米国と日本の平等の感覚は違う!日本のグリーン車は狭いと嘆く外国人
シアトル在住ライターが2年ぶりに日本に帰国し感じた、米国と日本の価値観の違い。
ホスピタリティの悪さを空間的な広さで補うアメリカに対し、空間的な狭さをホスピタリティで補っている日本は、外国人からどう見えるのか?
日本のグリーン車は狭い、高級ホテルが少ないと嘆く、日本にきた外国人の価値観を考察する。
日本一時帰国で感じたこと
著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年11月12日
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日本の印象
筆者の同行者には車椅子がないと移動できない人がいます。
今回一緒に日本に来たのですが、共に行動することでアメリカにあって日本にないものを数多く感じました。
一般的に日本を初めて訪れた外国人が語るのが、どこにいっても清潔で、どこにいっても街全体の雰囲気が統一されていて、全部プラスチックで作られたみたいに滑らかで素晴らしい、ということです。
そして、現在はコロナ禍にも関わらず、沢山の人が満員電車に乗り、礼儀正しく行列に並び、アメリカではこんなことはあり得ない!との感想もよく聞きます。
筆者は日本で生まれ育ち、たまたま少しの間だけアメリカに住んでいるので、外国人ほどの感動はありませんが、日本って清潔で、人間も礼儀正しく生活しやすい国だなと改めて感じました。
外国人からみた日本の協調性の曲解
日本という国は協調性を大事にする国だと思います。
日本人がこのような考えを持っていることは、海外でも浸透しているようです。ただ、ちょっとユニークな解釈をされている場合もあって、例えば侍とサラリーマンの話、神風特攻隊と過労死の話をされたことがあります。
あるオーストラリア人が
「すべての侍は殿様に全身全霊をもって仕える。その姿はさながら残業してプライベートの時間を削って仕事をする日本のサラリーマンのようだ。」
また別のアメリカ人は「日本の働き方はカミカゼのようだね。会社の為に最後はみんな自分がカロウシしてしまうんだろ?」
非常に極端ですが、こういった話を1人ではなく複数人の外国人からされたことがあります。
びっくりしましたが、そういう風に思われているのかと複雑な気持ちになりました。
ちなみにアメリカでカロウシと言う単語は、日本語と同じ意味で通じます。
平等を求めないアメリカ人
アメリカ人は平等や人権を叫んでいる印象がありますが、日本の平等の感覚とは少し違います。
日本人の考える平等は、みんな同一のサービスや価格といった感じでしょうか。
アメリカ人はそういうことは求めません。例えば、広い座席に座る為にお金を払うこと、長蛇の列をスキップして先頭に立つ為にお金を払うことに抵抗がありません。かなり金額の差があっても、空間的な広さや時間的な短縮が手に入るなら全く気にしないイメージです。
日本の場合、金額は平等、サービスも平等といったものが多いです。
そもそも日本のホスピタリティはレベルが高いので、それ以上を求めるのが難しいというのもあるかと思います。
ただ、もっと区別してよいのではないかと外国人は思っています。
例えばグリーン車。筆者も乗ってみて感じたのですが、プラスでお金を払ったわりに、アメリカ人にとってはそんなに広い席である感覚はありません。もっと払ってもいいからもっと広いところはないのか?という気持ちになったようです。
どう表現していいのか迷うところですが、日本は決して広くない、限られた国土に1億人強もの人が住んでいます。
アメリカはあんなに広い国土面積ですが、3億人強しか住んでいません。
アメリカはホスピタリティの悪さを空間的な広さで補い、日本は空間的な狭さをホスピタリティで補っているのではと筆者は考えています。
しかし、お金を払ってでもこの両方を手に入れたい人は一定数いて、外国人からよく聞く話ですが、日本には高級ホテルが少ないと海外から思われています。
お金をとれるところからしっかりとって、その分通常クラスの運賃だったりホテル代だったりを安くしている企業はアメリカには沢山あります。
日本はどんなコンディションでも便利な国か?
日本に数週間滞在してみて、日本語が話せる健康な方には世界で一番住みやすい国だと感じました。
しかし、車椅子移動やベビーカー移動の方には動線が難しい構造になっていることに気づきました。
池袋や新宿や上野といった、ターミナル駅に出向いた時のことです。
広い駅構内でしたが、目的地に到達できるエレベーターは数台しかなく、しかも1階に行きたいのに一度3階に行ってからでないと到達できないようなところがありました。
車椅子やベビーカーでは階段、エスカレーターは無理なので、スロープを使うことが多かったのですが、スロープに屋根がついていなかったり、スロープの終わりは階段になっているところもありました。
在来線に乗ろうとした時、普通車両に乗車しようとしたところ、乗れそうな隙間はあるけど沢山の人がこちらを見ていて、乗れるような雰囲気ではありませんでした。
幸いすぐ隣にグリーン車のドアがあったので、グリーン車に乗ることができましたが、同行者の乗ってきた車いすが通路の幅に合っておらず、お金を支払ってデッキで過ごしました。
アメリカは接客はよくなくても、他のお客さん達がお手伝いが必要な人達を受け入れる雰囲気があります。日本は接客のホスピタリティはすごく高いのですが、空間的な広さはアメリカとかなり違いますし、助けが必要な人への関わり方がちょっとアメリカと違うなと思いました。
まとめ
今回は日本に一時帰国をして筆者が感じたことをシェアしました。この記事が御社のビジネスのヒントになれば幸いです。