インドネシア: 駐在員の一時帰国に関する税務を解説

インドネシア

インドネシアにおけるコロナ感染状況は深刻を極め日本への特別便も就航され始めました。予定外の一時帰国の方々やワクチン接種のための帰国の方々がいらっしゃるかと思います。既に帰国中にこの事態を迎えられ日本からインドネシアへの再入国に関して時期が確定できない方、確定しているものの予定通り進まず一時帰国が予定外の長期になられる方もいらっしゃるかと思います。
今回はインドネシアへの再入国が長期になってしまう可能性のある「駐在員の一時帰国」に関する税務について説明したいと思います。


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インドネシア:駐在員の一時帰国に関する税務を解説

著者:PT. Phoenix Strategy Indonesia
公開日:2022年04月08日

1.日本で受け取る給与

駐在員の方々の中には、インドネシアで受け取られる給与以外に日本で日本法人から給与の支給を受けられている方々がいらっしゃると思います。駐在員の方の日本でのステータスは非居住者ですので課税対象は国内源泉所得のみとなります。給与の場合には、所得の源泉がどこにあるかの判定は勤務地で行いますので、インドネシアで勤務中(「駐在地」はインドネシア)の「日本法人から」支給される給与は日本では源泉徴収されずインドネシアでの課税対象となります。これに対し、日本へ一時帰国中に「日本法人から」支給された給与は勤務地が日本(「駐在地」は日本)となるので、日本において非居住者に対する課税(一律20.42%)の源泉徴収の対象となるものですが、実態といたしましては短期滞在者への給与支給に対する源泉徴収がされていないケースは多く見受けられます。また、暦年ではなくいつからの1年間を切り取っても183日未満の短期間の一時帰国の場合には、租税条約(短期滞在者の特例)の適用により、「インドネシア法人から」支給される給与に対する日本での所得税は、免除されます。

2.183日間以上の一時帰国

では、一時帰国が183日以上となったらどうなるのでしょうか。
日本で「日本法人から」支給する給与に対し、20.42%の源泉徴収を行う点は183日未満の一時帰国のケースと同様です。「インドネシア法人から」支給されている給与は、183日以上の日本滞在により短期滞在者の特例を受けられなくなり、国外払いの国内源泉所得として日本で確定申告を行う必要があります。日本で納税された所得税はインドネシアでの確定申告時に、外国で納税した金額として申告し税額控除を受けることができます。インドネシアの給与に関する源泉所得税の取り扱いが滞在期間183日間を境に変わってきますので滞在期間の確認は重要です。

3.一時帰国の費用

駐在員の出張旅費は、日本法人の費用とすべきか、インドネシア法人の費用とすべきかを考える場合、その出張の目的により、負担すべき法人はどちらかという事が決まると思います。例えば、日本法人の要請により、日本へ戻り、会議に出席するような場合、費用は日本法人の負担となります。では、今回のようなコロナ感染からの退避は、どうでしょうか。目的は、社員の健康を守るための行為であるため、日本法人で損金とすることが可能です。しかし、出向契約の中に「駐在員の旅費はインドネシア法人がすべて負担する」というような内容が含まれている場合には、日本法人で負担した一時帰国のための費用は、日本側で寄付金とみなされるリスクがありますので、費用負担については、出向契約等、日本法人、インドネシア法人間での契約もご確認のうえ、判断されることをおすすめいたします。

関係法令:所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とインドネシア共和国との間の協定第15条、所得税法第161条、第172条




著者:PT. Phoenix Strategy Indonesia / 国際会計税務コンサルティング事務所
(労務コンサルタント:高岡結貴  税務コンサルタント:吉尾牧子)

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