160年の歴史ある伝統的なおいしいお豆腐をマレーシアで
マレーシアで待望のお豆腐屋さん「大江戸豆富」が2023年11月にオープンし、現在も販売後はすぐに完売するほどの人気っぷり。マレーシアでは入手困難な本格派のお豆腐に各メディアも注目しています。日本食が既に定着しているといわれるマレーシアでの日本食参入の可能性について考えていきます。
160年の歴史ある伝統的なおいしいお豆腐をマレーシアで
著者:マレーシアgramフェロー Eri Uzurahashi
公開日:2024年1月4日
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お豆腐専門店「大江戸豆富」がマレーシアにオープン
江戸時代から引き継ぐ伝統的な技で作られるお豆腐屋さんが、マレーシアにオープンしました。1862年江戸時代からある老舗豆腐屋「染野屋」がマレーシア在住の実業家と合弁し、染野屋の海外2号店として「大江戸豆富」をマレーシアに展開。日本産NON-GMO(非遺伝子組み換え)の大豆、天然のにがり、厳選された原材料を日本から輸入し、伝統的な技で濃厚なお豆腐を作っているとのこと。
既に日本人会主催のチャリティーバザーで販売開始され、当日はすぐ完売するほど人気でした。日本人だけでなくローカルの方も注目していたようです。
まだ実店舗はなくポップアップ販売のみで、今後はオンラインストアやスーパー、製造場所併設のカフェなど、販売チャネルを拡大していくことを検討しています。
現在は、木綿豆腐、充填絹、湯葉、おから、豆乳が販売されています。今後は、油揚げ、厚揚げ、がんもなどの揚げ物、豆腐や豆乳を使用したスイーツも販売する予定だそうです。
現地のお豆腐について
筆者もマレーシアでずっと美味しいお豆腐はないのかと思っていました。マレーシアのスーパーでもお豆腐を購入することは可能です。品質に問題はないのですが、日本で食べていたような濃厚でなめらかなお豆腐にはなかなか出会えずにいました。
現地のお豆腐は火を通せばそれなりに美味しく頂けますが、冷奴としては濃厚さがなく物足りなく感じます。価格は1丁約50円~70円で購入可能です。
マレーシアでも〝日本の本格的な味″を食べたい日本人
マレーシアに住む日本人は、現地で販売しているお米や卵、お豆腐など日本食に欠かせない食材をスーパーで購入しますが、現地のものだと本格的な味や鮮度を求めるのはなかなか難しいところがあります。お米は様々なジャポニカ米が安く売られていますが独特な臭いや食感が気になる方も多く、お米探しに苦戦する日本人は多いようです。
もちろん、既に日本産のお米を取り扱う専門店などもあり、特にこちらは日本人に人気のようです。現地のマーケットやスーパーで販売されている卵は生卵として食べることができないので、生食可のブランド卵が流通しており、卵かけご飯食べる習慣の日本人に重宝しています。
(出典:外務省・マレーシア基礎データ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malaysia/data.html)
ローカルにも定着しつつある日本食
日本食はローカルの方にも大人気です。マレーシアのお寿司屋さんやラーメン屋さんへ行くと、多くのローカルの方で賑わっています。現在のマレーシアにおける日本食レストランの数は、1,890店舗。マレーシアでは、2021年頃から流行している「おかませ」を提供する高級日本食料理店、日本ブランドのスイーツショップ、ベーカリー、ローカル向けのお寿司屋さん、日本食のみを取り扱うスーパーなど多くの日本食レストランや小売店があります。
ローカルのナイトマーケットでは日本式たこ焼きなども見かけ、どこでも日本食が簡単に手に入ります。日本食はローカルの方にも既に受け入れられていると感じます。
(引用元:農林水産省・海外における日本食レストランの国・地域別概数(令和5年)(訂正版)(PDF)
https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/attach/pdf/231013_12-4.pdf)
まとめ
マレーシアでは、簡単に日本食を食べることができますが、今までなかった美味しいお豆腐屋さんのオープンは今回とても注目されました。すでに日本食が定着しているとはいえ、まだまだ日本食の参入余地を感じています。