どうなるスタグフレーション?今、米国は高インフレ!

アメリカ

スタグフレーションの現実味が増し、世界的なインフレが起こっており、ここアメリカも例外ではありません。
筆者の地域では、引っ越してきた2年前は1ガロン4ドルくらいだったガソリンが、1ガロン5ドル以上になりました。
現在のアメリカで、どんなものの価格が高いのか、どんなものが不足しているのか、その理由と合わせてシェアしていきたいと思います。
みなさんのアメリカビジネスのお役に立てたら幸いです。

スタグフレーション2022 今アメリカは高インフレ!

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2022年6月21日

今日のアメリカのお肉売り場1パウンド500g弱が7.49ドルで1050円くらい
バイソンのひき肉500g弱で約1300円もします。900g強で2600円くらい
隣の牛ひき肉は約500gで700円くらい。1500gで15.99ドル2100円くらい

どんな物が高くなっている?

米国農務省(USDA)は、2022年5月、食品価格予想を発表しています。
その中でも食肉、卵、パーム油、牛乳の4つの食品グループの価格が特に急騰していて、その影響を回避するのは難しいとしています。

以下はの5月時点価格上昇の予想率です。
食肉は6.5%〜7.5%上昇
魚介類は7〜8%上昇
卵は既に10.3%の上昇で、今年後半に更に19.5〜20.5%の大幅な上昇
食用油は10〜11%上昇
牛乳は13〜16%上昇
食肉、魚介、牛乳はパンデミック由来の価格上昇が尾を引いていて、卵や鶏肉は今アメリカで流行っている鳥インフルエンザの影響です。
パーム油については先日ようやく解除された、インドネシアのパーム油の輸出規制に由来するものです。
食料自給率が高く、原油の産油量も世界第一のアメリカですが、こうみるとやはりひとつの国の力だけでは生きていけないのだなぁと、しみじみ感じます。

インフレ率は40年ぶりの高水準

以前のお肉売り場
同じブランドではありませんが、ひき肉も少し安かったです。3パウンド1500g弱で8.99ドル1200円くらいでした。

2022年の4月のCPI(消費者物価指数)は8.3%上昇しましたが、アメリカのインフレ率は40年ぶりの高水準にとどまっています。
世界の他の国と同様に、まず、新型コロナウイルスで大きな打撃を受け、続いてロシアのウクライナ侵攻で更に大きな影響がでています。
新型コロナウイルスでの具体的な価格の上昇の理由は、労働力と輸送の不足により供給が減少したことにあります。
ロシアのウクライナ侵攻での価格上昇はロシアへの経済制裁に起因します。
小麦、原油、天然ガスについてはヨーロッパを中心に世界的な影響が出ています。
なぜならロシアはこの小麦、原油、天然ガスの上位輸出国だからです。
小麦に至ってはウクライナも輸出国なのでヨーロッパの打撃はかなり大きいです。
アメリカは世界第一の産油国であり、小麦もそれなりの収穫量がありますが、そうはいっても地球上にはアメリカ以外にも国があるので、世界の需要と供給の兼ね合いでかなりの打撃がでています。特にガソリンやエネルギー系の価格上昇には驚かされます。

18ドルの粉ミルクを200ドルで転売

それだけでなく、アメリカでは鳥インフルエンザのリコールで鶏肉や卵に影響が出ています。現時点で3700万羽以上の鳥が鳥インフルエンザに感染しました。生の鶏肉だけでなく、備蓄として用意してある冷凍鶏肉にも影響が出ていて、冷凍鶏肉は8.5〜9.5%の価格上昇が予測されています。もちろん卵についても例外ではありません。現時点でも10%以上の価格上昇がありますが、2022年後半には20%近くの価格上昇になることが予想されています。
リコールといえば、アメリカの大手粉ミルク会社「アボット」の工場でサルモネラ菌が検出され、アメリカのお母さん達を震撼させました。赤ちゃん2人がこの件で亡くなっていて、サルモネラ菌の検出のリコールで赤ちゃんの粉ミルクが不足しています。5月21日にやっと生産再開に関して米食品医薬品局(FDA)の同意を得ましたが、品薄状態が続いて売り場はガランとしており、1家族2コまで等の制限があります。アメリカのメルカリのようなebayでは通常18ドルくらいの粉ミルクを200ドルで売っている人もいました。
粉ミルクは赤ちゃんの命に関わるものなので、値段がいくら上がっても必要な人は必要なのです。早く粉ミルク不足が解消されることを願うばかりです。

インフレの原因は何か?

あるデータでは過去40年で最高水準を記録しているこの度のインフレに関して、何が最大の要因かを聞いたところ、38%がバイデン大統領とその政策であると答え、次いで多かったのがパンデミック(28%)、企業の値上げ(23%)、ロシアの侵攻を挙げたのはわずか6%でした。
しかし、バイデン大統領やその政権だけが悪いのではなく、前トランプ政権にも責任の一端はありそうです。
前トランプ政権でアメリカ経済はぐちゃぐちゃになりました。
共和党の前トランプ政権はパンデミック発生時に何もしなかったので、感染者は膨れ上がり、多くの方が亡くなり、経済活動も立ち行かなくなりました。
最終的にトランプ政権の最後の方、2020年9月にはアメリカの赤字は3.1兆ドルまで膨れ上がりました。
ここから起死回生を狙って誕生した民主党のバイデン政権ですが、民主党だからといって議員全員のベクトルが同じわけではないようです。
ウエストバージニア州のジョーマンチン議員、アリゾナ州のクリティンシネマ議員あたりが中道的な考えだったり、共和党に近い考えを持っていたりするので、なかなか足並みが揃わず、バイデン大統領が掲げていたアジェンダのほとんどが実現されていないか、期待以下です。
これを受けて2020年の大統領選でバイデン大統領に投票した人の中で、黒人女性やヒスパニックの支持が格段に下がっています。
また、バイデン大統領はロシアがウクライナに行っている一連の事柄について『ジェノサイド』と公の場で口にしたり、それ以外でもアメリカの代表として公言すべきではないことを断言するなど、ちょっと失言が多いので、そういう点でも支持率がかなり下がっています。

まとめ

アメリカは産油国でもありますし、食糧自給率もかなり高いですが、それでも様々な価格に影響がでるのは、世界にはアメリカだけでなく様々な国があり、それらがお互いに持ちつ持たれつの関係であることを実感せずにはいられません。戦争が長引けば更に価格が高騰するものも出てくると予想されます。1日も早く世界平和を願うのは大前提で、既存のエネルギーに頼らない新しいエネルギーにも注目が集まっています。ガソリンが使えないなら電気自動車、小麦粉がないなら米粉、肉が食べられないならプラントベーストミート。逆転の発想で代替品の活躍が期待される側面もあります。この記事が少しでも御社のビジネスのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事一覧