米菓、豆菓子等日本の食品が徐々に受け入れられ、地元スーパーでも最近はよく目にするようになった。
お米はヘルシーで健康的という印象が強く、米由来の煎餅などは人気スナックのひとつとなっている。
また、刺激を求めるドイツ人に「わさび豆」もとても人気である。
ドイツ発祥の人気スナックブランドLorenzやスーパーのプライベートブランドからも出ていて、人気スナックへの仲間入りを果たしている。
わさび豆の定義
ドイツのWasabiは、ホースラディッシュにわさびの風味と色味を足した、日本のものより辛味が強いものが多い。
ドイツ人は職人気質なところがあり、わさびにも本物の“質”を求めている。
本物の生わさびは鮮度管理が難しく、日本国内でも入手困難かつ高価なので、遠く離れたドイツで「わさび風味」になってしまうのは仕方ないと思っていた。
2009年11月、ドイツのミュンヘン地方裁判所は、食品メーカーKattus社に対し、商品にわさび成分が含まれていない場合「わさび豆」と名乗ることを禁止した。
ドイツの連邦消費者団体協会Verbraucherzentrale Bundesverband (vzbv)が、「わさび豆」の名称について訴訟したのである。
食品メーカーKattus社が「わさび豆」として販売しているえんどう豆のスナックには「わさび成分」が含まれておらず、わさび風味のスナック菓子を「わさび豆」としていたのだ。
Kattus社は「そもそもドイツでは2009年の当初は“わさび”というものの知名度がまだ低く、消費者が騙されるということはない」と当初主張していた(この主張もどうなのだろうか・・・)。
これに対しミュンヘンの裁判官は「消費者が誤解を招く恐れがある」と判断、上記の通り今後「わさび豆」にはわさび成分を含む様に言っている。
(出典:Verbraucherzentrale Bundesverband https://www.vzbv.de/urteile/wasabi-erbsen-muessen-wasabi-enthalten
)
日本のはるか遠くドイツで「わさび豆」の“質”について熱い議論がされていたというのは、さすが“質”にこだわるドイツ人。非常に興味深いものである。
良質なメイドインジャパン
インターネットが普及し、誰でも簡単に情報を得ることができるようになった。
また、数十年前と比べて日本への渡航も容易になり、ここ数年は新型コロナウイルスの影響でドイツから日本への渡航者は減少してしまったものの、コロナ以前の観光客の推移から日本人気がうかがえる。
2000年にはおよそ88,309名
2010年にはおよそ124,360名
2019年にはおよそ236,544名(コロナ前)
と昨今は20年程前のおよそ2~3倍もの渡航者数となっており、さらに年々増えていっているのである。
(出典:statista https://de.statista.com/statistik/daten/studie/187327/umfrage/entwicklung-der-anzahl-von-besuchern-aus-deutschland-in-japan/
)
それだけドイツ人の日本への関心が高まっているのである。
元々こだわり気質のドイツ人は、わさび同様に日本の本物の味を知ってしまったら質の低い偽物は許せないようだ。
日本は”良質なものづくり“をする国だと認識されており、メイドインジャパンへの信頼度も高い。
新型コロナウイルスも収束に向かい観光者も戻ってきているようで、今後「質」を求める消費者は、自然と日本製を求める流れができるのではないかと筆者は考える。