マレーシア:街中が赤一色に染まる旧正月
中華系のマレーシア人にとって、1年で一番大きなイベントが旧正月です。
マレーシアでは旧正月は祝日に定められており、中華系の人だけでなく多くの人が故郷に戻り、家族と祝日を祝います。旧正月中は街中がランタンやデコレーションで華やかに真っ赤に染まり、お祭り気分が盛り上がります。
今回は、マレーシアで祝う旧正月について紹介します。
マレーシア:街中が赤一色に染まる旧正月
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年1月24日
年に4回の正月
多民族国家マレーシアには、1年にいわゆる正月(ニューイヤー)が4回あるのはご存知でしょうか。その中でも特に盛大なのが中国正月である旧正月です。
中国正月は1日目と2日目が祝日です。学校は1週間ほどお休みとなり、会社によっては10日間くらい休みになる会社もあります。
多くの国民が故郷へ帰るのでハイウェイは大渋滞ですが、逆にクアラルンプールの街は非常に静かになります。
中国正月の大晦日
中国正月の大晦日で一番大切にされているのは、家族が食卓を囲んで一緒に夕食を食べることです。大量のおかずや伝統的な縁起の良い料理がたくさん並びます。街のレストランも家族連れで大盛況となります。
日付が変わる時には、打ち上げ花火を上げ爆竹を鳴らします。大きな音を出すことで悪霊を追い出し、新年の安全を願う意味があります。住宅街でも、玄関前や路上で大量の爆竹を鳴らしたり、道路で大きな打ち上げ花火をあげたりします。深夜遅くまで、というより明け方近くまで爆音や煙で町中が包まれます。爆竹からでた赤い巻紙は片付けると縁起が悪いとされていて、自然になくなるまでそのまま放置されます。
旧正月の期間
旧正月は「初一」の元旦から始まり、「初十五」の15日目まで続きます。
マレーシアの旧正月でも日本同様の文化があり、子どもたちは赤い袋に入ったお年玉である「紅包」を受け取るのが初一の風習になっています。
初一には新しい服を着たり、赤い色のチャイナドレスで着飾り過ごすのが一般的です。そのために、正月前に新しい洋服や下着を用意したり、髪を整えたりして福を迎え入れます。
7日目である「初七」には「魚生(イーサン)」と呼ばれるサラダのような料理を食べると縁起が良いと考えられています。刺身や人参、大根、キュウリ、レタスなどの野菜類に、揚げたビーフン、ポメロやライム、ピーナッツ、ゴマ、コショウ、ごま油といった材料が使われていて、それぞれの食材には意味があります。
初九の日には、福建の人たちが花火や爆竹で盛大にお祝いをします。
初十五の日にも爆竹や花火、ライオンダンスで旧正月の最終日を祝います。
マレーシアの獅子舞「ライオンダンス」
ライオンダンスには、日本の獅子舞と同様に魔除けや疫病を退治する意味があります。
新年を迎えて初仕事の日に、会社の発展や厄払いの願いを込めてオフィスの前やお店の前や自宅の前でよく行われます。また、お店が新たにオープンする時などにも成功や発展を願ってライオンダンスをします。
大太鼓やシンバルのような楽器で大音声を出して披露される舞は、とても迫力があり神々しさを感じます。
活気を帯びた街
コロナ禍でここ数年はさすがの中国正月も静寂で、飾りつけのみでしたが、久しぶりに中国正月らしい活気のある街が戻ってきました。各モールでも工夫を凝らした華やかで運気に満ちた飾りつけをしています。ぜひマレーシアの中国正月の活気を感じ取っていただきたいです。