【最新情報】コロナ禍のアメリカ入国について解説(2021年9月3日現在)

アメリカ

新型コロナウイルス感染者の増加により、米国では、2020年3月13日に非常事態宣言が発令されました。同年10月より全土で感染が再拡大したため、夜間外出禁止令や自宅待機勧告が発令されましたが、ワクチンの普及と感染者数の減少に伴って、一部地域を除いて解除されました。
アメリカでは全ての州において経済活動が再開されているものの、再開に伴う規制緩和の内容は州・地域によって異なっています。渡航者は、ホテルなどでの自己隔離や公共の場でのマスク着用義務など、州で施行中の規制を遵守する必要があります。
なお、アジア系市民や渡航者に対する迷惑行為や事件がアメリカ国内で多発しているため、大使館および総領事館では不要不急の渡航自粛要請を行っており、特に夜間の外出を控えるよう呼びかけています。
本記事では現状でのアメリカへ入国する際に必要となる手続き等について解説します。

*入国に関する条件等には政府指示のもと変更がある可能性がありますので、必ず最新情報をご確認ください。
(本記事は、2021年9月3日の時点での情報をもとに構成しております。)


コロナ禍のアメリカ入国について解説

 著者:gramフェロー 
公開日:2021年9月6日

1. アメリカへの入国

現地時間の2021年9月1日現在、日本は米国疾病予防管理センター(CDC)により感染警戒基準がレベル3「感染リスクの高い地域」に指定されています。
アメリカ政府はESTA(エスタ:電子渡航認証)による米国への渡航を許可していますが、国外からの渡航者は州や地域で施行中の規制を遵守する必要があります。規制は州・地域によって異なっており、到着後の自己隔離やマスク着用を義務付けているところもあるため、アメリカ渡航前に詳細の確認が必須です。
2021年1月26日より、国外から空路でアメリカへ入国する全ての渡航者はPCR検査による陰性証明書または感染から回復したことを示す診断書の提示を義務付ける措置が施行されました。この措置は満2歳以上の渡航者が対象となります。
また、日本政府は国内の緊急事態宣言の発令に伴って、国外から日本へ帰国する全ての渡航者を対象に、出発72時間以内に取得した陰性証明書の提示を義務付けています。アメリカから帰国する際は、出発前にPCR検査を受診し、陰性証明書を取得してください。

2. どんな人がアメリカに入国できるの?

アメリカへの入国にはビザ(査証)が必要ですが、日本国籍の渡航者は、90日以下の短期商用または観光目的の滞在であれば、ビザ免除プログラムを利用してビザ無しでの渡航が可能です。ビザ免除プログラムを利用して渡米するには、米国行きの航空機や船への搭乗前にESTA(電子渡航認証)を取得する必要があります。ESTAは遅くとも渡米日の72時間以上前までに申請しておくことが推奨されます。ESTA申請料は14ドルで、申請サイトを通じてクレジットカードで支払いが可能です。認証されたESTAの有効期限は2年間で、アメリカへ複数回渡航することができます。
なお、コロナ禍の現在では、日本国籍の渡航者は米国への入国禁止措置の対象外となっているものの、以下に該当する方は入国不可となるため、注意が必要です(2021年5月4日以降の追加国含む)。
過去14日以内に以下の国に滞在歴のある渡航者:

  • アイスランド
  • アイルランド
  • イタリア
  • イラン
  • インド
  • エストニア
  • オランダ
  • オーストリア
  • ギリシャ
  • スイス
  • スウェーデン
  • スペイン
  • スロバキア
  • スロベニア
  • チェコ
  • デンマーク
  • ドイツ
  • ノルウェー
  • ハンガリー
  • フィンランド
  • フランス
  • ベルギー
  • ポルトガル
  • ポーランド
  • マルタ
  • ラトビア
  • リトアニア
  • リヒテンシュタイン
  • ルクセンブルク
  • 中国(香港特別行政区を除く)
  • 英国

3. 渡航前に必要な手続きについて

アメリカへ渡航する前に準備が必要な項目は、以下の通りです。

1.ESTA(電子渡航認証)の申請及び取得:前項を参照
2.航空券の手配
3.海外旅行保険加入の確認:滞在時の事故・病気やケガのリスクに加えて、現在では、新型コロナウイルスに感染した場合、滞在国の規定に沿った検査や隔離が必要となり、費用は自己負担となるため、海外旅行保険の加入、または補償の内容の再確認が推奨されます。
4.出発前3日以内に受けたPCR検査の陰性証明書(英文)の取得:満2歳以上が対象となります(2021年1月26日より施行)。
5.宣誓書の提出:「要件を満たす陰性証明を取得したこと」または「新型コロナウイルスから治癒し、渡航に支障がないと診断されたこと」の宣誓書(Attestation)を搭乗前に航空会社に提出する必要があります。これは2歳以上の全ての渡航者が対象となり、渡航者ごとの提出が必要となります。2~17歳の渡航者については、法律により別途認められている場合を除き、親またはその他権限のある方が宣誓書を提出します。また、肉体的・精神的な障害等によって渡航者本人が宣誓できない場合は、近親者・法定代理人・旅行代理店などの権限ある方が本人に代わって提出することができます。
◇宣誓書テンプレート(英文):https://www.cdc.gov/quarantine/pdf/Fillable-Attestation-English-508.pdf 
6.健康申告(オンライン):一部渡航先のみ必要となっており、現在ではロサンゼルス市への渡航に際し事前申告が必要となっています。

4. アメリカ入国時の検疫・制限措置など

米国疾病予防管理センター(CDC)は、国外から米国への渡航者の検査および自主隔離について、主として以下のように推奨しています。
米国疾病予防管理センター(CDC)- 海外旅行の後で

出典:https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12849#form 

各州・地域ごとに推奨事項・要件が異なるため、必ずあらかじめ確認したうえで渡航準備を行う必要があります。

5. アメリカ国内の新型コロナウイルス感染状況

ロイターのCOVID-19Trackerサイトによると、アメリカでの感染者数は増加傾向にあり、平均で一日あたり166,813人の新規感染者が報告されています。
新型コロナの世界的大流行が始まって以降、アメリカで報告されている累計感染者数は39,570,764人、死者数は643,265人となっています。
Our World in Dataによると、2021年9月1日時点でワクチンを一回以上接種した人は人口比で62.6%、必要回数のワクチン接種を完了した人は53.2%となっています。ただし、ワクチン接種率は州によって異なっており、最も低い10州は南部に多く、接種完了率は41%以下であり、高い州は北東部が中心で接種完了率は58%となっています。CNNによれば、接種率が高い10州と低い10州を比べると、住民の死亡率に約5.5倍の差があるということです(https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000226176.html )。

関連リンク

◇ESTAオンラインセンター【2021年9月最新】新型コロナウイルス アメリカ入国制限と対象国の最新情報:https://esta-center.com/news/detail/990100.html#sec_status 
◇在アメリカ合衆国日本国大使館 新型コロナウイルス関連情報:https://www.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid-19.html#4 
◇アメリカ(米国) 渡航に必要なビザ・ESTA申請、航空券手配、PCR検査等の手続き手順(2021年7月24日現在):
https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12849#form
◇アメリカ合衆国国土安産保障省 ESTA申請サイト:https://esta.cbp.dhs.gov/ 


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