マレーシアに駐在している日本人 8,739人

サイフディン内務大臣は、2024年10月31日時点で12万183人の外国人駐在員がマレーシアに滞在していると発表しました。
一番多いのが中国人の2万7460人で、日本人は4番目に多い8,739人でした。
コロナ禍以降、マレーシアに滞在する日本人の数は減少傾向にありますが、あらためて現状と今後の動向について解説します。

マレーシアに駐在している日本人 8,739人
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2025年4月3日
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上位5カ国で64%

外国人駐在員の数は、1位の中国以下、2位のインドの2万3131人、3位のフィリピンは9,302人、5位はインドネシアで8,333人となり、上位5ヶ国で全駐在者の約64%を占めています。
大臣は2023年版の「外国人居住都市ランキング」で、クアラルンプールは外国人が住むのに最も適した主要49都市のうち8位にランクされていることも指摘しました。
GDPにも大きく貢献
サイフディン内務大臣はさらに、外国人駐在員たちが750億リンギット(約2.4兆円)ものマレーシアの国内総生産(GDP)の4.8%に貢献していると述べ、1億リンギット(約32億円)の所得税を納めていることも述べました。
これは外国人駐在員が直接的にマレーシア経済や地域社会で果たす役割が大きいことを示していて、駐在員は比較的高い給与水準を持つ傾向があることから、現地での雇用創出や税収増加にも寄与していることを示しています。
現地経済への波及効果
外国人駐在員の存在は、特に都市部の経済活性化に貢献しています。例えば、駐在員は住宅、教育、医療、消費活動で多額の支出を行い、不動産市場や国際学校の運営にも大きな影響を与えています。
また、日系企業の駐在員の場合は現地スタッフの雇用促進や技術・ノウハウの移転にもつながっていて、製造業やサービス業での進出が多いことから、管理職や専門職として現地経済に貢献しています。
近年減少傾向に
2022年の外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、マレーシア在住の日本人数は2万4,545人で、前年比で9.9%減少しています。2024年は2万人を割り込む予想もり、マレーシアに滞在する日本人は近年減少傾向にあります。
特にMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)などの長期滞在者の減少が顕著で、永住者は微増しているものの全体としては低下しています。
減少の理由
滞在邦人が減少している理由としては以下があげられます。
①生活コストの上昇
クアラルンプールなどの都市部では物価や不動産価格の上昇が続き、移住先としての魅力が薄れています。
②教育や医療インフラへの不安
コロナ禍を経て、医療や教育インフラへの信頼性に不安を感じる日本人家庭が増えました。
③他国への移住シフト
タイやフィリピンなど物価が比較的安く、しかもすでに日本人コミュニティが確立されている国へ移住する傾向も見られます。
④MM2H条件の厳格化
MM2Hは外国人がマレーシアに長期滞在するためのビザ制度で、特に日本人のリタイア層に人気がありましたが、MM2Hプログラムの条件厳格化が日本人の長期滞在者の減少に大きく影響しています。
依然として高いマレーシアの魅力
マレーシアは14年連続で日本人の移住希望先1位を維持しており、温暖な気候、親日的な国民性、英語が通じやすい環境は依然として大きな魅力です。
また、厳格化されたとはいえ、MM2Hプログラムは根強い人気を持っています。
さらに2022年に新設された「デジタルノマドビザ」は、働く場所を問わないリモートワーカー、フリーランサーが取得できるので人気があります。
今後の動向として、物価上昇が続く中で日本人の新規移住はやや減速する可能性がありつつも、企業の駐在員やリタイア層を中心に、ある程度一定数の日本人がマレーシアでの生活を選び続けると考えられます。