米大統領選の結果判明の遅れで何が起こるのか?

アメリカ

11月3日に全州で投票が開始され、現在、9割かたの開票が終わって、バイデン候補253票、トランプ大統領214票(New York Times集計)となっています。このままで行くと、バイデン候補の勝利が決まりそうです。

しかし、色々な報道を総合すると、トランプ大統領が郵便投票の不正の可能性を指摘して、いくつかの州で法廷闘争に持ち込む可能性があります。また、共和党が州議会の多数派を占める州では、民主党が選挙人を取る結果になった場合に、州議会が選挙人を決める仕組みを採用して、共和党が選挙人を取れるようにする可能性も指摘されています。

米大統領選の結果判明の遅れで何が起こるのか?

著者:gramマネージャー 今泉 大輔 
公開日:2020年11月6日

国別概要情報 アメリカ(USA)

米国大統領選の仕組みとトランプ大統領の「奇策」

米国大統領選では、各州に選挙人の人数枠が割り当てられています。11月3日の投票により、ある州で例えば民主党が過半数の票を集めると、その州に割り当てられた選挙人(人口によって決まる)の全部を民主党が取ることができます。「勝った州で選挙人を総取りする」のが、この選挙人を確定させる11月3日の投票の特徴です。

資料によると、米国の憲法では選挙人を決める仕組みそのものは規定していないそうです。従って、共和党が州議会の多数派を占める州では、仮に11月3日投票で民主党が選挙人を総取りした場合に、州議会が異議を唱えて、州議会で選挙人を決めることが不可能ではないようです。この州では共和党が州議会の多数派を占めていますから、州議会で選挙人を決めるとなれば、すべて共和党支持者で固めることができます。
という形で、投票で決まったその州の選挙人を、州議会の議決によって決め直すことができるという、それも可能だということが、いくつかの報道で指摘されています。

トランプ大統領は、11月3日投票で自分が劣勢になった場合、この方策を使って形勢逆転を図るかも知れないと指摘されています。

開票作業の終わりが遅くなる理由

また、今回は郵便投票が大きな話題となりました。これは、コロナがあるために、投票所に行って投票するよりは、郵便で投票した方が感染の可能性が低いことから、がぜんこの投票形式に注目が集まったということです。

現在判明している投票結果によると、郵便投票を利用した有権者が4,000万人を超えるとのことです。また、今回の大統領選に投票した有権者数は、過去最大の1億4,000万人以上。過去最大だったオバマ大統領の時の総投票数1億3,100万を超えています。投票率でも過去最大となる見通しです。

全体の1/4が郵便投票を利用しているということで、この大きな数をこなすために、州ごとに設けられた郵便投票開票センターの仕事が混乱しています。開票作業が翌日だけでは済まず、ペンシルバニアなどの州では11月7日、8日頃までかかると報道されています。
州により、郵便投票の処理の仕組みがバラバラで、11月3日の消印があれば6日までに到着したものは有効であるとか、11月3日消印の投票を7日後から開票を始めるとか、開票作業完了の日が州によって大きく異なります。これはその州の選挙人の数が確定するまで、まだまだかかるということを意味します(本稿執筆は11月5日)。

トランプ大統領の選挙陣営は、州によっては、郵便投票の開票作業に不正が発生している可能性を指摘して、裁判所に訴えて開票に待ったをかけることもありうると指摘されています。これがまたさらに、選挙全体の結果の確定を遅らせます。

何が起こる可能性があるのか?

このようにして、大統領選の結果確定が延び延びになるなかで、米国に何が起こるのでしょうか?

8月頃から指摘されているのは、新大統領が決まらないことで、米国のあちこちの州で不穏な動きが拡大し、米国が騒然として来るというシナリオです。わかりやすく書くと、米国内において「内乱」が起こる可能性です。

参考記事:
Wedge – 現実味増す米大統領選“惨事”のシナリオ(2020年8月31日)

2020年5月の痛ましいジョージ・ソロス氏の事件以降、米国の複数の都市で暴動が相次ぎました。これを焚き付けている団体がいると指摘されていますが、それが事実であるかどうかはさておき、米国にはそのような社会的特性があります。日本では考えられないことです。

新大統領が決まらないなかで、米国の複数の都市が騒然としていくとすれば、それはどういう影響を及ぼすでしょうか。

本で普通に生活している分には、さほど影響はないかも知れませんが、ビジネスに関わっている人たちは、ありうるシナリオの1つとして、頭の隅に置いておくべきだと思います。

国別概要情報 アメリカ(USA) アメリカ 関連記事

今泉大輔

1,209 views

gram マネージャー リサーチ& IT コンサルタント 2007年から2010年にかけて、プロフェッショナルな方の時間の売り買いを可能にする新しい...

プロフィール

関連記事一覧