日本のたい焼きがアメリカでブレイク中!wafutaiyakiの成功の秘訣

アメリカ

みなさん、今、フロリダのオーランドでたい焼きが人気となっていることをご存知でしょうか。
人気のお店は、アメリカ人オーナー2人によるたい焼き専門店です。彼らは日本文化に魅了され、日本のたい焼きの美味しさに魅了されました。現在、彼らの公式インスタグラムには1.6万人以上のフォロワーがおり、その人気は急上昇中です。 日本好きなアメリカ人にとって、たい焼きは新たなスイーツの選択肢として大注目の存在です。

日本人からすれば、たい焼きが!?と思うかもしれませんが、そんな何気ない身近なものでも海外では大きなビジネスチャンスになり得る可能性があります。本稿では、彼らが運営するお店を紹介し、なぜアメリカ人にたい焼きがウケているのかについての考察を述べました。

3年でオーナー店長!? フロリダでたい焼き人気が出てきた!

    著者:フロリダgram fellow Yuta
公開日:2023年9月13日

アメリカ人オーナーの2人

このたいやき屋さんは wafutaiyaki ※1という名のお店で、アメリカ人の2人によって運営されています。

元々日本の文化に興味のあった2人。日本を観光した際たい焼きに出会い、コレだ!!と確信したそうです。

公式インスタグラムには現在1.6万人ものフォロワーを抱えており「クロワッサンたい焼き」と検索し一番に出てきたこちらの日本のお店※2は 2500人、「フロリダのたい焼き」と検索して出てきたオーランド・タンパエリアのたい焼き屋さん※3のフォロワーはそれぞれ1,600人と1,700人。「たい焼き アメリカ」と検索し一番最初に出てくるこちらのニューヨーク市にあるたい焼き屋さん※4は、なんと22万人ものフォロワーがいます。

フロリダとニューヨーク市という都市の規模感の違いがそのままフォロワー数に現れていますが、フロリダ・オーランドエリアでフォロワー数1.6万人を誇るWafu taiyakiは大成功を収めていると言えます。

※1 wafutaiyaki https://www.wafutaiyaki.com/

※1 【公式】果香音 クロワッサン鯛焼き @cacao_croissant https://instagram.com/cacao_croissant?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

※3 @juju_taiyaki:フォロワー1600人 https://www.instagram.com/juju_taiyaki/
  @gaijintaiyaki:フォロワー1700人 https://www.instagram.com/gaijintaiyaki/

※4 @taiyakinyc:フォロワー22万人 https://www.instagram.com/taiyakinyc/

お店の成長変遷

2020年に産声を上げ、地元のファーマーズマーケットのテントの一角でひっそりとスタート。それが2021年4月以降は中央フロリダエリア(オーランド・レイクランド・タンパなど)をキッチンカーで転々と移動しながらという営業スタイルへ変更。

ファーマーズマーケット出店時は副業として行っていましたが、キッチンカーになってからは各地のイベントにスケジュールを詰め込んで積極的に参加し、本業での収入を超えることになり本格的にたい焼き屋さんへシフト。

2022年からはキッチンカーを卒業し、現在の営業形態であるオーランドのテナントの一角にお店を構えるまでにステップアップしました。キッチンカーの2倍のスペースを得ることとなった2人はメニューの拡充にも着手し、テント営業から順調にお店を成長させています。

アメリカのファーマーズマーケットは日本でいうところの青空市場に近いかもしれません。

野菜や果物など地元の新鮮な食べ物から、観葉植物やお花、オーナー手作りの創芸品やアクセサリーを販売していたりと、まさに各ジャンルの個人オーナーの展覧会のような感じです。

筆者の住んでいる街でも毎週日曜の午前からお昼すぎまでメインストリートを歩行者天国にして開かれています。おおよそ20〜30のお店が毎回連なっていて、賑わいを見せています。

なぜ彼ら2人はファーマーズマーケットをビジネスのスタート地点として選んだのでしょうか。

スタート地点としての利点がいくつかあり、まず第一に設営コストが低いということが挙げられます。参考までに筆者の街の出店料は1ブース$40でした。フロリダの1ブースの相場は$25~$40、日本の青空市場の出店料はおおよそ5000円、約$35です。

これがいきなりキッチンカーやテナントの一角を借りてのスタートとなると、車の維持費やテナントの賃料支払いに追われ、ビジネスに集中できないことでしょう。その点、毎週40ドルの支払いと仕込みの料金だけで済むのはハードルが低いスタートといえるのではないでしょうか。

第二に、お客さんを獲得できるチャンスが大きいプラットフォームであるということが挙げられます。

地元のファーマーズマーケットには多くの方が休日の朝の散歩がてら訪れます。多くの方の目に留まり、商品がいいものだと地元の口コミが広まります。また、対面であることでターゲット層の実際の好み、お客さんからのフィードバックを直接受け取ることができる貴重な機会にもなります。勝手に口コミでどんどん広まっていくのでマーケティングコストを掛ける必要がありません。

これらのことから、ファーマーズマーケットはビジネスのスタートで失敗しないために、また失敗したとしても損失を最小限に抑えられてやり直しが効くという意味でも、スタート地点として最適なのです。

筆者とwafutaiyakiの出会い

オーランドで毎年行われるジャパンフェステイバルに出店していた際に出会いました(2021年)

Taiyakiの文字がパッと目に飛び込み、今までのフロリダにはなかった新鮮さにすぐに興味を引かれたのを覚えています。

フェスティバル当日は真っ先にwafutaiyakiの列に並びました。あんこと抹茶を注文して一口パクリ。日本のたい焼きそのままで、とても美味しかったです。日本食事情が充実しているとはいえないフロリダで日本のたい焼きを食べることができて感動したことを今でも覚えてます。

かなり広い公園の一角にステージを設営してお店を配置していましたが、ピークの時間ともなるとその広い公園の敷地で身動きを取るのが大変なほどたくさんの人が集まります。特に食べ物のお店はどこも長蛇の列で、食事を取るのも大仕事です。

たい焼きだけが人気を集めていたわけではありませんが、数ある日本食の中の選択肢として十分機能していた証拠でもあります。

なぜアメリカ人にウケている?

なぜここまで成功するほどたい焼きがアメリカ人にウケているのでしょうか。
筆者が考える3つの要因として、まず第一にアニメの影響が考えられます。街中で日本のアニメのTシャツを着ていたり、グッズを身に着けているアメリカ人が多いことに驚かされます。それほど日本のアニメはアメリカに深く浸透していて、アニメに出てくる日本食に興味を持つアメリカ人も多いのだと予想されます。

第二にJapaneseというブランド力です。アメリカには日本車や寿司などに代表される日本食、サービスの質など、Japaneseというだけである程度の安心感を与えられるほどの信頼が既にあると思います。Japanese wafu taiyaki と謳うことでアメリカ人の興味を引き、一度は挑戦してみたいと思わせるのではないでしょうか。

最後にアメリカ流も上手く取り入れていることでしょうか。メニューにはsavoryスタイルというカテゴリーがあり、アメリカ人が好きなベーコン、チーズ、エッグなどをたい焼きの具材として取り入れています。一方、日本へのリスペクトも忘れず、あんこや抹茶味なども揃え上手くバランスを取っているのもウケている一因かと思います。

テナントへ移転後は期間限定アイスクリームにも力を入れ、常にお客さんへワクワクを提供している印象です。

まとめ

日本ではお祭りの出店に並んでいるような身近な食べ物が、ここフロリダで人気が出てきています。甘いものやスイーツが大好きなアメリカ人には、日本のクロワッサンたい焼き※5もウケるかもしれないですね。

筆者の感じるアメリカにおけるたい焼きの現状は、日本やアジア好きのアメリカ人の中ではウケているという印象で、一般のスーパーマーケットにおける知名度はワッフル、キャラメルポップコーンなどお菓子類と比べると弱い印象です。

ただし、一度食べてもらえれば既に日本好きのアメリカ人にはウケていることもあり、一般の家庭にも認知されるポテンシャルのあるものだと思います。

本場の日本でやっている日本人がアメリカ各地でたい焼きを更に広げることができれば、健全な競争が生まれ、アメリカのたい焼き市場が成熟していくかもしれません。

他にもフロリダには筆者が良いと思った日本のお店が何店かあるので順にご紹介していきたいと思います。

※5 クロワッサンたい焼 あずき | 銀のあん http://www.ginnoan.com/menu/detail.php?003

引用元
◇Click Orlando.com:
https://www.clickorlando.com/news/local/2022/02/18/a-unique-sweet-treat-is-coming-to-orlando-in-the-spring/

文 Yuta: Sunshine State life

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