フィリピンのBPO産業について

フィリピン

近年フィリピンではBPO産業の成長が高まっており、以前にご紹介したOFW(海外フィリピン人労働者)送金を間もなく上回ると予想されています。マルコス・ジュニア現大統領は、100万人以上の雇用を生み出したこのBPO産業はフィリピン経済回復の重要な役割を担うと、大きな期待を寄せています。そこで今回は躍進を続けるフィリピンのBPO産業についてご紹介します。

フィリピンのBPO産業について

   著者:フィリピンgramフェロー アルト
公開日:2024年 1月23日

BPO産業とは

BPOとは(Bussiness Process Outsourcing)の略で、自社で行う業務を外部に委託するビジネスモデルのことを指します。自社のコスト削減や経営効率化を目的に近年急速に拡大していて、フィリピンでは低賃金で人材確保が可能なことから数多くのグローバル企業がブランチ(支社)を設立しています。BPO産業の業務内容は下記のようなものがあります。

・コールセンター業務
・ソフトウェア開発
・データマイニング/入力
・バックオフィス業務

(引用元:Nextford University https://www.nexford.edu/insights/the-future-of-bpos-in-the-philippines-and-growth-opportunities#:~:text=The%20Philippine%20BPO%20industry%20contributes,to%20the%20economy%20each%20year.

フィリピンBPO産業の市場規模

フィリピンの BPO業界は、毎年300億ドル(約4兆5,000億円)近くフィリピン経済に貢献しています。2019年には130万人のフィリピン人が1,000社以上のBPO企業に雇用されていると推定されて、毎年8〜10%増加しています。またフィリピンは世界のBPO市場の10〜15% を占めていると推定されており、そのサービスは米国を対象としているほか、ヨーロッパや日本、ニュージーランド、オーストラリアなどの近隣諸国にも同様に提供しています。

大手企業の実例

フィリピンにBPO産業として参入している代表的な企業は以下のとおりです。

・Accenture Inc.
・JP Morgan Chase & Co.
・IBM Daksh Business Process Services Philippines Inc.
・Teleperformance Philippines Inc.

フィリピンがBPO産業に優れている理由

フィリピンは世界で最も人気のあるアウトソーシング先のひとつとなっています。これは従業員の高いレベルの英語能力、そして低コストでの人材確保が可能であると推測できます。

2022年のEPI英語能力指数(English Proficiency Index)によると、フィリピン人の英語能力はアジア圏で第2位とかなり高い水準であり、また国内での英語使用率は70%と、国民の大半が日常的に会話ができるとされています。ビジネス共通語として使われる英語が日常的に使われることもあって、BPO産業が普及したと思われます。

フィリピンの全国賃金委員会によると、2023年の新たな基本給(マニラ地区を参考)は1日当たり603ペソ(1,507円)と日本に比べて約5分の1以下の賃金で人を雇うことができます。なので人材コストがかかるヨーロッパや米国などから多くの企業がBPO産業としてフィリピンに参入しています。

(引用元:DIGIDO https://digido.ph/articles/minimum-wage-in-the-philippines#Daily_Minimum_Wage_in_the_Philippines_2023

まとめ

今後フィリピンのBPO産業は益々発展していくとされ、2023年には業界の収益が359億ドル(5兆3,850億円)に達すると予測しています。こうしたフィリピンでのBPO産業拡大を受け、日本からのアウトソーシングを試みる日系企業が増加しており、大手企業のみならず中小企業も着手し始めています。フィリピンのIBPAP(IT・BPO産業協会)は年間推移で8%〜10%の成長率を見込んでいるため、外資企業のフィリピンBPOへの投資を更に拡大していくと言及しています。今後も続くフィリピンBPO産業の需要の高まりに注目です。

アルト

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フィリピン在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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