条件や職業は?カナダの永住権プログラムを読み解く!

カナダ

前回、カナダの移民事情についての記事を書いた。

移民大国カナダが求める人材とは?移民受け入れ計画を紐解く
(https://global-biz.net/n_america/greatnation-immigrants-ca/

カナダは労働力を海外からの移民に頼っており、今後の労働力不足を見越した移民政策が採られている。今後も移民の積極的な受け入れは続く見込みで、特に専門的なスキルや資格を持つ人材は今後ますます必要とされるだろう。

今回は、数ある移民制度の中でも主流のプログラムの概要と、筆者がカナダに移住した方法や経緯について解説する。

※注意
永住権の申請手続きや条件は、移民局によって頻繁に改定されます。詳細は移民局のウェブサイト等をご自身で確認するようにしてください。

条件や職業は?カナダの永住権プログラムを読み解く!

    著者:カナダgram fellow Murayama
公開日:2023年8月8日

カナダの永住権を取得する方法

カナダの移民プログラムには膨大な種類があるが、ここでは国際結婚や難民のケースは除き、カナダへの経済的な貢献を目的とした「経済移民(エコノミック・クラス)」の一部を紹介する。

1,エコノミック・クラスとは?
エコノミック・クラス(Economic Class)とは、カナダの貴重な労働力となり経済発展に貢献してくれるであろう人材を、カナダ政府が受け入れるプログラムだ。

数多あるカナダの移民プログラムの中でも核を担う存在で、2022年11月1日にカナダ政府により公表された移民計画「Immigration Levels Plan 2023-2025」では、新たな移民の60%をこのカテゴリーから募集するとされている。

(引用元:Government of Canada / An Immigration Plan to Grow the Economy
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/news/2022/11/an-immigration-plan-to-grow-the-economy.html

なお、エコノミック・クラスはさらにいくつかのカテゴリーに分類され、そこからさらに、国が主体となるもの、州が主体となるもの、と細分化される。

2,エクスプレス・エントリー

カナダ統計局は、2021年に行われた国勢調査の結果、移民の割合は人口の23%にまで達し、この割合はG7内でも最高となったと発表した。

(引用元:Statistics Canada / Immigrants make up the largest share of the population in over 150 years and continue to shape who we are as Canadians
https://www150.statcan.gc.ca/n1/daily-quotidien/221026/dq221026a-eng.htm

エコノミック・クラスで永住権を申請する場合に使われるのが、「エクスプレス・エントリー(Express Entry)」と呼ばれるシステムだ。

エクスプレス・エントリーでは、

①年齢
②自国またはカナダでの学歴
③自国またはカナダでの就労経験
④語学力

の項目が審査される。

各項目をそれぞれポイント換算し、自分のポイントが毎週(または隔週)公表される基準値を上回っていれば、次へ進める仕組みだ。

基準値を満たすために新たに学校に通う、これまでのキャリアを捨てて永住権に繋がりやすい職に就くなどして、カナダでの学歴や職歴作りに励むのは珍しいことではない。

また、自己ポイントと同時に、スポンサーとなってくれる雇用主側からのサポートも必要だ。

筆者の場合

ここで、筆者がカナダの永住権を取得するまでの経緯を例として紹介しておく。

ざっくりとした流れは下記の通りだ。

日付経緯
2018年4月カナダに入国(ワーキングホリデービザ)、仕事開始
2018年8月雇用主による永住権のサポートが本格化する
2019年6月ビザ期限切れのため日本へ一時帰国
2019年10月ビザをリニューアルし、カナダへ戻って永住権の申請
2021年2月永住権取得
永住権を取得するまでの経緯

筆者の場合、カナダに到着後直ちに職探しを開始した。

運よくスポンサーとなってくれる職場が見つかったので、まずは1年間働いてカナダでの職歴を作り、その後永住権の申請に進んだ。

ポイントが不足していたこと、帰国を余儀なくされたこと、毎日の理不尽な仕事量、永遠とも思われるプロセスの待ち時間……など、何度も気持ちが折れかけたが、カナダに入国して約3年で無事に永住権が取得できた。

コロナの影響で、待ち時間の大幅な増加や廃止されたプログラムの事例も耳にしていたため、それを考慮すると順風満帆だったように思う。

本気でカナダ移住を考えている人が知っておくべきこと

カナダの移民政策は目まぐるしく改定される。

本気でカナダに移住したいと思うのなら、SNSやブログの情報を鵜呑みにせず、最新の情報を自分から取りに行くように心がけてほしい。移民局のサイトを常にチェックし、疑問点は専門家に確認するようにしたい。

綿密に計画すれば、誰にでも可能性があるカナダの永住権。挑戦してみる価値はあるのではないだろうか。

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