中国人観光客500万人の誘致を目指す
マレーシアは、2024年に中国からの観光客を500万人以上誘致する戦略を積極的に展開していく予定である、と先日発表しました。
中国はマレーシアにとっては最大の貿易相手国で、東海岸鉄道計画など、新たなインフラ整備をはじめ、環境エネルギーやデジタル通信などの分野での協力関係が深化しています。
今後は観光面での関係も深めていくようです。
今回は、マレーシアの観光戦略について解説します。
中国人観光客500万人の誘致を目指す
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2024年3月25日
500〜700万人を誘致
マレーシア政府観光局のアンマル事務局長は、2024年、500〜700万人の中国人観光客を誘致するという政府の目標は達成できると楽観視している、と述べています。
また、シン観光大臣は観光業界の関係者に目標達成のために協力を促しており、「観光業界が団結し、ホテルやレストランなど施設の整備・補修や優れたサービスを提供することが重要だ」と述べています。
2023年は140万人
2023年のマレーシアへの中国人観光客数は140万人でした。
今年の目標を達成するには、昨年の数倍の中国人観光客を誘致しなければなりません。
2023年の12月には16.8万人の中国人観光客がマレーシアを訪れ、前月比 35.1%という大幅な伸びを示しています。2019年には310万人もの中国人観光客数を記録しています。
マレーシアにとって中国は非常に重要な観光客の源であり、観光客数のトップ6にもランクインしています。
観光産業関係者に協力を要請
2023年マレーシアは「観光客の到着者数」の目標を達成し、2024年にはパンデミックから完全に回復して、観光客数も大幅増すると予測されています。
観光大臣は「観光業界の関係者の多くは、まだ地元の観光名所に十分に精通していないため、積極的に宣伝していない」と述べ、観光産業関係者に対して、州観光局と協力して地元の魅力を宣伝するよう呼び掛けました。
また、レストランなどのトイレの衛生状態の悪さや水道の不足について観光客から多くの苦情を受けていると付け加え、努力を促しました。
「マレーシア訪問年」
マレーシア政府は先日の予算演説で、2026年を「マレーシア訪問の年」とすることを表明しました。2610万人の外国人観光客の入国を目指し、3億5,000万リンギット(約110億円)を観光を促進するために予算化すると述べています。
また、2024年はマレーシアと中国の国交樹立50周年でもあります。中国からのチャーター便の運航を奨励し、直行便数を増やすために航空会社と協力していく予定です。
ビザなし滞在を認める
2023年の12月1日から、マレーシアは中国国籍の保有者に対し最大で30日間、ビザなしでのマレーシアの滞在を認めています。
これはパンデミックによる渡航制限が解除されて以来、中国では2024年2月に初の春節休暇を迎え、多くの中国人が海外旅行の準備をしているのを受け、前例のない「ビザ免除」という措置で中国からの観光客を呼び込むことを期待したものと思われています。
観光産業を促進
マレーシア政府観光局は「マレーシア訪問年」に向け、6つの先見的な柱を示しています。
国際観光の回復に焦点を当てていて、「デジタルの導入」「イノベーション」さらに「健康と安全」などに重点を置いています。
近隣のアジア諸国やイスラム市場からの海外旅行者が、コロナ禍を脱して戻ってくると予想され、ビジネス旅行や人気が出始めていた医療旅行なども勢いを取り戻し、さらなる発展が期待されています。
日本人にとってもマレーシアは格好の旅行先であると、10年以上住んでみて強く実感しています。
今後ますます日本からの観光客が増え、親マレーシア、親日の絆が強まることを期待しています。