マレーシア:在馬日本人が待ちに待った「業務スーパー」ついに出店オープン

マレーシア

「ユニクロ、DAISO、ニトリ、ドンキが来たから、あとは業スーが来ればもう困ることはない!」と期待されていた「業務スーパー」がついにマレーシアにオープンしました。
積極的な広告を打たなかったにもかかわらず、SNS界隈での口コミで評判が広がり、売り上げは順調に伸びています。
今回の記事では、「業務スーパー」の経営戦略と今後の海外進出について解説します。

在馬日本人が待ちに待った「業務スーパー」ついに出店  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年11月xx日

「日本の商品をそのまま持ってくる」をコンセプトに

7月28日にソフトオープンした1号店は店舗面積は約500㎡あり、日本の業務スーパーと比較しても大型の店舗です。 首都クアラルンプールに隣接する衛星都市であるプタリン・ジャヤの複合施設「ピナクル・プタリンジャヤ」への出店で、神戸物産とのライセンス契約を結ぶ、マレーシアを拠点とする日系企業JバリューGSM社が運営します。「業務スーパー」を運営する神戸物産は「日本の業務スーパーをそのままマレーシアに持ち込みたい」という熱心な思いがあり今回の出店を決めたそうです。
業務スーパーは現在ベトナムと香港に進出していますが、日本と同様の形態で営業している店舗はありません。

ハラル対応にも工夫

現在の来店者は日本人や華人系が多いものの、マレーシアでは国民の7割がイスラム教徒のマレー系であることから、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)の対応にも工夫をこらしています。各商品の値札には、イスラム教ではタブーとなる豚肉やアルコールが含まれているものにシールを貼って注意を促しています。また、英語と日本語で成分を表示し、以前他店で問題になった表示が見にくいという点も改善し、顧客自身がチェックできるようにしています。
日本から1,500~2,000品目の商品を輸入していますが、為替リスクの軽減を図り、物流会社の協力で積載効率の最大化によってコストを軽減し、業務スーパーのコンセプト「品質の良い商品をベストプライスで」「毎日がお買い得(EDLP=エブリデイ・ロー・プライス)」を実現していく考えです。

業務スーパーの比類なき強さ

業務スーパーの強みの1つは、生産~加工~販売までの「製販一体体制」が確立されていることです。小売業というよりもむしろ製造業といえるほどで、価格を抑えた商品を展開しており、独自商品開発力が素晴らしいです。
国内に自社グループ工場を25か所も有しており、世界約40ヶ国に協力工場を持ち、カントリーリスクを回避しています。このネットワークを活かして、利益率の高いオリジナルのPB商品の企画・製造を行い、材料等を大量に仕入れることも含めコストダウンを図ってます。PB商品の構成比率は2020年で31%とここ数年上昇傾向にあり、このうち、国内の自社のグループ工場で製造した商品が約10%で残り約20%が輸入品となっています。
また、全国に979ある店舗のうち直営店はわずか3店舗で、他はフランチャイズチェーンです。店の中身は加盟店ごとにバラバラという柔軟な運営が、業務スーパーのFC経営の最大の武器で、店舗数を急激に増やした理由となっています。

強味をさらに活かす

マレーシアでは今後2年間で3店舗を開設し、合計4店舗を展開することを目標に掲げています。業務スーパーの強みは日本国内においてのみ発揮されるものではないので、今後の海外展開はさらにスピードアップしていくのではないでしょうか。各国でFC運営先が独自に各国の消費者に合わせた商品、店舗展開を進めていくとより強みが強化されていくと思います。

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