安倍元総理のニュースが銃社会アメリカに与えた衝撃

アメリカ

2022年7月8日、日本の元総理大臣である安倍晋三氏が銃撃され亡くなりました。
大変ショッキングなこのニュースは、日本国内だけでなく、世界中に衝撃を与えました。
アメリカでもこの事件は盛んに報道され、故人の功績を称えると共にアメリカで頻繁に起こる銃乱射事件やアメリカでの銃規制の問題に絡めて議論されています。

安倍元総理のニュースが銃社会アメリカに与えた衝撃

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年7月12日

安倍元総理のアメリカでの評判

アメリカでも事件直後からテレビやラジオが活発に報道しました。
ロイター通信、ワシントンポスト、CNN、BBCなど信頼度の高い英語圏の情報ソースだけでなく、アメリカの各テレビ局がこの事件を報道し、専門家を呼んで討論したりと盛んに取り上げられていました。
その報道で、安倍元総理は2006年から2007年と、その後2012年から2020年の計8年強、日本の総理大臣を勤めたこと、そしてそれは歴代最長であると報じられました。
また、第一期安倍政権の先代、カリスマ的人気のあった小泉純一郎元総理に比べると、安倍元総理の人気は高くなかったけれど、第二期安倍政権からの方がインパクトがあるといわれていました。
たしかにオバマ元大統領とよりも、トランプ元大統領と仕事をしている印象の方が強いですよね。
そういったこともあってか、アメリカでは安倍元総理をライトウイング(タカ派とか右派の意味)と紹介しています。
日本でも国防に関することを筆頭に好き嫌いの分かれる総理大臣だったという印象があります。

安倍元総理の訃報を受けてアメリカの対応

バイデン大統領は「友人の安倍晋三元総理が選挙運動中に射殺されたというニュースに驚愕し、憤慨し、深く悲しんでいる。これは日本にとって、そして彼を知っているすべての人にとって悲劇です。」とホワイトハウスの声明を出しました。
また、第一期安倍政権の際にアメリカの大統領であったバラク・オバマ元大統領は、安倍元総理のニュースに「ショックを受け、悲しみに沈んだ。私の友人であり長年のパートナー」とツイートしました。
アントニー・ブリンケン国務長官は安倍元総理を「並外れたパートナー」と称し、事件に関しては「衝撃的です。それはまた、非常に多くの人々にとって非常に大きな損失です。」と記者団に語りました。

日本の銃規制

日本は世界でもトップレベルで銃犯罪が抑制されている国です。
2021年、銃で亡くなった方は1人でした。
日本で銃犯罪率が低いのは銃所持を厳しく制限する法律があるからです。
1日かかる講習、筆記試験、射撃教習を受ける必要があります。また、精神面の評価、薬物検査、厳格なバックグラウンドの検査も行われ、犯罪歴、個人負債、組織犯罪への関与、家族や友人との関係なども審査の対象となります。
日本での民間人の銃所有者は極めて少なく、2017年の時点で、人口1億2500万人に対して銃は推計37万7000丁(100人当たり0.25丁)しかありません。

銃社会アメリカの現状

アメリカでは銃に関する事件がほぼ毎日起こっています。ほぼ毎日複数件、どこかの州で誰かが銃の被害に合っています。
データによると2022年は6月の時点で既に300件以上の銃乱射事件が起こっています。
最近の大きな銃乱射事件は独立記念日の日にイリノイ州のハイランドパークで起こったもので、29人が怪我をし8人が亡くなりました。
昨年は銃によって亡くなった人が年間で約4万5000人います。
2017年では人口100人当たり120丁の銃の所持があります。
アメリカでは日本よりかなり簡単に銃の取得ができます。
武装権があるので、銃を持っている人は多いです。ライフルなど銃の種類によっては特に許可もなくバックグラウンドを調べることもなく、小売店で購入することができる州もあります。
ハワイ州を含めた7州とワシントンD.Cのみ、ライフルに関する規制法があります。

銃規制強化の動きはあるのか?

今回の安倍元総理の銃撃にアメリカ国民もかなりのショックを受けています。
「日本はあんなに銃規制をしているのに銃の事件が起こるなんて信じられない。」
「あんなに銃規制をしていたのに、よりによって撃たれたのが元総理だなんて驚き!」
など、銃に厳しい日本で、元総理が撃たれた事件は晴天の霹靂だったようです。
アメリカではなかなか銃規制が進みません。
5月にニューヨークのバッファローで銃乱射事件が起こった時は、アメリカではなくカナダで銃規制が見直されました。
その後も何回か大きな銃乱射事件が起こっており、全く銃の事件はなくなりません。
この間のイリノイの銃乱射事件は21歳、バッファローの銃乱射事件は18歳と、犯人の若年齢化も懸念の一つです。
SNSなどでは銃の規制を強化しようと声が上がっていますが、なかなか銃の事件や銃の被害者は減りません。その為、逆の発想で「銃を持って家族を守らないと」と考える人もいます。
昔は保守的な共和党支持の方に銃所持の支持者は多かったですが、最近では民主党支持の方でも銃を持っている方は多いです。

まとめ

先日公園にいた時にパンっと銃声の様な音がしました。
その時に周りにいた子どもがその子よりも小さな子どもを庇うそぶりをしました。
筆者は「おや、花火かな?」くらいにしか思いませんでしたが、アメリカの子どもにとって銃声は、それほど珍しいものではないのかもしれません。
今回の安倍元総理の事件は本当に痛ましいものです。
こういった日本の事件がアメリカの銃社会に外から影響を与えてくれることを願う声も多いです。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で海外情報ナビをフォローしよう!

関連記事一覧