インド:和食向き食材が豊富なのに和食レストランが1軒もないマニプール州
インドの東部に位置するマニプール州。州都はあのインパール作戦でも有名な、インパールだ。ミャンマーとの国境も近く、田園地帯が広がっている。30以上の民族が住んでいるが、日本人のような顔立ちの人が多く、マニプールはインドらしくないインドである。
地元で収穫されるローカルライスの味わいは、日本米そのものであり、市場で売られている野菜は、日本人にもなじみのあるものが多く、地元のお店でキッコーマン醤油、ごま油、わさび、すし酢、干し椎茸、春雨なども売られている。しかしながら、和食レストランは1軒もない。地元の若者たちは韓国の食文化に魅了されているようである。
和食レストランが1軒もないマニプール州インド
著者:インドgram fellow KINGFISHER
公開日:2023年3月3日
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マニプールの美味しいお米
マニプールには湖が多くあり、新鮮な淡水魚が市場で売られている。そんな魚を使ったフィッシュカレーが有名で、付け合わせのご飯はまるで日本米のようで、とても美味しい。もちろん、細長いパスマティライスも売っているが、ローカルライスと呼ばれる地元で収穫されるお米の味わいは日本のご飯そのもの。わざわざ寿司ライスや韓国米、お高い日本米などを探す必要はなく、自宅でも毎日美味しいお米が食べられるのは本当にありがたい。
日本人にも嬉しいローカル食
さらにここにきて驚いたことがある。日本の食事にそっくりなものが多いのだ。Boraと呼ばれるかき揚げ風の天ぷら、バナナの皮に包まれたfermented beansと呼ばれるものは、なんと納豆だ。レストランのメニューにあるRice Beer は甘酒で、ホットではなく冷やして飲むととても爽やかだ。Sticky Rice はまるでお餅のようだ。
しかも市場で売られている野菜だが、私達日本人にもなじみのあるものが多く、とても新鮮だ。旬があるので多少の変動はあるが、茄子、大根、白菜、さつまいも、ニラ、レンコン、えのき、生姜などは普通に手に入る。地元のお店では、少し割高だがキッコーマン醤油やごま油、わさび、すし酢、干し椎茸、春雨なども売っている。さらにアマゾンを利用すれば日本の食材は手軽に購入できる。
こちらへ来る前に、日本からもっと食材を持ってくるべきだったか、外食はカレーしか食べられないのかと心配をしていたが、すべて杞憂に終わった。
和食レストランがないマニプール
ところが不思議なことに、ここマニプールには和食レストランが1軒もないのである。日本米のようなローカルライスがあれば、ここでも牛丼や豚カツ定食、生姜焼きなど地元の人も美味しく食べてくれるだろうに、非常に残念である。
現在、マニプールの人口は350万人近い。そのうち41%以上はキリスト教に属しており、彼らは食に関する制限はない。ヒンドゥー教の人にはご法度な牛肉も市場では普通に売られている。イスラム教に属する人はわずか8%で、彼らが食さない豚肉も売られている。地元の人たちは、食に関してはかなりオープンなのだ。魚も食べるので、意外とお寿司も大丈夫かもしれない。ちなみにインパール市内には、KFCやピザハット、ドミノピザ、サブウェイがあるがマクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガー系ファーストフードはまだ進出していない。
(引用元: https://www.indiacensus.net/states/manipur)
韓国の食文化に魅了される若者たち
マニプールに韓国レストランは数軒ある。地元のおしゃれなレストランでも最近はキンパが売られるようになった。商店では、韓国のりや韓国ラーメン、韓国の調味料、キムチなども手軽に手に入る。なぜこんなに韓国食材が充実しているのかある店主に尋ねてみたところ、韓国ドラマを見て、若者たちがドラマに出てくる料理を真似して作ってみたい、味見してみたいという依頼が多く、食材を仕入れていると語っていた。これだけ韓国の食文化がマニプールの人々の間で浸透しているのであれば、日本の食文化も広めるチャンスが十分にありそうだ。